番外編
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真衣ちゃんとの話、順平くんに出会うより前の話。
「ねえ、真希ちゃん出家したの?」
「どこでどう話がネジ曲がればそうなるのよ、馬鹿じゃないの?その頭の中のノートはただのゴミだったの?」
真衣ちゃんに馬鹿呼ばわりされた上に脳ミソをゴミ呼ばわりされた、悲しい。
真衣ちゃんの双子のお姉さんである真希ちゃんが出家もとい、武者修行のために家を出たらしい。なんだ…家庭を捨てて仏教コミュニティに入ったのかと思った、聞いた時にあの綺麗な麗しい黒髪が丸坊主になるのかと思って悲しくなって損した。
私も一応カテゴライズ的には禪院の端くれであるため、禪院さん本家の血を引く方々との面識もある。
一個年上の真希ちゃん真衣ちゃんにはよくお世話になったものである、バーニーへのピュアピュアな想いを語ったのは後にも先にも彼女達だけであろう。
その恋バナを照れながらもした時は双子に左右から「どうかしてる」「趣味が悪い以前の問題」「シンプルにイカれてる」「もう話すのやめろ」と言われた、この想い届かず無念なり。
京都での一仕事を終え、禪院に帰ってくれば真衣ちゃんに取っ捕まって茶を出されて愚痴られている、真衣ちゃんも大変だなあ…私だったら二人のような扱いを受けていたらどうだろう、どうしてたかしら…うん、多分今よりはまともだったかも知れない、主に情緒とか。
「質問しても?」
「何よ、つまらないことだったら…」
「キスして口塞ぐ?分かっためちゃめちゃ下らないこと言うわね」
「しないわよ!」
「真衣ちゃんって真希ちゃん好きよね」
「……ッ!…ッ!!………っ本当嫌い、アンタも真希も」
ツンデレだ、可愛い、嫁に来てくれないかな…わりとガチで。
いや真衣ちゃん本当可愛いな、身長高くて胸あって髪もエアリーで良い、何で私は男に産まれ無かったのだろうか、男だったら今すぐ求婚出来たのに。
「大丈夫?結婚する?」
「はあ!?」
「あ、間違えた」
「本当何なのアンタ、喋ってると頭痛くなってくる…」
「ごめんなさい、お詫びは何がいいかしら?」
「新しく出来たチョコレート専門店」
「任せて、エスコートも荷物持ちも財布も全て完璧にこなすから、私って凄腕なのよ」
荷物持ちに凄腕も何も無いでしょうとのツッコミを無視して煎れて貰った茶を啜る、禪院で出てくる物は大抵美味いから良い。飯は味が薄いけど普段食べている半額弁当よりはずっと美味い、煮物とか漬物とか私は好きだ、あんまり匂いも無いし。真衣ちゃんはジャンクなフードの方が好きらしいけど…私にはジャンクフードの良さは分からない、油っぽくてしつこいと感じてしまった。
私達には似たような血が流れている、だけど全ては似てはいないし同じでは無い。
私は双子の抱える悩みや葛藤のような生き辛さを覚えたことは無いし、呪霊に怯えたことも無い。
当主様の息子が語る女とか男とか良く分からないし、当主になろうと思ったことも一度も無い。
血とか、呪力とか、術式とか…家同士のいざこざとか本当に全然気にした試しが無かった、そんなことに注目しても私には何の得も無いうえに時間と思考の無駄だ、この禪院と言う名前の付いた女にとって地獄のような家で立場を確立するには己の有用性を見せつけ続けなければならない、私にはそれが出来た。掃除屋として人を殺す、他の誰もしたがらない汚れ仕事を一手に引き受ける、私はこの家での生き方を知っていた。
真衣ちゃんはこれから大変だろうな、なりたくない物のために死ぬ気で努力して命を張っていかなきゃならないのだ、私も別に掃除屋なんてやりたいわけでは無いのだが、それでもこれでやっていくと幼少期から決めているのだ。急な進路変更は大変だろう。
「じゃあ京都の方の学校に行くのね」
「アンタも来る?」
「行かなーい、興味無いもの」
「一応呪術師なんでしょう?」
「一応ね、一応…肩書きだけ」
真衣ちゃんと京都の学校に行った場合を想像する、制服着た真衣ちゃんと放課後デートとか出来るのかな…それはちょっとアリかもしれない、でも無いな…余計な物が増えそうで嫌だ。あと加茂さんのとこの息子にも会いたくない、無駄に心配してくるのが面倒なのだ。
学校か、私には縁の無い話だ。
まあ、そこで真衣ちゃんにとってプラスになる物が一つでも見付けられたら良いことだと思う、不確定な未来には希望を持っておいた方が良い。
「東京の方には来年あの子が来るらしいわね」
「あの子ってどの子」
「…話の流れで分からないの?人として脳ミソの解像度低すぎないかしら?」
「だからあの子って誰」
「伏黒恵………って、もしかしてアンタ本当に分からないの?」
「分からない、知らない」
誰だよ伏黒恵、女子?
いらない情報はレストア時に引き継がないし、興味の無いことはすぐに忘れる脳ミソだ、もしかしたら前に聞いたことがあったかも知れないが…おあいにく様記憶に見当たらない。
真衣ちゃんが残念な物を見る目をしてくる、やめてくれ可愛い子にそういう風な目を向けられると結構クるものがある…。
すまない見知らぬ伏黒恵ちゃんとやら、私は禪院と殺しに必要無い物は基本忘れる人間だ。
「ねえ、真希ちゃん出家したの?」
「どこでどう話がネジ曲がればそうなるのよ、馬鹿じゃないの?その頭の中のノートはただのゴミだったの?」
真衣ちゃんに馬鹿呼ばわりされた上に脳ミソをゴミ呼ばわりされた、悲しい。
真衣ちゃんの双子のお姉さんである真希ちゃんが出家もとい、武者修行のために家を出たらしい。なんだ…家庭を捨てて仏教コミュニティに入ったのかと思った、聞いた時にあの綺麗な麗しい黒髪が丸坊主になるのかと思って悲しくなって損した。
私も一応カテゴライズ的には禪院の端くれであるため、禪院さん本家の血を引く方々との面識もある。
一個年上の真希ちゃん真衣ちゃんにはよくお世話になったものである、バーニーへのピュアピュアな想いを語ったのは後にも先にも彼女達だけであろう。
その恋バナを照れながらもした時は双子に左右から「どうかしてる」「趣味が悪い以前の問題」「シンプルにイカれてる」「もう話すのやめろ」と言われた、この想い届かず無念なり。
京都での一仕事を終え、禪院に帰ってくれば真衣ちゃんに取っ捕まって茶を出されて愚痴られている、真衣ちゃんも大変だなあ…私だったら二人のような扱いを受けていたらどうだろう、どうしてたかしら…うん、多分今よりはまともだったかも知れない、主に情緒とか。
「質問しても?」
「何よ、つまらないことだったら…」
「キスして口塞ぐ?分かっためちゃめちゃ下らないこと言うわね」
「しないわよ!」
「真衣ちゃんって真希ちゃん好きよね」
「……ッ!…ッ!!………っ本当嫌い、アンタも真希も」
ツンデレだ、可愛い、嫁に来てくれないかな…わりとガチで。
いや真衣ちゃん本当可愛いな、身長高くて胸あって髪もエアリーで良い、何で私は男に産まれ無かったのだろうか、男だったら今すぐ求婚出来たのに。
「大丈夫?結婚する?」
「はあ!?」
「あ、間違えた」
「本当何なのアンタ、喋ってると頭痛くなってくる…」
「ごめんなさい、お詫びは何がいいかしら?」
「新しく出来たチョコレート専門店」
「任せて、エスコートも荷物持ちも財布も全て完璧にこなすから、私って凄腕なのよ」
荷物持ちに凄腕も何も無いでしょうとのツッコミを無視して煎れて貰った茶を啜る、禪院で出てくる物は大抵美味いから良い。飯は味が薄いけど普段食べている半額弁当よりはずっと美味い、煮物とか漬物とか私は好きだ、あんまり匂いも無いし。真衣ちゃんはジャンクなフードの方が好きらしいけど…私にはジャンクフードの良さは分からない、油っぽくてしつこいと感じてしまった。
私達には似たような血が流れている、だけど全ては似てはいないし同じでは無い。
私は双子の抱える悩みや葛藤のような生き辛さを覚えたことは無いし、呪霊に怯えたことも無い。
当主様の息子が語る女とか男とか良く分からないし、当主になろうと思ったことも一度も無い。
血とか、呪力とか、術式とか…家同士のいざこざとか本当に全然気にした試しが無かった、そんなことに注目しても私には何の得も無いうえに時間と思考の無駄だ、この禪院と言う名前の付いた女にとって地獄のような家で立場を確立するには己の有用性を見せつけ続けなければならない、私にはそれが出来た。掃除屋として人を殺す、他の誰もしたがらない汚れ仕事を一手に引き受ける、私はこの家での生き方を知っていた。
真衣ちゃんはこれから大変だろうな、なりたくない物のために死ぬ気で努力して命を張っていかなきゃならないのだ、私も別に掃除屋なんてやりたいわけでは無いのだが、それでもこれでやっていくと幼少期から決めているのだ。急な進路変更は大変だろう。
「じゃあ京都の方の学校に行くのね」
「アンタも来る?」
「行かなーい、興味無いもの」
「一応呪術師なんでしょう?」
「一応ね、一応…肩書きだけ」
真衣ちゃんと京都の学校に行った場合を想像する、制服着た真衣ちゃんと放課後デートとか出来るのかな…それはちょっとアリかもしれない、でも無いな…余計な物が増えそうで嫌だ。あと加茂さんのとこの息子にも会いたくない、無駄に心配してくるのが面倒なのだ。
学校か、私には縁の無い話だ。
まあ、そこで真衣ちゃんにとってプラスになる物が一つでも見付けられたら良いことだと思う、不確定な未来には希望を持っておいた方が良い。
「東京の方には来年あの子が来るらしいわね」
「あの子ってどの子」
「…話の流れで分からないの?人として脳ミソの解像度低すぎないかしら?」
「だからあの子って誰」
「伏黒恵………って、もしかしてアンタ本当に分からないの?」
「分からない、知らない」
誰だよ伏黒恵、女子?
いらない情報はレストア時に引き継がないし、興味の無いことはすぐに忘れる脳ミソだ、もしかしたら前に聞いたことがあったかも知れないが…おあいにく様記憶に見当たらない。
真衣ちゃんが残念な物を見る目をしてくる、やめてくれ可愛い子にそういう風な目を向けられると結構クるものがある…。
すまない見知らぬ伏黒恵ちゃんとやら、私は禪院と殺しに必要無い物は基本忘れる人間だ。