番外編
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学校、昼休み。持参した冷めきったお弁当を食べることにした、水滴の着いたプラスチックの蓋と固くなって冷えた米、その他特別美味くも不味くも無い濃い味付けの防腐処理がされているであろう安い弁当は私の腹を満たすには十分な量だ。
これでも周囲の目を気にして考えた方だ、昔は誰も何も言わなかったので良くてスーパーの値引きシール付き菓子パンにマルチミネラルビタミン剤や多様なサプリメント、とりあえずバナナ食べておけば何とかなると…仕事に持ち込む食事はそんなものばかりであった。
だが、それを見た良識ある大人の方々が徐々に成長について云々と口を出して来たためにこうして弁当を食すに至った、正直食事はさっさと済ませて消化に時間を使いたいのだが、それを言うとまた周りを困らせるのだと理解しているため黙って冷えた米を食う。
一緒に昼食を広げていた吉野くんが微妙な顔をした。
「またコンビニの?」
「これはスーパーのやつ、昨日の夜に値引きされてたの」
「それ多分、昨日のうちに食べて貰うための値引きなんじゃ…」
「米が固い」
「ほらぁ…」
凄く残念な目線で弁当を見てくる、煩いな…食えればいいんだ食えれば、わりとカロリーあるのよこれ。
時間が経った油の匂いがする揚げ物をつついて食べる、シナシナしたコロッケだって別に言うほど不味くは無い。
吉野くんのお弁当は昨夜の余りだったり冷凍食品を詰めたりが主らしい、時々パンやら出来合いの物を買ってくるのだから似たり寄ったりだと思う。
そんなことを考えながらひたすら咀嚼を続けていると、吉野くんが斜め下に視線を投げながらおずおずとこちらに自分の弁当を向けて来た。
「こ、交換しようよ…たまにはちゃんとした物食べた方が良いんじゃないかな…」
「吉野くん……」
「ほら…この、ほうれん草の奴は昨日のだけど美味しいよ」
「でも、こんなちょびっと食べた所で特に何も体に影響は無いと思うわよ」
「………えぇ…」
微妙に寒いような心地が空気に流れてくる。
吉野くんが物凄く残念な物を見る目をしてくる、やめろしょっぱい顔するな。私はただ、吉野くんのお母さんが吉野くんのために用意したであろう食事を簡単に食したく無いのだ。あと単純に私の賞味期限がギリギリ過ぎた弁当を成長期の男子に食べさせたく無い、それに全部手つけちゃってるし。
モソモソと居心地悪くなった席で昼食を続けた。
料理、出来るようになった方が良いかしら…でも私が料理出来ても誰も特しないだろうからな、いやどうかな。
「吉野くんは、私の料理とか食べてみたい?」
「え、」
「何だろう…お味噌汁とか?」
「え、み、味噌汁?」
「お味噌汁は駄目?」
「いや駄目とかじゃ無くって、その、」
「なに?」
「………分かんないならいいよ…」
はぁ~ と深いため息をすると吉野くんは顔を背けてしまった。
お味噌汁、本家や分家では毎日飲んでた物だからどうにか出来ないかなと思ってのチョイスだったが……あ、ああ…そうか毎日、味噌汁を毎日…この反応、なるほど。
口角がクイッと上がりそうになり表情筋に力を入れてデフォルトを保つ。それでも楽しくなってしまい声に出した。
「私のお味噌汁毎日飲みたい?」
「わざわざ言い直さなくていいから!!」
吉野くんは今度こそ私から完全に顔を背けて弁当をとにかく口の中へ詰め込むことに専念した。
う~ん、ちょっとだけ料理を学んでも良いかもしれないな、そうしていつか味噌汁くらい作れるようになったら、また同じ質問をしても良いかもしれない。
そうやって、冷たい米を噛みしめながら、温かい湯気の立つ味噌汁について考えていた。
これでも周囲の目を気にして考えた方だ、昔は誰も何も言わなかったので良くてスーパーの値引きシール付き菓子パンにマルチミネラルビタミン剤や多様なサプリメント、とりあえずバナナ食べておけば何とかなると…仕事に持ち込む食事はそんなものばかりであった。
だが、それを見た良識ある大人の方々が徐々に成長について云々と口を出して来たためにこうして弁当を食すに至った、正直食事はさっさと済ませて消化に時間を使いたいのだが、それを言うとまた周りを困らせるのだと理解しているため黙って冷えた米を食う。
一緒に昼食を広げていた吉野くんが微妙な顔をした。
「またコンビニの?」
「これはスーパーのやつ、昨日の夜に値引きされてたの」
「それ多分、昨日のうちに食べて貰うための値引きなんじゃ…」
「米が固い」
「ほらぁ…」
凄く残念な目線で弁当を見てくる、煩いな…食えればいいんだ食えれば、わりとカロリーあるのよこれ。
時間が経った油の匂いがする揚げ物をつついて食べる、シナシナしたコロッケだって別に言うほど不味くは無い。
吉野くんのお弁当は昨夜の余りだったり冷凍食品を詰めたりが主らしい、時々パンやら出来合いの物を買ってくるのだから似たり寄ったりだと思う。
そんなことを考えながらひたすら咀嚼を続けていると、吉野くんが斜め下に視線を投げながらおずおずとこちらに自分の弁当を向けて来た。
「こ、交換しようよ…たまにはちゃんとした物食べた方が良いんじゃないかな…」
「吉野くん……」
「ほら…この、ほうれん草の奴は昨日のだけど美味しいよ」
「でも、こんなちょびっと食べた所で特に何も体に影響は無いと思うわよ」
「………えぇ…」
微妙に寒いような心地が空気に流れてくる。
吉野くんが物凄く残念な物を見る目をしてくる、やめろしょっぱい顔するな。私はただ、吉野くんのお母さんが吉野くんのために用意したであろう食事を簡単に食したく無いのだ。あと単純に私の賞味期限がギリギリ過ぎた弁当を成長期の男子に食べさせたく無い、それに全部手つけちゃってるし。
モソモソと居心地悪くなった席で昼食を続けた。
料理、出来るようになった方が良いかしら…でも私が料理出来ても誰も特しないだろうからな、いやどうかな。
「吉野くんは、私の料理とか食べてみたい?」
「え、」
「何だろう…お味噌汁とか?」
「え、み、味噌汁?」
「お味噌汁は駄目?」
「いや駄目とかじゃ無くって、その、」
「なに?」
「………分かんないならいいよ…」
はぁ~ と深いため息をすると吉野くんは顔を背けてしまった。
お味噌汁、本家や分家では毎日飲んでた物だからどうにか出来ないかなと思ってのチョイスだったが……あ、ああ…そうか毎日、味噌汁を毎日…この反応、なるほど。
口角がクイッと上がりそうになり表情筋に力を入れてデフォルトを保つ。それでも楽しくなってしまい声に出した。
「私のお味噌汁毎日飲みたい?」
「わざわざ言い直さなくていいから!!」
吉野くんは今度こそ私から完全に顔を背けて弁当をとにかく口の中へ詰め込むことに専念した。
う~ん、ちょっとだけ料理を学んでも良いかもしれないな、そうしていつか味噌汁くらい作れるようになったら、また同じ質問をしても良いかもしれない。
そうやって、冷たい米を噛みしめながら、温かい湯気の立つ味噌汁について考えていた。