巨乳覇者列伝
レペゼン巨乳がうるさい。
ことあるごとに逆交信してくるようになったレペゼン巨乳こと傑さんは、私の脳内に直接色々語り掛けてくる。
そもそも逆交信と言ったが、今まで他の呪いなどと交信した時あとにこんなことはおこらなかった。何だか怖い、でも相手は伝説…レジェンドだからな、ポケモンで言ったらギラティナみたいなもんでしょ?ギラティナなら出来るんじゃないかな、多分。よくわからんけど。
で、傑さんが何故うるさいかと言えば、まるで野次を飛ばすオッサンみたいに、あーだこーだと話し掛けてくるのだ。
五条先生を目の前にした時は「一発殴ってくれ」と言い出したし、体術訓練をしていれば「もっと腰を入れて」とあれこれ指示をしてくるし、ランジェリーショップで下着を選んでいたら「君にはもっと可愛らしい方が似合うよ」とかなんとか……現在進行形で言われている。
うるせ~~~~~!!いいから黙っててくれ、あと私はノンワイヤーしか着ないから、そっちの可愛いのは全部ワイヤー入りだから無理!
「どうしてワイヤー入りは駄目なんだい?」
それ聞く?え、喧嘩売られてます?泣いてもいい?
傑さん、あのね…ガチで胸の無い人間は下手にワイヤー入りのブラを着けるとね…骨まで痛くなるんだよ……。分かるか?あまりに痛すぎて半泣きで整骨院に行って、事のあらましを語らなきゃいけない背伸びしちゃった女子中学生の気持ちが。
肋骨の上の皮膚がさあ…真っ赤になるのよ……痛くて痛くて、大変なの…。
「そっか、それは大変だね。ところで、あっちの白いやつとかどうかな?」
おい、反応薄いぞ。
これが我が敬愛するファースト巨乳の甚壱さんだったら………いや、あの人何にも言わないな、なんなら素通りする。
やんややんやと後方から言われながらも、揺るぎ無い精神で自分で選んだものを買って、ショップバッグ片手にショッピングモールを歩いていればコーヒーショップが目に止まったので休息がてらに近寄って行く。
すると、後ろから声を掛けられた。
「あれ?何してんの?」と聞き覚えのある声に振り向けば、あの変な目隠しをしていない五条先生が立っていてギョッとしてしまった。
この人、普通な格好してるとこんなに凄いんだな……道行く人が性別年齢問わず振り返ってる、本当に同じ人間なんだろうか、見てたら不安になってきてしまった…。
「せ、先生…」
「え、なんでビビってんの?」
「先生が……眩しい………」
「分かってんじゃん、もっと見ていいよ」
ほらほら~、とサングラスを外して近寄ってくる五条先生からそそくさと距離を取っていれば、脳内に居座る傑さんが「教え子を弄ぶな」「やっぱり一発殴られて欲しいな」とブツブツ文句を言っていた。
脳内に向けて「うるさい!」と言い放っていれば、いつの間にか動きを止めていた先生がキラキラおめめをパチクリさせながら首を傾げる。
「お前、なんで傑に呪われてんの?」
「はへ……」
先生の目は、そんなとこまで見えるの?
驚きにより間抜けにもポカンと口を開いてしまった私の顔をガシッと掴み、顔を近付け瞳を覗きこんで来た先生は、「え、マジで傑の気配する、なんで?アイツJKに寄生してんの?キモ」と早口で捲し立てた。
いや、あの、キモいのは先生も同じなんですが。
JKの顔わし掴んでこんなに顔近付けて……ここ往来の通りなんだけど、ねえ、これ犯罪じゃない?訴えれば勝てるでしょ、てか頭の中と眼前両方でブツクサ言われてこんがらがって来ちゃったからどっちか黙ってくれませんか!?
傑さんが「気付かれちゃった」とまるで舌をペロッと出したみたいな台詞を吐き、眼前では五条先生が「いつ何処で傑に憑かれた?」と聞いてくる。
う~~~ん、ゴチャゴチャする~~~!
「そ、そもそも傑さんを紹介してくれたのは先生じゃん!」
「は?してないよ、するわけないじゃん、傑だけはしない」
「え、だって…伝説の巨乳って…伏黒くんのパパって…」
「傑は恵のパパじゃないし、伝説の巨乳では無いよ」
………???
……え、………ほ???
ん、ん~~~~????
「ど、どゆことです…?」
「僕が聞きたいんだけど、何?何で傑は僕の可愛い生徒にこびりついてるわけ?」
脳内の傑さんが「人をしつこい汚れみたいに言うんじゃない」と苦笑している。
や、え!?傑さん、貴方伏黒くんのお父さんじゃないの!?
ってことは、傑さんは伝説の巨乳ではない!?嘘………そんな……じゃあ、つまり…つまり……
「こ、この世には…傑さんより伝説的な巨乳が居るというのか…?」
「気にするとこそこなの?ねぇ、頼むからもうちょっと危機意識高めてくれない?」
「乳のインフレおこっとるがな……」
「会話して?」
ねぇ傑さん、どういうことなんですか、私は貴方のことを本気で乳の豊かな神として崇め奉り自室の一角に小さな祭壇まで作ってガチめに信仰していたのに……。
謀ったのですか………?
「信仰していたわりには扱いが雑だね」
貴方が乳の精霊としてやっていけるように、願いと祈りをこめて流れ星におまじないしてたのに……。
「やってることだけは乙女チックだね」
どうして…何故嘘をついたの?私を利用しようとしていたのね?
悲しい、泣いちゃいそう……いや、JKの涙はそんなに安いもんじゃないから、こんな奴のためには一滴たりとも涙なんて流さないが、それはそれとして悲しい。
「でも君、私の胸が好きなんだろ?」
それはマジでそう。
「ならいいじゃないか、これからもよろしくね」
うん、よろしく乳神様。
たとえ貴方が偽物の乳神様だとしても、私にとっては本物だよ……私だけの乳神様だからね、頼りにしてるよ。
数分の沈黙の後、交信を終えて意識を先生の方へと戻す。
「乳神様が先生によろしくってさ」
「傑、乳神様って呼ばれてんの?ウケる」
「あと一発殴っておけって言われてるから殴らせて下さい」
「ムリ~~、僕無敵バリア持ってるから」
あ、そっすか……。
伝説の巨乳が他に居ることが分かったし、乳神様との信頼関係も厚くなったし、何だかんだ収穫のある会話だったな。
そしてもうとくに先生に用は無いので退散しよう、足が疲れて喉が渇いた、チャイティーラテが飲みたい。
「じゃあもう行くね、バイバイ先生」
「え、まだ話終わってないんだけど」
「喉渇いたから行くね」
「期間限定のフラペチーノでいい?」
「先生大好き、一生付いてく」
先生しか勝たないわ、今日から巨乳信仰やめて五条先生を信じて生きていくことにする。
先生は私の心を照らす太陽の光です……先生に出会ってから身体のダルさも消えたし、目の疲れも解消されて、身体に温かいパワーが溜まっていっている気がします。
「フラペチーノ奢るから、ちゃんと僕の話聞くんだよ?」
「だってよ傑さん、ちゃんと聞けよ」
「いや、お前に言ってんのよ」
先陣を切ってお店に入って行けば、チラチラと視線を感じた。
ふふん、見たまえ諸君、こちらにおわすは生徒にフラペチーノを気前良く奢ってくれる神教師、五条悟であるぞ。
皆は期間限定フラペチーノが幾らするか知ってる?大体700円くらいするんだよ、700円あったら何出来ると思う?あのね、てんやで天丼一杯頼んで腹いっぱいになれるから、それでお釣り来るから。
てんやの話したら天丼食べたくなって来たな…野菜天丼に海老乗せが至高。よし、お昼は天丼にしよう。
「天丼にしよ~」
「…ごめん、流石に天丼は無いかな」
「違います、お昼ご飯の話です」
スタバでいきなり天丼頼もうとする人みたいな反応やめてよ……確かにタイミング考えずにポロッと言っちゃった私も悪いけど、流石にここで天丼は頼まないから、そこまでアホちゃうぞ。
私の素ボケが響いたのか、腹を抱えてヒィヒィ笑う先生は大変目立つ。
なんか…目立つのしんどくなってきたな、視線が疲れる。
フラペチーノ飲んだらさっさと先生とバイバイしよう。
そして傑さん、貴方も爆笑しないでもらえますか?
頭の内と外で笑われて、重低音スピーカーみたいになってる。
二人とも仲良しさんだね、まあ親友だしそりゃそうか。
ことあるごとに逆交信してくるようになったレペゼン巨乳こと傑さんは、私の脳内に直接色々語り掛けてくる。
そもそも逆交信と言ったが、今まで他の呪いなどと交信した時あとにこんなことはおこらなかった。何だか怖い、でも相手は伝説…レジェンドだからな、ポケモンで言ったらギラティナみたいなもんでしょ?ギラティナなら出来るんじゃないかな、多分。よくわからんけど。
で、傑さんが何故うるさいかと言えば、まるで野次を飛ばすオッサンみたいに、あーだこーだと話し掛けてくるのだ。
五条先生を目の前にした時は「一発殴ってくれ」と言い出したし、体術訓練をしていれば「もっと腰を入れて」とあれこれ指示をしてくるし、ランジェリーショップで下着を選んでいたら「君にはもっと可愛らしい方が似合うよ」とかなんとか……現在進行形で言われている。
うるせ~~~~~!!いいから黙っててくれ、あと私はノンワイヤーしか着ないから、そっちの可愛いのは全部ワイヤー入りだから無理!
「どうしてワイヤー入りは駄目なんだい?」
それ聞く?え、喧嘩売られてます?泣いてもいい?
傑さん、あのね…ガチで胸の無い人間は下手にワイヤー入りのブラを着けるとね…骨まで痛くなるんだよ……。分かるか?あまりに痛すぎて半泣きで整骨院に行って、事のあらましを語らなきゃいけない背伸びしちゃった女子中学生の気持ちが。
肋骨の上の皮膚がさあ…真っ赤になるのよ……痛くて痛くて、大変なの…。
「そっか、それは大変だね。ところで、あっちの白いやつとかどうかな?」
おい、反応薄いぞ。
これが我が敬愛するファースト巨乳の甚壱さんだったら………いや、あの人何にも言わないな、なんなら素通りする。
やんややんやと後方から言われながらも、揺るぎ無い精神で自分で選んだものを買って、ショップバッグ片手にショッピングモールを歩いていればコーヒーショップが目に止まったので休息がてらに近寄って行く。
すると、後ろから声を掛けられた。
「あれ?何してんの?」と聞き覚えのある声に振り向けば、あの変な目隠しをしていない五条先生が立っていてギョッとしてしまった。
この人、普通な格好してるとこんなに凄いんだな……道行く人が性別年齢問わず振り返ってる、本当に同じ人間なんだろうか、見てたら不安になってきてしまった…。
「せ、先生…」
「え、なんでビビってんの?」
「先生が……眩しい………」
「分かってんじゃん、もっと見ていいよ」
ほらほら~、とサングラスを外して近寄ってくる五条先生からそそくさと距離を取っていれば、脳内に居座る傑さんが「教え子を弄ぶな」「やっぱり一発殴られて欲しいな」とブツブツ文句を言っていた。
脳内に向けて「うるさい!」と言い放っていれば、いつの間にか動きを止めていた先生がキラキラおめめをパチクリさせながら首を傾げる。
「お前、なんで傑に呪われてんの?」
「はへ……」
先生の目は、そんなとこまで見えるの?
驚きにより間抜けにもポカンと口を開いてしまった私の顔をガシッと掴み、顔を近付け瞳を覗きこんで来た先生は、「え、マジで傑の気配する、なんで?アイツJKに寄生してんの?キモ」と早口で捲し立てた。
いや、あの、キモいのは先生も同じなんですが。
JKの顔わし掴んでこんなに顔近付けて……ここ往来の通りなんだけど、ねえ、これ犯罪じゃない?訴えれば勝てるでしょ、てか頭の中と眼前両方でブツクサ言われてこんがらがって来ちゃったからどっちか黙ってくれませんか!?
傑さんが「気付かれちゃった」とまるで舌をペロッと出したみたいな台詞を吐き、眼前では五条先生が「いつ何処で傑に憑かれた?」と聞いてくる。
う~~~ん、ゴチャゴチャする~~~!
「そ、そもそも傑さんを紹介してくれたのは先生じゃん!」
「は?してないよ、するわけないじゃん、傑だけはしない」
「え、だって…伝説の巨乳って…伏黒くんのパパって…」
「傑は恵のパパじゃないし、伝説の巨乳では無いよ」
………???
……え、………ほ???
ん、ん~~~~????
「ど、どゆことです…?」
「僕が聞きたいんだけど、何?何で傑は僕の可愛い生徒にこびりついてるわけ?」
脳内の傑さんが「人をしつこい汚れみたいに言うんじゃない」と苦笑している。
や、え!?傑さん、貴方伏黒くんのお父さんじゃないの!?
ってことは、傑さんは伝説の巨乳ではない!?嘘………そんな……じゃあ、つまり…つまり……
「こ、この世には…傑さんより伝説的な巨乳が居るというのか…?」
「気にするとこそこなの?ねぇ、頼むからもうちょっと危機意識高めてくれない?」
「乳のインフレおこっとるがな……」
「会話して?」
ねぇ傑さん、どういうことなんですか、私は貴方のことを本気で乳の豊かな神として崇め奉り自室の一角に小さな祭壇まで作ってガチめに信仰していたのに……。
謀ったのですか………?
「信仰していたわりには扱いが雑だね」
貴方が乳の精霊としてやっていけるように、願いと祈りをこめて流れ星におまじないしてたのに……。
「やってることだけは乙女チックだね」
どうして…何故嘘をついたの?私を利用しようとしていたのね?
悲しい、泣いちゃいそう……いや、JKの涙はそんなに安いもんじゃないから、こんな奴のためには一滴たりとも涙なんて流さないが、それはそれとして悲しい。
「でも君、私の胸が好きなんだろ?」
それはマジでそう。
「ならいいじゃないか、これからもよろしくね」
うん、よろしく乳神様。
たとえ貴方が偽物の乳神様だとしても、私にとっては本物だよ……私だけの乳神様だからね、頼りにしてるよ。
数分の沈黙の後、交信を終えて意識を先生の方へと戻す。
「乳神様が先生によろしくってさ」
「傑、乳神様って呼ばれてんの?ウケる」
「あと一発殴っておけって言われてるから殴らせて下さい」
「ムリ~~、僕無敵バリア持ってるから」
あ、そっすか……。
伝説の巨乳が他に居ることが分かったし、乳神様との信頼関係も厚くなったし、何だかんだ収穫のある会話だったな。
そしてもうとくに先生に用は無いので退散しよう、足が疲れて喉が渇いた、チャイティーラテが飲みたい。
「じゃあもう行くね、バイバイ先生」
「え、まだ話終わってないんだけど」
「喉渇いたから行くね」
「期間限定のフラペチーノでいい?」
「先生大好き、一生付いてく」
先生しか勝たないわ、今日から巨乳信仰やめて五条先生を信じて生きていくことにする。
先生は私の心を照らす太陽の光です……先生に出会ってから身体のダルさも消えたし、目の疲れも解消されて、身体に温かいパワーが溜まっていっている気がします。
「フラペチーノ奢るから、ちゃんと僕の話聞くんだよ?」
「だってよ傑さん、ちゃんと聞けよ」
「いや、お前に言ってんのよ」
先陣を切ってお店に入って行けば、チラチラと視線を感じた。
ふふん、見たまえ諸君、こちらにおわすは生徒にフラペチーノを気前良く奢ってくれる神教師、五条悟であるぞ。
皆は期間限定フラペチーノが幾らするか知ってる?大体700円くらいするんだよ、700円あったら何出来ると思う?あのね、てんやで天丼一杯頼んで腹いっぱいになれるから、それでお釣り来るから。
てんやの話したら天丼食べたくなって来たな…野菜天丼に海老乗せが至高。よし、お昼は天丼にしよう。
「天丼にしよ~」
「…ごめん、流石に天丼は無いかな」
「違います、お昼ご飯の話です」
スタバでいきなり天丼頼もうとする人みたいな反応やめてよ……確かにタイミング考えずにポロッと言っちゃった私も悪いけど、流石にここで天丼は頼まないから、そこまでアホちゃうぞ。
私の素ボケが響いたのか、腹を抱えてヒィヒィ笑う先生は大変目立つ。
なんか…目立つのしんどくなってきたな、視線が疲れる。
フラペチーノ飲んだらさっさと先生とバイバイしよう。
そして傑さん、貴方も爆笑しないでもらえますか?
頭の内と外で笑われて、重低音スピーカーみたいになってる。
二人とも仲良しさんだね、まあ親友だしそりゃそうか。