五条悟の姉で奴隷
揺
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赤いパーカーが好きなわけじゃないんだ。
返り血を浴びてしまった時に目立ち難いから着てるだけであって、赤が好きなわけでは無い。ついでに言えば、パーカーだって好きなわけじゃない、シルエット的に武器が隠しやすいから選ぶことが多いのだ。
家から与えられた仕事を終え、死体も片して帰路へとつく。
馬鹿になった鼻では分からないが、それでも一応自身を嗅いでみるも、やはり至って普通の匂いがすると思うのだが、あの小さな主人曰く、私は血の匂いがするらしい。
「そんなに臭いかな」
私に供をする一匹の狼に語り掛けながら、鼻先に拳を突き付ければクンクン鼻を鳴らしながら嗅いでくる。しかし、とくに何かが起きるわけでも無いようで、フシュッと鼻息を荒げた狼は煙のように消えていった。
うーん、まあしかし、匂いってのは自分じゃ分からない物だからなあ…。
帰ったらすぐに若様のご様子を確認しに行きたかったが、一度風呂に入って着替えてからにした方が良さそうだ。
術式に寄ってしまったのか、はたまた生来の性質か、私は存外鈍いらしい。
繊細とは程遠い性質をしているせいで、他人が気になることを気にしたこと無く生きている。
親から「まるで獣のようだ」と称される程には、ガサツで恥じらいも無い人間だ。
家に帰ってもとくに出迎えなどは無く、誰に挨拶をすることもせずに着替えだけ持って風呂場へ直行すれば、脱衣場の前に小さな人影が座り込んでいるのを見つけた。
フワフワとした白い髪が、膝を抱えて蹲っている。
悟だ、我が小さき主様である。
一体何故こんな所に…不審に思いながら近寄れば、気付いた彼は顔をパッと上げる。私を視界に捉えた瞬間、喜ばしげに華やぐ表情をしたかと思えば、次の瞬間には眉間と鼻の頭にクシャリとシワを寄せて「おせえ!!」と不機嫌そうに吠えた。
「若様、もう寝ていらっしゃるお時間では」
「お前がいつまでたっても帰って来ないから!2日も居なくなって…何処まで行ってたんだよ!」
「申し訳御座いません、何か緊急のご用事が、」
「そんなん無い、いいから風呂!」
どうやら本日はかなりご機嫌斜めな様子である。
ここはあまり刺激せず、お言葉通り風呂に入ろう。
脱衣場の扉を開き、中へと入れば何故か小さな主殿までムスッとした顔で入って来た。
しっかりと扉を締めて鍵もかけ、美しい特別な瞳で私を見上げる。
「俺もはいるから」
「あらまあ…」
こりゃ相当だぞ、大変だ。
「若様、あの…」
「若様やめろ」
「悟くん、お姉ちゃん長風呂だから…」
「平気だし」
ああ言えばこう言うモードに入ってしまった。
別に一緒に入ること自体は良いんだ、裸を見られることに抵抗は無い。
問題は、背中だ。
私の背中には皮膚を焼かれて出来た烙印がある。
それが縛りとなって、私は自分より幼い弟に付き従い、この子のために死体を拵える仕事をしているのだ。
使われているのは日本の物では無い、海外の古い文字だ、そう簡単に意味は理解出来ないだろう。
だが、見なくて済むのならば見ない方が良いに決まっている。
この子は敏い子だ、いつか文字の意味に気付いてしまうかもしれない。
どうした物かと悩んでいる最中にも、若様は服をいそいそと脱ぎ始めてしまった。
まあ、どうせ見たって今すぐには意味など分からないし、覚えることも難しいだろう。
仕方無い、諦めて風呂に入ろう。
パーカーを脱ぎ、スカートを脱ぎ、靴下、ブラウス、下着も取っ払う。拳銃からマガジンを抜き、ナイフと共に棚の高い位置に置いた。
「姉ちゃん、背中…」
「よくある縛りだよ、悟は何も気にしなくていい」
案の定興味を持たれてしまい、苦笑いする。
恥ずべき部分など何も無い身体だが、唯一これだけが汚点と言ってもいい。
足早にタオルを持って浴室へと迎えば、若様も後から着いて来る。刺さる視線は、背中の烙印をなぞっていた。
…
「おかゆい所はありませんかー」
「んー」
姉ちゃんが頭を洗ってくれている。
それはもう丁寧に丁寧に洗っている、先程自分を洗っていた時はガサツにザカザカと適当な洗い方をしていた癖に、俺を洗う時は爪先の間から耳の裏まで、これでもかってくらい大切な宝石を磨くように、丹念に丹精に洗ってくれていた。
姉に頭を洗って貰いながら脳裏に思い浮かべるのは背中に焼き付けられた謎の文字。
見たことも無い文字で焼かれた背中は、痛ましいと同時に何故だかとても愛しく思えた。
白い肌を爛れた烙印が汚す様を何故愛しく思えるのか、あの文字の意味は何なのか、問うことは簡単だろうけれど、きっと答えてはくれない。
俺の姉は秘密主義な所がある。
「うんうん、綺麗に洗えたぞ」
洗い終わった後の俺の髪を満足そうに梳く。生憎、鏡は曇っていて見えないが、きっと満足そうな顔をしているんだろう。
身体を洗い終えた俺の手を引き、浴槽に溜まるお湯へと一緒に浸かれば、姉が湯の中で手を離した。
それが何だか嫌で無言のままに擦り寄れば、片手を湯から出してくれたのですかさず両手で掴んだ。
白い手のひらに濡れた頬をペタリとくっつけ、目を閉じる。
優しくて温かい、それにスベスベしている。
頬だけで無く、額や鼻やらもスリスリと擦り付けていれば、頭上から笑い声が聞こえて来た。
なんだと視線で訴えれば、姉は俺の額から垂れた汗を指先で脱ぐ射ながら言う。
「ワンちゃんみたい」
「いぬと一緒にすんなよ」
「可愛いのに」
「だって、人間の方が好きだって…」
人間が好きってわざわざ公言してる奴から、なんで犬みたいで可愛いって言われなきゃなんねぇんだよ、不服だ。
悔しくなってもう片方の手も掴んで両手を頬に持って行けば、姉は分かりやすく嬉しそうな顔をする。
「いぬと俺どっちのがすき」
「勿論、悟くん」
「じゃあ人間と俺は」
「うーん」
そこで悩むなよ!
どう考えても即答で俺だろ、それ以外ありえたら嫌だ、絶対嫌だ。
ムスッとした顔をしても、姉は唸るばかりだ。ああ、ほらまただ、またこの人は察するのが下手クソなんだ。悪意にも好意にも気付かないから、そんなだから家の奴等から良いように使われそうになる。一体、何回俺が周りの奴等に言い聞かせて来たんだか。
姉ちゃんは本当に色々下手クソだ。
やっとのことで「悟かな」と姉が言った頃には、俺は汗だくになっていた。もう上がりたい。冷たいお茶が恋しい。
「私、悟が人間じゃなくてもきっと好きだったよ」
「…まじ?」
「うん、だって私、悟のために産まれて来たんだもの、当たり前の感情じゃないかな」
何の疑いも無くそう口にする姉は、俺の手を逆に掴むとグイッと引っ張って湯船から上がらせた。
「汗かいたね、一度シャワーを浴びてから出ようね」
「姉ちゃん…」
「なあに?」
ああ、そうか、そうだった。
この人がどれだけ痛ましくて血生臭くても愛しいと思えるのは、この人が俺のためにあるからだ。
俺だけのために生きて、戦っているから、安心するんだ。
「姉ちゃんは、俺の姉ちゃんなんだよな?」
自分でも可笑しな質問をしていると思う。
でも聞きたくなってしまったからには聞かずには居られない、姉ちゃんはこの先も俺のためにあるんだって、その確証が欲しかった。
手を離して欲しくなかった。
この人に、姉以外の役割を担って欲しくない。
誰かの何かにならないで欲しい。
ずっと俺のことだけを一番に思って、俺のために産まれて来たと思い込んでいて欲しい。
それがどれ程愚かで、馬鹿なただの思い込みだったとしても、ずっとそう思っていて欲しい。
ドロドロなんて表現じや表し切れない、グチャグチャで濁った感情が身の内で激しく荒ぶった。
そんな気持ちを察することなど不可能な姉は、こちらの思いなど気にせずに、遠慮無く頭からシャワーをぶっかけてきた。
勢いの強いシャワーの音に混じり、姉が何かを言っているのが微かに聞こえてくる。
いや、止めてから言えよ。何にも聞こえないんだけど。
「ボベベババヴィブェ〜!!」
「はいはい」
「ヴェェ"〜!」
シャワーのコルクをキュッと締める音が聞こえ、お湯の雨が止む。
「悟はあがろうね」
「は?姉ちゃんは?」
「私はあと20分は浸かりたいので」
「はぁー?長すぎ、5分であがって、早く布団きて」
我儘を言えば、「仕方無いなぁ」なんて言いながら身体を拭いてくれる。
そのまま浴室から追い出されると、姉はご機嫌な様子で鼻歌を歌いながら離れて行った。
仕方無いとか言ってたけど、これは絶対いつも通り長風呂する、俺には分かる。
だって姉ちゃんだから、姉ちゃんは適当ゆるゆる人間なんだ、ゆるゆるのぽわぽわな頭をしているから、風呂に浸かっているうちに俺の言ったことなど頭から抜け落ちてしまうだろう。
仕方無いと言いたいのはこっちの方だ、仕方無いから大人しく布団で待っていよう。
布団を温めておけば、もしかしたら喜んでくれるかもしれない。
返り血を浴びてしまった時に目立ち難いから着てるだけであって、赤が好きなわけでは無い。ついでに言えば、パーカーだって好きなわけじゃない、シルエット的に武器が隠しやすいから選ぶことが多いのだ。
家から与えられた仕事を終え、死体も片して帰路へとつく。
馬鹿になった鼻では分からないが、それでも一応自身を嗅いでみるも、やはり至って普通の匂いがすると思うのだが、あの小さな主人曰く、私は血の匂いがするらしい。
「そんなに臭いかな」
私に供をする一匹の狼に語り掛けながら、鼻先に拳を突き付ければクンクン鼻を鳴らしながら嗅いでくる。しかし、とくに何かが起きるわけでも無いようで、フシュッと鼻息を荒げた狼は煙のように消えていった。
うーん、まあしかし、匂いってのは自分じゃ分からない物だからなあ…。
帰ったらすぐに若様のご様子を確認しに行きたかったが、一度風呂に入って着替えてからにした方が良さそうだ。
術式に寄ってしまったのか、はたまた生来の性質か、私は存外鈍いらしい。
繊細とは程遠い性質をしているせいで、他人が気になることを気にしたこと無く生きている。
親から「まるで獣のようだ」と称される程には、ガサツで恥じらいも無い人間だ。
家に帰ってもとくに出迎えなどは無く、誰に挨拶をすることもせずに着替えだけ持って風呂場へ直行すれば、脱衣場の前に小さな人影が座り込んでいるのを見つけた。
フワフワとした白い髪が、膝を抱えて蹲っている。
悟だ、我が小さき主様である。
一体何故こんな所に…不審に思いながら近寄れば、気付いた彼は顔をパッと上げる。私を視界に捉えた瞬間、喜ばしげに華やぐ表情をしたかと思えば、次の瞬間には眉間と鼻の頭にクシャリとシワを寄せて「おせえ!!」と不機嫌そうに吠えた。
「若様、もう寝ていらっしゃるお時間では」
「お前がいつまでたっても帰って来ないから!2日も居なくなって…何処まで行ってたんだよ!」
「申し訳御座いません、何か緊急のご用事が、」
「そんなん無い、いいから風呂!」
どうやら本日はかなりご機嫌斜めな様子である。
ここはあまり刺激せず、お言葉通り風呂に入ろう。
脱衣場の扉を開き、中へと入れば何故か小さな主殿までムスッとした顔で入って来た。
しっかりと扉を締めて鍵もかけ、美しい特別な瞳で私を見上げる。
「俺もはいるから」
「あらまあ…」
こりゃ相当だぞ、大変だ。
「若様、あの…」
「若様やめろ」
「悟くん、お姉ちゃん長風呂だから…」
「平気だし」
ああ言えばこう言うモードに入ってしまった。
別に一緒に入ること自体は良いんだ、裸を見られることに抵抗は無い。
問題は、背中だ。
私の背中には皮膚を焼かれて出来た烙印がある。
それが縛りとなって、私は自分より幼い弟に付き従い、この子のために死体を拵える仕事をしているのだ。
使われているのは日本の物では無い、海外の古い文字だ、そう簡単に意味は理解出来ないだろう。
だが、見なくて済むのならば見ない方が良いに決まっている。
この子は敏い子だ、いつか文字の意味に気付いてしまうかもしれない。
どうした物かと悩んでいる最中にも、若様は服をいそいそと脱ぎ始めてしまった。
まあ、どうせ見たって今すぐには意味など分からないし、覚えることも難しいだろう。
仕方無い、諦めて風呂に入ろう。
パーカーを脱ぎ、スカートを脱ぎ、靴下、ブラウス、下着も取っ払う。拳銃からマガジンを抜き、ナイフと共に棚の高い位置に置いた。
「姉ちゃん、背中…」
「よくある縛りだよ、悟は何も気にしなくていい」
案の定興味を持たれてしまい、苦笑いする。
恥ずべき部分など何も無い身体だが、唯一これだけが汚点と言ってもいい。
足早にタオルを持って浴室へと迎えば、若様も後から着いて来る。刺さる視線は、背中の烙印をなぞっていた。
…
「おかゆい所はありませんかー」
「んー」
姉ちゃんが頭を洗ってくれている。
それはもう丁寧に丁寧に洗っている、先程自分を洗っていた時はガサツにザカザカと適当な洗い方をしていた癖に、俺を洗う時は爪先の間から耳の裏まで、これでもかってくらい大切な宝石を磨くように、丹念に丹精に洗ってくれていた。
姉に頭を洗って貰いながら脳裏に思い浮かべるのは背中に焼き付けられた謎の文字。
見たことも無い文字で焼かれた背中は、痛ましいと同時に何故だかとても愛しく思えた。
白い肌を爛れた烙印が汚す様を何故愛しく思えるのか、あの文字の意味は何なのか、問うことは簡単だろうけれど、きっと答えてはくれない。
俺の姉は秘密主義な所がある。
「うんうん、綺麗に洗えたぞ」
洗い終わった後の俺の髪を満足そうに梳く。生憎、鏡は曇っていて見えないが、きっと満足そうな顔をしているんだろう。
身体を洗い終えた俺の手を引き、浴槽に溜まるお湯へと一緒に浸かれば、姉が湯の中で手を離した。
それが何だか嫌で無言のままに擦り寄れば、片手を湯から出してくれたのですかさず両手で掴んだ。
白い手のひらに濡れた頬をペタリとくっつけ、目を閉じる。
優しくて温かい、それにスベスベしている。
頬だけで無く、額や鼻やらもスリスリと擦り付けていれば、頭上から笑い声が聞こえて来た。
なんだと視線で訴えれば、姉は俺の額から垂れた汗を指先で脱ぐ射ながら言う。
「ワンちゃんみたい」
「いぬと一緒にすんなよ」
「可愛いのに」
「だって、人間の方が好きだって…」
人間が好きってわざわざ公言してる奴から、なんで犬みたいで可愛いって言われなきゃなんねぇんだよ、不服だ。
悔しくなってもう片方の手も掴んで両手を頬に持って行けば、姉は分かりやすく嬉しそうな顔をする。
「いぬと俺どっちのがすき」
「勿論、悟くん」
「じゃあ人間と俺は」
「うーん」
そこで悩むなよ!
どう考えても即答で俺だろ、それ以外ありえたら嫌だ、絶対嫌だ。
ムスッとした顔をしても、姉は唸るばかりだ。ああ、ほらまただ、またこの人は察するのが下手クソなんだ。悪意にも好意にも気付かないから、そんなだから家の奴等から良いように使われそうになる。一体、何回俺が周りの奴等に言い聞かせて来たんだか。
姉ちゃんは本当に色々下手クソだ。
やっとのことで「悟かな」と姉が言った頃には、俺は汗だくになっていた。もう上がりたい。冷たいお茶が恋しい。
「私、悟が人間じゃなくてもきっと好きだったよ」
「…まじ?」
「うん、だって私、悟のために産まれて来たんだもの、当たり前の感情じゃないかな」
何の疑いも無くそう口にする姉は、俺の手を逆に掴むとグイッと引っ張って湯船から上がらせた。
「汗かいたね、一度シャワーを浴びてから出ようね」
「姉ちゃん…」
「なあに?」
ああ、そうか、そうだった。
この人がどれだけ痛ましくて血生臭くても愛しいと思えるのは、この人が俺のためにあるからだ。
俺だけのために生きて、戦っているから、安心するんだ。
「姉ちゃんは、俺の姉ちゃんなんだよな?」
自分でも可笑しな質問をしていると思う。
でも聞きたくなってしまったからには聞かずには居られない、姉ちゃんはこの先も俺のためにあるんだって、その確証が欲しかった。
手を離して欲しくなかった。
この人に、姉以外の役割を担って欲しくない。
誰かの何かにならないで欲しい。
ずっと俺のことだけを一番に思って、俺のために産まれて来たと思い込んでいて欲しい。
それがどれ程愚かで、馬鹿なただの思い込みだったとしても、ずっとそう思っていて欲しい。
ドロドロなんて表現じや表し切れない、グチャグチャで濁った感情が身の内で激しく荒ぶった。
そんな気持ちを察することなど不可能な姉は、こちらの思いなど気にせずに、遠慮無く頭からシャワーをぶっかけてきた。
勢いの強いシャワーの音に混じり、姉が何かを言っているのが微かに聞こえてくる。
いや、止めてから言えよ。何にも聞こえないんだけど。
「ボベベババヴィブェ〜!!」
「はいはい」
「ヴェェ"〜!」
シャワーのコルクをキュッと締める音が聞こえ、お湯の雨が止む。
「悟はあがろうね」
「は?姉ちゃんは?」
「私はあと20分は浸かりたいので」
「はぁー?長すぎ、5分であがって、早く布団きて」
我儘を言えば、「仕方無いなぁ」なんて言いながら身体を拭いてくれる。
そのまま浴室から追い出されると、姉はご機嫌な様子で鼻歌を歌いながら離れて行った。
仕方無いとか言ってたけど、これは絶対いつも通り長風呂する、俺には分かる。
だって姉ちゃんだから、姉ちゃんは適当ゆるゆる人間なんだ、ゆるゆるのぽわぽわな頭をしているから、風呂に浸かっているうちに俺の言ったことなど頭から抜け落ちてしまうだろう。
仕方無いと言いたいのはこっちの方だ、仕方無いから大人しく布団で待っていよう。
布団を温めておけば、もしかしたら喜んでくれるかもしれない。