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番外編

季節は夏真っ盛り!!!
ではなく、今は6月!!!梅雨である、そんな雨降ってないけどね。

さて、私のホットでプリティでチャームな夏の番外編をお楽しみにしていたガラス一枚向こうのそこの貴方!
残念なことに私は夏をすっ飛ばして生きるハメになるので、夏の前の話で勘弁して貰えると有り難い。
何せ皆がサマーバケーションを楽しんでいる間、私はちょっくら夢の彼方へ旅立つことになってしまったので…これ以上はネタバレになるので言えないけれど、私に夏なんてものは無かったことだけはお伝えしておこう。

さて、気を取り直して6月である。
6月といえばそう!おっぱいである!!
6って数字をよく見てみよう、なんかほら…丸っこいからおっぱいみたいなもんかなって…思ったんだけど…。
ね、そう思うよね、思ってほしいな。無理矢理にでも。がんばれ、がんばれ。

で、だ。
おっぱいと言えばそう、ファーストインプレッション巨乳こと俺の甚壱の話をしたい。
甚壱さんはとても大きな胸をお持ちなのだが、あの胸はなんのためにあるのかと私は改めて考えたわけです。
例えば女性の胸は子供を育てるためにある。
授乳し、子の腹を満たせ、健やかに成長させる大切な部位だ。
では男であり授乳の出来ないはずの甚壱さんの胸はあんなにも発達しているのだろうか?
私はこのことが気になって気になって夜しか眠れなくて困っている。お昼寝が出来ないと頭がモニャモニャするので。

そこで色々考えてみたんだが、結論としてやっぱり私のためなんじゃないかな?と思った次第だ。

だってほら、私ってば散々な人生歩んでいるじゃないか。
親に売られ、売られた先では雑に扱われ、寄生された神様は極悪人で、唯一の友達は貧乳。ついでに頭の中はエンドレスインサニティー。これはもう泣いても良いんじゃないでしょうか、ゴールしても良いんじゃないでしょうか。
というかもし私のためにあの胸があるとするならば…私ってもしかして、甚壱さんの子だったのでは…?本当のパパ…いや、胸があるからママ!?
い、言われてみればあの胸に抱かれて育ったような気がするような、しないような…。
聖母…?甚壱さんって聖母だったりする?やっぱり巨乳は信仰に繋がるってハッキリわかるんだね。

やはり人生に唯一ある救いと言えば大きな胸だ。
世の中は乳のデカさで物事の全てが決まるんだな…だからほら、巨乳を前にすれば私は無力だ。しかし同時に、救済も伴われている。素晴らしい、これが信仰。

初めて甚壱さんに出会った時、私は甚壱さんのお胸を私に与えられた希望だと感じた。
だからそう、甚壱さんの両胸は私のためにあそこまで大きくなったのだと思う。

「そんなわけ無いだろう、失礼なことを考えるのはやめなさい」
「ハッ…!この声は暇過ぎて私に小言を挟むくらいしか生き甲斐の無い傑さん…!」
「失礼なことを言うのもやめようか」

色々考えていたら注意されてしまった。

「それよりもほら、夏服を買いに来たんだろう?ちゃんと選びなさい」

かと思えば母親のような口出しをされた。本当暇なんだろうな、このスタンド。


現在私は少し早いが、お洋服が色々売っているビルに夏服を買いに来ていた。
この前真希さんとお洋服の話になり、「そういやお前夏服あんの?」と尋ねられて箪笥の中を確認したら全然無かった。
まあ別にお出掛け用の私服着る機会なんて普段あんまり無いし、貰えるお小遣いもそんなに無いし、適当に着やすいTシャツ数枚あればええじゃろって思っていたら…その話を聞いていた五条先生が首を突っ込んで来たのだ。

「僕の生徒ひもじ過ぎてウケる、なんでそんなに金無いの?任務行ってるよね?」
「禪院家に搾取されてるからです!」
「うわ…聞かなきゃ良かった。可哀想になってきちゃったんだけど…」
「この夏はTシャツ三枚着回しでいきます!」
「真希、ちょっとこの子助けてやってくんない?」

……ってな感じで、ポンッと万札数枚を渡してきた五条さんとお洋服を一緒に選んでくれるという真希さんによって私は夏服を買いに行くことになった…のだが!しかし!
ここで問題発生、真希さんは当日別の予定…もとい、任務が入ってしまい同行出来なくなった。

なので急遽ピンチヒッターとしてやって来てくれたのはマイフレンド伏黒くん。
彼は「荷物くらいは…」と快く同行してくれた。

けれど正直に言って一緒に買い物をしてもあまり楽しくは無かった。
伏黒くんあんまり喋らないし、どれがいいかな〜?って聞いても参考にはならない。ついでに私も段々沢山ある店を見歩くのに飽きてきた。あとお腹減った。
結局一枚も買わないままお昼ごはんを食べることになり、私達は目に入ったつけ麺屋に入った。

「五条先生にお金返そうかな〜」
「そしたらあの人勝手に買ってくるぞ」
「それはそれで困る…」

でも実際そうだろうな、と思う。
あの人私…てか、私と傑さんをペアで気に掛けてるからな。多分傑さんが居なかったらそこまで踏み込んで来なかっただろうし。責任感じてんのかな、めんどくせ。

冷えた縮れ麺を香味油の香る醬油ベースの熱いスープに浸し、ズズッと啜れば幾分か気が晴れる。
やはり美味しい物は正義だ、巨乳の次くらいに。
あーあ、私にも胸があればなあ…胸を強調する服選んで速攻で帰れたのにな、こんな貧相な身体で何着りゃいいんだよ全く。甚壱さんみたいなワガママボディが羨ましいよ。

「もう分かんないよ〜!伏黒くん選んでよ〜!」
「子供じゃないんだから、服くらい自分でどうにかしろ」
「だって、だって…今までずっとおさがりばっかだったから…」
「………はぁ」

仕方無いとばかりに溜め息をつき、伏黒くんはややあってから喋り出した。

「あとで選んでやるから、それ試着して気に入ったら買って帰るぞ」
「それは…選んでくれるってこと?」
「あとから文句言うなよ」
「はわわ……友情こそ正義だったんや…」

美味しい物よりも巨乳よりも、世の中には信じて従わなければならない物があった。
それこそはそう、友情である。
なんてこった…こんな近くに"正しさ"があったなんて、ヘヘっ見逃してたや…(鼻の下を擦るポーズ)

あまりにも伏黒くんというスーパーマイフレンドが尊すぎて頭の中から聞こえてくる「浮気かい?浮気だねこれは」「あーあ、私の方が君に似合う服を理解しているのにな」「そんな男はやめておくんだ、君には私が居るだろう?」等などの声は全て無視しておいた。
今は神様よりも仏様よりも友達様だ。友情は全てを救うのだ。

嬉しくなった私はまだ食べていなかった味玉を伏黒くんのスープにそっと入れてあげた。

「いらねぇけど」
「お駄賃の前払いだよ、ありがとう友よ」
「…安い友情だな」

そう言って伏黒くんは少し笑った。
しかし私は自分が友情を金で…いや、味玉一つで買ったような奴に思えてしまい少し落ち込んだ。乙女心は複雑である。

というわけで今年の夏は伏黒セレクション金賞でいこうと思う。
間違っても脳内悪人巨乳お兄さんの趣味大全開ファッションにはしない方向で。

いや〜、今から夏が楽しみだなあ!!
(※このあと夏は地獄へ消えたのだった)(本編に続く)
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