直哉と健気で可愛いパシリちゃん
【報告】
2017年 2月■日
■■家にておきた、上層部役員殺害事件について。
以下、加害者の供述。
「私の身を暴こうとする行為を母が怒ったので、やらざる負えなかったのです。母の怒りは私の呪い。母の悪夢は、私が断ち切らねばならぬのです。そのためならば神も悪魔も殺します、身内だって殺します。」
加害者である少女は、自らが侵した事件について「母の最後の娘として与えられた役割をこなしただけだ」と述べている。
___
現状報告。
五条悟が私に会いに来た。
遡ること十分程前の話。
直哉様の荷物持ちの任を無事に終えた私は、禪院家の屋敷に直哉様と一緒に戻ってきた。
マックでシェイクとアップルパイをご馳走して貰い、テンション爆裂!元気モリモリ!今なら「マック」に元号改正しても良し!ってな気分だったのだが、それに水を差すように女中さんから「お客様がお目見えです」と言われてしまい、直哉様と顔を合わせた。
はて、客人とな?それは私にか?
直哉様を見上げながら首を傾げれば、彼は顔を背けてから「ッチ」と舌打ちをした。
「それ悟くんやろ?まだおるんかいな…」
「客室でお待ちです」
何やら直哉様の機嫌が一気に下がったような気配がするな…と心配している間にも、荷物を女中さんに取られ、客室へ急げ!と言外に指示される。
こっちは用事なんて何も無いが、行かなきゃならないのならば行くしかあるまい。
ということで、何故か私への客なのに我先にと歩いて行く直哉様と一緒に客室へと向かえば、そこに居たのは"あの"五条悟であったのだった。
「コイツの主は俺や、コイツに会いたかったら俺に許可取ってからにせえや、悟くん」
「なーんだ。思ったより気に入られてんじゃん、良かったね」
バチバチしてる直哉様の言葉を無視して、直哉様の後ろで突っ立っていた私に五条悟は手を振りながら声を掛けてきた。
一先ず対面になるように座り、横に座った直哉様をチラリと見てから、客人に挨拶をする。
「こんにちは…えっと、ご無沙汰しております…?」
「うんうん、元気そうで何より」
「はい、元気は有り余っているくらいで…」
「ところで、その服可愛いね」
どうしよう、イマイチ話が噛み合わないスタートを切ってしまった!!
他所向けの笑顔がピキッと引き攣る。
ふ、服を褒められたが、服以外は褒められていない…これはつまり、服は可愛いけど着てる人間は可愛くないってことなのか?どうしていきなり服について話し始めたんだ?
今着ている服は、今朝方女中さんが着替えの時間に持ってきてくれた服だ。ブランドは知らない、でも多分良い物だ。
いやまあ確かに私も着たことないような可愛らしいお洋服なので、お洋服が可愛いってのは同意だが…何故今服を褒めるのか。他にもっとあるだろ、元気?京都はどう?虐められてない?とか、そういうフラットな会話をだな…。
私は何と返したら正解なのかが分からなくなり、「えへ、へへへ…」と、奇妙な笑い声を返してしまった。
しかし、五条悟はそんな私にうんうんと頷きながら、何かを理解したような雰囲気を醸し出す。
「可愛いけど、君はもっとアクティブな服装を好んでなかったっけ?」
「あ、えと…あの……」
「前に会った時は、全身モンベルだったよね」
「そ、そですね………」
確かに私はモンベルユーザーなんですが、それは兄の一人がヘビー級のモンベルユーザーだからなんですよ…とも言えず、曖昧に笑うだけになってしまった。
なんだこの会話、間が苦しい。
そんな我々に茶々を入れてきたのは勿論直哉様である。
彼は意気揚々と、私が着物を着て生活出来ないくらいにはアホマヌケな人種であること、昨日なんて着物に絡まって大変無様な姿を晒していたこと、下着がダサい(自分の趣味ではない)こと、仕方無いから服を与えてやったことをそりゃあもう、水を得た魚のようにペラペラと喋った。
最初はよく舌が回るな……と思って聞いていたが、最後の「せやから、俺がこの服買うたったんや」の一言を聞いた瞬間、驚いて直哉様を見てしまった。
あ、嘘!?ま、マジですか?え、この今着てる可愛いお洋服って直哉様セレクトなんですか!?
いや、文句があるとかではなく…そうなると、今日買って貰った物も片っ端から直哉様セレクトなので…私がこれから暫く着る服も下着も全て、直哉様セレクトの物ということに……うわ、ちょっとキツい…。
今更になって自分の今着ている服の出処を知り、今日の自分を振り返って頭を抱えたくなってきた。
直哉様の選んだ服を着て、直哉様の荷物持ちをし、直哉様に服を選んで貰い、買ってもらい、マックに連れて行ってもらい…ルンルン気分で足取り軽く帰宅……。
うわぁ………主従という目くらましになる立場が無ければ、十個歳の離れた男に貢がれ飾り立てられている女になっていた…しんど…現代の闇にはなりたくない。
立場が上下関係で良かった。
じゃなかったらあまりにも重いし気不味い。
私がそんなことを考えつつ、余計なことは言わないでおこう…と口を閉じていれば、五条悟は隠しもせずにニヤニヤとした口元を晒し、私に向かって「へ〜?」と言ってきた。
うわ、うわ、うわぁ!!
これは…私が姉達の前で「○○さん宅の○○さん、凄く優しくて丁寧な人だったよ」と口を滑らせた時に訳知り顔で言われた「へ〜?」と同じ類のやつだ!
期待して貰った所悪いが、スイーツ(恋)でもスイート(愛)でも無いからな!
これはそう……言うなればデコレーションだ。
直哉様は、自分の持ち物を自分用にカスタマイズしたに過ぎないのだ。
直哉様も同じ気配を悟ったのか、顔を顰めて「見るに堪えへんかったさかい、買うたっただけやで」と言った。
「似た者主従って感じ?仲良くやってるみたいで良かった良かった」
「どこも似てへんけど」
うんうん、直哉様の仰る通りです。
私達はどこも似ておりません、むしろこのクズと同じにしないで頂きたい。私の名誉が損なわれるので。
そして、私が同意を示すように頷こうとしたが、それより早く五条悟が笑みを浮かべたまま爆弾発言をかましてくれた。
「いやぁ、もう孕まされてるかと思って心配してたんだよね」
瞬間、時が止まった気がした。
私はまず我が耳を疑い、えっ?と首を傾げる。
それから、今…何か言われたかな?という思いを込めて、直哉様をそろりと見上げた。
すると彼は、酷く冷めた目付きをしながら五条悟を見ていた。
まるで絶対これ以上踏み込ませない、探らせないと言わんばかりの鋭い眼光だった。
「まあ、どのみちその縛りと術式じゃ当分無理そうだから良かった良かった」
「悟くん、それ確かめに来たん?」
「いや、実はまだもう一個あるんだよね」
そう言うや否や、五条悟は瞳を覆うように巻いていた包帯をスルスルと解き、魅入ってしまうほど美しく神秘的な宝石の如き瞳で私を見てきた。
まるで、中の中まで見透かされているような気分になっていく。
ザワザワと、フツフツと。
母の反抗心と悲憤が心の奥から沸き立つのを感じ取る。
いけない、駄目だ、それ以上見るな。
母の眠りが、覚めてしまう。
私は自らの中に巣食う呪いがまた殺人衝動へ切り変わるのを感じ取ると、客人の前であることも厭わず、勢い良く立ち上がり「やめてください!!」と感情的に声を荒げた。
直哉様が咄嗟に私の名を呼び座るように言ったが、私は無我夢中で心臓を服の上から握り締めて焦りを口にする。
「それ以上母の眠りを邪魔するならば、この命散らしてでも…!」
覚悟を胸に、拳に力を込めようとした瞬間、直哉様が私の叫びよりも大きな声で私の名をもう一度呼んだ。
それにハッとして、私は口を閉ざす。
室内にはシンッとした重い空気が蔓延っており、一気に冷えた頭が現状を理解して、泣きたくなってきた。
勝手に目尻に溜まっていく涙に、私は小さな声で「ごめんなさい…」と呟いてから、下を向いて静かに腰をおろす。
直哉様が隣で溜息を吐き出すのを聞いて、肩が震えた。
「…なに一人で暴走してるんや、落ち着け」
「…ッ、すみません……」
何故、どうして。
こんなにも感情的になってしまったのか。
自分でも自分のことが分からなかった。
けれど、頭の奥から刻み付けるように、聞いたことのないはずの母の声が、私に「許すな、許すな、許すな」と、何度も何度も訴えてくる。
とうとう苦しくなって、目をギュッと瞑れば目尻からポタポタと雫が落ちていくのが分かった。
直哉様から席を外すよう言われ、一度頭を下げてから部屋をあとにする。
廊下に出て暫く歩き、一呼吸つこうとした瞬間、こみ上げてきた感情に息を荒く乱した。
悔しさと怒り、苦しさと嘆き。
非常に激しい感情が身体の中を渦巻いて、私を堪らなく無念な気持ちにさせる。
怨念。
憎しみの込められた怨嗟の声、母の怒りが私の心を捕えて離さない。
「お前なんかに………お前、なんかに…」
一人、廊下の済で喉を鳴らして泣きながら、背を丸めてしゃがみ込む。
ああ、お前達などに分るものか。
「私は、戦わなきゃいけないんだ…」
それが、母の命と引き換えの願いだから。
母の悪夢は私が断ち切る。
それが使命で、そのためにこの世へ産まれてきたのだ。
お前達などに分かるものか、心すら自由にならぬこの人生の苦痛が。
2017年 2月■日
■■家にておきた、上層部役員殺害事件について。
以下、加害者の供述。
「私の身を暴こうとする行為を母が怒ったので、やらざる負えなかったのです。母の怒りは私の呪い。母の悪夢は、私が断ち切らねばならぬのです。そのためならば神も悪魔も殺します、身内だって殺します。」
加害者である少女は、自らが侵した事件について「母の最後の娘として与えられた役割をこなしただけだ」と述べている。
___
現状報告。
五条悟が私に会いに来た。
遡ること十分程前の話。
直哉様の荷物持ちの任を無事に終えた私は、禪院家の屋敷に直哉様と一緒に戻ってきた。
マックでシェイクとアップルパイをご馳走して貰い、テンション爆裂!元気モリモリ!今なら「マック」に元号改正しても良し!ってな気分だったのだが、それに水を差すように女中さんから「お客様がお目見えです」と言われてしまい、直哉様と顔を合わせた。
はて、客人とな?それは私にか?
直哉様を見上げながら首を傾げれば、彼は顔を背けてから「ッチ」と舌打ちをした。
「それ悟くんやろ?まだおるんかいな…」
「客室でお待ちです」
何やら直哉様の機嫌が一気に下がったような気配がするな…と心配している間にも、荷物を女中さんに取られ、客室へ急げ!と言外に指示される。
こっちは用事なんて何も無いが、行かなきゃならないのならば行くしかあるまい。
ということで、何故か私への客なのに我先にと歩いて行く直哉様と一緒に客室へと向かえば、そこに居たのは"あの"五条悟であったのだった。
「コイツの主は俺や、コイツに会いたかったら俺に許可取ってからにせえや、悟くん」
「なーんだ。思ったより気に入られてんじゃん、良かったね」
バチバチしてる直哉様の言葉を無視して、直哉様の後ろで突っ立っていた私に五条悟は手を振りながら声を掛けてきた。
一先ず対面になるように座り、横に座った直哉様をチラリと見てから、客人に挨拶をする。
「こんにちは…えっと、ご無沙汰しております…?」
「うんうん、元気そうで何より」
「はい、元気は有り余っているくらいで…」
「ところで、その服可愛いね」
どうしよう、イマイチ話が噛み合わないスタートを切ってしまった!!
他所向けの笑顔がピキッと引き攣る。
ふ、服を褒められたが、服以外は褒められていない…これはつまり、服は可愛いけど着てる人間は可愛くないってことなのか?どうしていきなり服について話し始めたんだ?
今着ている服は、今朝方女中さんが着替えの時間に持ってきてくれた服だ。ブランドは知らない、でも多分良い物だ。
いやまあ確かに私も着たことないような可愛らしいお洋服なので、お洋服が可愛いってのは同意だが…何故今服を褒めるのか。他にもっとあるだろ、元気?京都はどう?虐められてない?とか、そういうフラットな会話をだな…。
私は何と返したら正解なのかが分からなくなり、「えへ、へへへ…」と、奇妙な笑い声を返してしまった。
しかし、五条悟はそんな私にうんうんと頷きながら、何かを理解したような雰囲気を醸し出す。
「可愛いけど、君はもっとアクティブな服装を好んでなかったっけ?」
「あ、えと…あの……」
「前に会った時は、全身モンベルだったよね」
「そ、そですね………」
確かに私はモンベルユーザーなんですが、それは兄の一人がヘビー級のモンベルユーザーだからなんですよ…とも言えず、曖昧に笑うだけになってしまった。
なんだこの会話、間が苦しい。
そんな我々に茶々を入れてきたのは勿論直哉様である。
彼は意気揚々と、私が着物を着て生活出来ないくらいにはアホマヌケな人種であること、昨日なんて着物に絡まって大変無様な姿を晒していたこと、下着がダサい(自分の趣味ではない)こと、仕方無いから服を与えてやったことをそりゃあもう、水を得た魚のようにペラペラと喋った。
最初はよく舌が回るな……と思って聞いていたが、最後の「せやから、俺がこの服買うたったんや」の一言を聞いた瞬間、驚いて直哉様を見てしまった。
あ、嘘!?ま、マジですか?え、この今着てる可愛いお洋服って直哉様セレクトなんですか!?
いや、文句があるとかではなく…そうなると、今日買って貰った物も片っ端から直哉様セレクトなので…私がこれから暫く着る服も下着も全て、直哉様セレクトの物ということに……うわ、ちょっとキツい…。
今更になって自分の今着ている服の出処を知り、今日の自分を振り返って頭を抱えたくなってきた。
直哉様の選んだ服を着て、直哉様の荷物持ちをし、直哉様に服を選んで貰い、買ってもらい、マックに連れて行ってもらい…ルンルン気分で足取り軽く帰宅……。
うわぁ………主従という目くらましになる立場が無ければ、十個歳の離れた男に貢がれ飾り立てられている女になっていた…しんど…現代の闇にはなりたくない。
立場が上下関係で良かった。
じゃなかったらあまりにも重いし気不味い。
私がそんなことを考えつつ、余計なことは言わないでおこう…と口を閉じていれば、五条悟は隠しもせずにニヤニヤとした口元を晒し、私に向かって「へ〜?」と言ってきた。
うわ、うわ、うわぁ!!
これは…私が姉達の前で「○○さん宅の○○さん、凄く優しくて丁寧な人だったよ」と口を滑らせた時に訳知り顔で言われた「へ〜?」と同じ類のやつだ!
期待して貰った所悪いが、スイーツ(恋)でもスイート(愛)でも無いからな!
これはそう……言うなればデコレーションだ。
直哉様は、自分の持ち物を自分用にカスタマイズしたに過ぎないのだ。
直哉様も同じ気配を悟ったのか、顔を顰めて「見るに堪えへんかったさかい、買うたっただけやで」と言った。
「似た者主従って感じ?仲良くやってるみたいで良かった良かった」
「どこも似てへんけど」
うんうん、直哉様の仰る通りです。
私達はどこも似ておりません、むしろこのクズと同じにしないで頂きたい。私の名誉が損なわれるので。
そして、私が同意を示すように頷こうとしたが、それより早く五条悟が笑みを浮かべたまま爆弾発言をかましてくれた。
「いやぁ、もう孕まされてるかと思って心配してたんだよね」
瞬間、時が止まった気がした。
私はまず我が耳を疑い、えっ?と首を傾げる。
それから、今…何か言われたかな?という思いを込めて、直哉様をそろりと見上げた。
すると彼は、酷く冷めた目付きをしながら五条悟を見ていた。
まるで絶対これ以上踏み込ませない、探らせないと言わんばかりの鋭い眼光だった。
「まあ、どのみちその縛りと術式じゃ当分無理そうだから良かった良かった」
「悟くん、それ確かめに来たん?」
「いや、実はまだもう一個あるんだよね」
そう言うや否や、五条悟は瞳を覆うように巻いていた包帯をスルスルと解き、魅入ってしまうほど美しく神秘的な宝石の如き瞳で私を見てきた。
まるで、中の中まで見透かされているような気分になっていく。
ザワザワと、フツフツと。
母の反抗心と悲憤が心の奥から沸き立つのを感じ取る。
いけない、駄目だ、それ以上見るな。
母の眠りが、覚めてしまう。
私は自らの中に巣食う呪いがまた殺人衝動へ切り変わるのを感じ取ると、客人の前であることも厭わず、勢い良く立ち上がり「やめてください!!」と感情的に声を荒げた。
直哉様が咄嗟に私の名を呼び座るように言ったが、私は無我夢中で心臓を服の上から握り締めて焦りを口にする。
「それ以上母の眠りを邪魔するならば、この命散らしてでも…!」
覚悟を胸に、拳に力を込めようとした瞬間、直哉様が私の叫びよりも大きな声で私の名をもう一度呼んだ。
それにハッとして、私は口を閉ざす。
室内にはシンッとした重い空気が蔓延っており、一気に冷えた頭が現状を理解して、泣きたくなってきた。
勝手に目尻に溜まっていく涙に、私は小さな声で「ごめんなさい…」と呟いてから、下を向いて静かに腰をおろす。
直哉様が隣で溜息を吐き出すのを聞いて、肩が震えた。
「…なに一人で暴走してるんや、落ち着け」
「…ッ、すみません……」
何故、どうして。
こんなにも感情的になってしまったのか。
自分でも自分のことが分からなかった。
けれど、頭の奥から刻み付けるように、聞いたことのないはずの母の声が、私に「許すな、許すな、許すな」と、何度も何度も訴えてくる。
とうとう苦しくなって、目をギュッと瞑れば目尻からポタポタと雫が落ちていくのが分かった。
直哉様から席を外すよう言われ、一度頭を下げてから部屋をあとにする。
廊下に出て暫く歩き、一呼吸つこうとした瞬間、こみ上げてきた感情に息を荒く乱した。
悔しさと怒り、苦しさと嘆き。
非常に激しい感情が身体の中を渦巻いて、私を堪らなく無念な気持ちにさせる。
怨念。
憎しみの込められた怨嗟の声、母の怒りが私の心を捕えて離さない。
「お前なんかに………お前、なんかに…」
一人、廊下の済で喉を鳴らして泣きながら、背を丸めてしゃがみ込む。
ああ、お前達などに分るものか。
「私は、戦わなきゃいけないんだ…」
それが、母の命と引き換えの願いだから。
母の悪夢は私が断ち切る。
それが使命で、そのためにこの世へ産まれてきたのだ。
お前達などに分かるものか、心すら自由にならぬこの人生の苦痛が。