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巨乳覇者列伝

引率担当の巨乳にクレームを入れに行ったが見当たらなかったので、引率担当の巨乳より偉いと思われるおじさんを見つけたので、そちらに矛先を変えることにした。

ちょっと、お宅の教育どうなってるザマス!?本当あり得ないんですけど、何あの雑魚、か弱い乙女のワンパンでKO勝ちしちゃったんだけど、弱すぎじゃない?トレーニングメニュー見直した方がいいよ、もっと体幹鍛えな。

「というか、引率担当の巨乳はどこです!?乳を出せ!!」
「女が品の無い言葉を使うな、慎みを…」
「あ、やば、吐きそう………」
「待て、ここで吐くな」

うっぷ……ムリムリムリ、喉まで来てる、これもう出るよ出ちゃうよ。
口元を両手で押さえ、眉間にシワを寄せて耐えてみる。
うぅ………一体私が何でこんな羽目に…もしかして何かに呪われてたりします?そんなアホな、こちとら呪術師やぞ、ナメてるのか。

せりあがって来る吐瀉物を何とか腹へと戻し、涙を堪えながら扇さんだったか団扇さんだったか扇子さんだったか忘れたが、そんなような名前の人に向かって私は息も絶え絶えに「乳を……巨乳を…」と求め訴えた。

「下品な言葉を……」
「分かりました訂正します、おっぱい様は何処ですか」
「………………」
「……間違えました、甚壱様は何処ですか」

ナチュラルに間違えちゃった、本当に間違えただけなんでその蔑んだ目やめてもらっていいですか?







ってなことを話したのが一週間前、私は現在なんと……拐われております!

禪院家の上の方々がどういった話合いをしたかは不明だが、私は何故か「お前には暫く修行に出て貰う」とかなんとか言われ、一人寂しく屋敷を追い出され、日本全国津々浦々 呪霊狩りツアーを行うことになった。
なんでじゃ!!!ボケがーーー!!JKにやらせることじゃねえ!!ふざけるのも大概にしろよ!!訴えて勝ってやる!!総理大臣になったらお前ら全員アズカバン送りだからな!!!などと叫ぼうが喚こうが、最終的には「粗食に耐えろ」とろくな装備もさせられずに旅に出された。
泣く泣く愛しの巨乳と別れを惜しみながらも私は屋敷を出て、遠路はるばるやって来ました東の都、東京都。
ウジャウジャと人が居る千代田区は東京駅にて、私は早速迷子になった。

何処じゃここは!!なんだよ迷路かここは!?

人が居すぎて方向感覚が狂う、最早人だか呪いだか分からないくらいに色んなものがひしめきあっていて目を回してしまった。

「やっと見つけた、ねぇちょっと良い?」

ややグロッキー、今隣から話し掛けて来てるやつも恐らく呪いだろう、なんて鬱陶しいんだ……東京やべぇ。

「まいったなこりゃ、どっちに行けばいいか分からんぞ」
「ねぇ、ねぇってば、ねぇ~」
「仕方無い、とりあえず左に曲がり続けてみるか」
「ねぇ、え?マジで聞こえてないの?嘘でしょ?僕こんなに無視されるの産まれてはじめてなんだけど」

横から頬をプニップニッとつっつかれる。
何なんだ東京…JKの頬を無許可でつつく呪いまで居るのか東京……恐ろしい所だ、こんなとこで本当にやって行けるのだろうか。
しかし、武者修行に出されたのだからやらなければならない。粗食に耐え忍びやって行くのだ………ああ、なんて悲劇的なのだろう。持たされた小遣いを計算すれば、10日計算で一食500円未満だなんて……。

こうして私の10日間5000円生活の幕が上げた。

10日間5000円生活1日目はこれ………日本橋のイチゴブッフェ!4800円!!残り9日間はその辺に生えてる食える草とか食べて生きていこうと思います、なんちゃって。流石に嘘だけど、そこまで馬鹿ではない。
ほぁあ~~~、こんなこと真面目にやってられるかバカ野郎、さっさと規定数呪霊を狩って巨乳(俺の甚壱)の住む屋敷に舞い戻ってやるからな……。

というようなことを考えながら出口を求めて三千里、こっちがえっと…南口であってます?

「そっちは八重洲南口ね」
「南口にまで種類あるの!?」
「丸の内南口はこっち、着いといで」
「あ、や、あの、知らない人には着いてっちゃ駄目だってお母さんから言われてて…」

あと流石に目に覆いをつけた白髪頭のデカイ人間か呪いか分からない物と歩きたくないっていうか、知り合いだと思われたくないっていうか。乙女の心ってのは複雑なんですよ、だからちょっとあの、腕掴まないでもろてええですか……。

やいのやいのと抵抗していれば、「も~~~」と牛の鳴き真似みたいな声を出したデカくて白くて黒い奴は、目の部分の覆いを取っ払って首を軽く振ると、素顔をさらけ出して顔を近付けて来た。

「僕は五条悟、お前も呪術師なら知らないわけないよね?」
「……え、なんでわざわざ覆い取ったんですか」
「顔の良さで釣れないかなって」

釣れねえよ、人のことなんだと思ってんだ、そんな軽い人間じゃないんですが。「私は巨乳にしか靡かない」と胸を張って言えば一拍置いた後に爆笑された。
人の性癖を笑う奴、世界で一番ゆるせねぇよなあ???何ワロてんねん、私が総理大臣になったら絶対「他人の性癖を笑う奴は射殺」って法律を作ってやるからな、覚えとけよ。

「童貞だったりする?」
「童貞を確認してくるやつも射殺して良いって法律作ってやる…」
「こわ、ウケる」

怖いって言いたいのはこっちなんですけど。
いきなり東京の人混みの中で知らん男に腕掴まれて、何処かに引き摺られて行ってる恐怖がお前に分かるか?こちとらJKやぞ、か弱い乙女やぞ、有名人だろうと初対面の人間に腕掴まれたら怖いに決まってるだろ。
てか、え…?これ本当に何処に向かっているんです??

慣れたように人混みの中をスイスイ歩いて行く五条悟に引き摺られながら、駅の出口へと向かう。
見慣れぬ風景にキョロキョロとまわりを見渡していれば、あっという間に駅の外へと辿り着き、随分と開けた場所に出た。後ろを振り返れば赤い煉瓦の大きな駅が見える。ここから出てきたのかと、謎の感動に包まれながらその場でグルリと辺りを見渡した。

高いビルがあちこちにあり、空が狭い。人間が管理している自然がチラホラ目に付いた。
ここが東京………小学生の頃に社会科見学で来た以来だ、なんだかソワソワする。

私、ここで一人でやっていけるのかなあ………と、若干不安になりながら五条悟は私を引き摺って行く。

こうして私は、日本の中心地にて五条悟に腕を引かれ、やって来た車に詰め込まれ、何処かへと連れて行かれるのだった。

………拉致じゃん!!!
イィーーン!!この国を!!!変えたい!!!!
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