番外編
食堂で星クズが何かを作っていたため、ご相伴に預かった夏油は食べた物を吐き出した。
「ッ、何だこれは……」
不味い、あまりに不味い。
見た目は豚骨ラーメンに見えたそれは、妙に乳臭く、何とも言えない味がした。
星クズは基本的に書店で立ち読み(速読一冊15秒)をしたレシピ集で気になった物を実験的に作ったりしている、今まで食べさせて貰ったものは全てとても美味しい物であったため、夏油はその腕を信頼して口にしたのだが、見事に撃沈した。
シェフの気紛れが地獄を呼んでしまった、誰か責任者呼んで来い。
「インスタントラーメンの牛乳割りだ、殺戮にいたる病で美味しそうに書いてあったから」
該当する文章
『うまいような気さえしてきた』
「国語の勉強もちゃんとしようか」
「はい、ごめんなさい…」
ということで、謎の料理は全て星クズの胃に収まった。基本コイツは物理的に食べられれば何でも良かった、雑食の極み。次に対峙する呪霊はゲロまず牛乳ラーメンを元にした爆弾で倒されることになる。
それはさておき、夏油の味覚に悪意の無い攻撃をしてしまった星クズはお詫びをすることにした。
七海による教育の賜物、ここにあり。
「味覚とは人類が生き残こるために発達させた能力の一つであり、人類の先祖は自然界にある木の実や植物の葉、根、魚介類、動物、そのすべてを口に入れ、食すことが可能か、毒性があるかを味覚や臭覚に頼って選ぶことで……」
「分かりやすく言えるかな?」
「何か食べたいものある?」
灰原や七海に習い、説明をぶった切って結論を望めば首をやや横に倒しながら聞いてきた、が……次いで「30万円以内で」と付け足した。
30万??夏油は変に思った。
だってこの子…一週間の小遣いが500円のはず、毎週灰原から500円を貰い、それをしまむらで買ったケロケロケロッピのがま口に入れているのを知っている。ちなみにあのケロケロケロッピは悟が買って来たものだ、仲直りの印らしい。お値段480円、完璧に宇宙人をナメている。
「そのお金はいったい何処から入手したか聞いても?」
夏油は慎重に言葉を選んで聞いた。
星クズはなんてこと無いように答える。
「ドイツのブックメーカーの政治賭博に参加して稼いだ」
「政治…賭博……」
あ、やっぱりこの子、私の手には余る。
夏油はそう思い、星クズの手を引いて保護者の元へ早足に向かった。お宅のお子さんについてお話があります。
こうして保護者との三者面談(4人)により、追加ルールとして
・任務以外でお金を沢山稼いだら報告する
・非合法な稼ぎ方はしてはいけない
・国語の勉強を頑張る
・変な料理は人に食べさせない
が追加された。
「食文化は複雑だな…」
「貴方、拾い食いとかしてませんよね?」
「落ちてる物食べたら、お腹壊しちゃうから駄目だよ?」
星クズは良い子なので「はい」としっかりお返事をした。約束できるもん!
しかし呪霊や悪い人間を食べるのは拾い食いに入らないだろう、と勝手に結論付ける。
いつだって、100%子供を管理することは不可能なのだ。
「ッ、何だこれは……」
不味い、あまりに不味い。
見た目は豚骨ラーメンに見えたそれは、妙に乳臭く、何とも言えない味がした。
星クズは基本的に書店で立ち読み(速読一冊15秒)をしたレシピ集で気になった物を実験的に作ったりしている、今まで食べさせて貰ったものは全てとても美味しい物であったため、夏油はその腕を信頼して口にしたのだが、見事に撃沈した。
シェフの気紛れが地獄を呼んでしまった、誰か責任者呼んで来い。
「インスタントラーメンの牛乳割りだ、殺戮にいたる病で美味しそうに書いてあったから」
該当する文章
『うまいような気さえしてきた』
「国語の勉強もちゃんとしようか」
「はい、ごめんなさい…」
ということで、謎の料理は全て星クズの胃に収まった。基本コイツは物理的に食べられれば何でも良かった、雑食の極み。次に対峙する呪霊はゲロまず牛乳ラーメンを元にした爆弾で倒されることになる。
それはさておき、夏油の味覚に悪意の無い攻撃をしてしまった星クズはお詫びをすることにした。
七海による教育の賜物、ここにあり。
「味覚とは人類が生き残こるために発達させた能力の一つであり、人類の先祖は自然界にある木の実や植物の葉、根、魚介類、動物、そのすべてを口に入れ、食すことが可能か、毒性があるかを味覚や臭覚に頼って選ぶことで……」
「分かりやすく言えるかな?」
「何か食べたいものある?」
灰原や七海に習い、説明をぶった切って結論を望めば首をやや横に倒しながら聞いてきた、が……次いで「30万円以内で」と付け足した。
30万??夏油は変に思った。
だってこの子…一週間の小遣いが500円のはず、毎週灰原から500円を貰い、それをしまむらで買ったケロケロケロッピのがま口に入れているのを知っている。ちなみにあのケロケロケロッピは悟が買って来たものだ、仲直りの印らしい。お値段480円、完璧に宇宙人をナメている。
「そのお金はいったい何処から入手したか聞いても?」
夏油は慎重に言葉を選んで聞いた。
星クズはなんてこと無いように答える。
「ドイツのブックメーカーの政治賭博に参加して稼いだ」
「政治…賭博……」
あ、やっぱりこの子、私の手には余る。
夏油はそう思い、星クズの手を引いて保護者の元へ早足に向かった。お宅のお子さんについてお話があります。
こうして保護者との三者面談(4人)により、追加ルールとして
・任務以外でお金を沢山稼いだら報告する
・非合法な稼ぎ方はしてはいけない
・国語の勉強を頑張る
・変な料理は人に食べさせない
が追加された。
「食文化は複雑だな…」
「貴方、拾い食いとかしてませんよね?」
「落ちてる物食べたら、お腹壊しちゃうから駄目だよ?」
星クズは良い子なので「はい」としっかりお返事をした。約束できるもん!
しかし呪霊や悪い人間を食べるのは拾い食いに入らないだろう、と勝手に結論付ける。
いつだって、100%子供を管理することは不可能なのだ。