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番外編

七海さんが外でお酒を飲んでくるそうで、私は一人お留守番をすることになったのだが……

「ヒェッ……酔っぱらっておられる…」

夕方6時から飲みはじめ、そこから4時間飲みっぱなし。
何処で着火したのか不明だが、本日の七海さんはピッチが早く、テンションも高めだったらしい。

テンションが高い七海さんって何……?どういうことなの……??

足元がフラついている訳では無いが、一応挨拶ついでにと家まで送り届けて下さった五条さんに話を聞けば、本日の席では「身内自慢大会」になっていたらしい。
なるほど、確かに自慢話は素面じゃキツいのかも…?と思いながら、七海さんがどんな自慢話をしていたのか気になっていれば、ネクタイをグイッと緩めた彼が「貴女のことですよ」と言った。

私が差し出した水を一気に飲み干し、一息ついた七海さんは語る。

「うちの子が大変優秀な良い子であり、どれだけ優れ可愛いかを語れる機会なんてあまり無いもので、つい話過ぎました」
「そ、そうですか……」
「……はぁ…本当に貴女は素晴らしい子ですね、私の癒しです、何処にも行かないで」
「ヒェ~~~」

そんなこと言われましても~!行かないと言いますか、行けないと言いますか……まだ監視対象の身柄であるので、迂闊に行動出来ませんし……。

「そういうことでは無く、私以外に媚と尻尾を振って着いて行かないようにという話です」
「し、しっぽないデス…」
「あります、見えます」

それは幻覚だよ~!?
耳もあります、ほら可愛い。と、私の頭をワチャワチャ撫で始めた七海さんに「これは確かに酔ってらっしゃるのかもしれない…」と感じた。

七海さんてお酒強いんだよね?お酒強い人でも酔うことあるんだ…大人って大変なんだなあ……。

でも構って貰えるのは、ちょっとだけ嬉しい私であった。
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