巨乳と汗と涙の結晶
朝起きて、とりあえずシャワーを浴び、着替えた後に七海さんと共にホテルをチェックアウトした。
モーニングは無かったので、少し遅めの朝食をこれから食べる所である。
美食研究同好会を始めるにあたり、やはり美味しい物を積極的に食べていかねばならないと考えていた私は、開いているお店をスマホで探しながらそのことを相談した。
「でも、よく考えたら私、美味しい物の定義がよく分からなくて」
「…君は、何が一番美味しいと感じますか?」
うーん…一番か、一番……スタバのマンゴーフラペチーノ、マックのチーズバーガー、サーティワンのストロベリーチーズケーキ…どれも美味いが、一番とは言えない。
あれかな、天下一品かな…"天下" "一品"を名乗るくらいだからやっぱりこれが一番なんじゃないだろうか、自分で名乗ってるんだもの、そらそうよ。
いや、でも天下一品が一番美味いって言うのもちょっと違う気がしてきたぞ…だったらてんやだってトベるくらい美味いし、どん兵衛のおあげ入ってるやつも同じくらい美味い。
そうなってくると難しい話である。
うーん、うーん……一番、好きな……食べ物……やっぱり…
「お米!!!」
日本人ならこれ以外無いだろ!!
私がそう言い切って七海さんを見上げれば、少しだけ驚いたような表情をしていた。
いきなり大きな声出しちゃったから驚かせてしまったかもしれない、すみません朝から元気で…。
私が立ち止まれば、七海さんも立ち止まる。
彼は何を考えたのか知らないが、唐突に
「人は…?」と尋ねてきた。
「えっと……人は、まだ食べたこと無いです…」
「そういうことを聞いているのでは…いえ、すみません。今のは忘れて下さい」
「はあ」
何だったんだろう、まあいいか。
それより朝ごはんの方が大切だ。しかし田舎街、朝からやってる店がほぼ無いうえに遠い。
「24時間営業のスーパーが歩いて…いや、車で20分ですね、あとはコンビニくらいです」
「コンビニにしましょうか」
「はーい」
私は全然コンビニでもいいんだけどね、そもそも美食ってよく分からないし、美しい食事ってこと?美しいの定義って人それぞれだからな…。
うん、やめよう。
美食研究同好会はよく分からんからやめよう、もっと分かりやすい部活にしよう。
「七海さん、美食研究同好会は廃部にします」
「まだまともに活動していないのに?」
「だって…そもそも私、舌が馬鹿なんですよね」
レッと舌を出して指差す。
「小さい頃から葉っぱ吸ってるせいで」
「なるほど」
ついでに家も裕福とは言えなかったからね、それについては言わんが。
美食研究同好会も、実のところ私のバカ舌を何とかしたいという私利私欲から成り立とうとしていたのである。
でもこれは、きっと治らないだろうから諦めた方が早い。やっぱり巨乳を集めたバレー部とかを設立した方が良い気がする、巨乳バレー部は健康に良い、視力も良くなるし血液もサラサラになるに決まっている。
皆で全国目指そうよ、私めっちゃ応援するよ、デカチチ〜…ファイ、オー!ファイ、オー!
「味覚障害には」
私が脳内で巨乳バレー部のスタメンを考えていたら、七海さんが徐に喋り出す。
「チーズ、貝類、牛肉などの亜鉛を含んだ料理が良いですよ」
「は、はあ…」
「ちなみに、料理はされますか?」
「実は最近練習し始めました、将来のために!」
「それは良い心掛けだ」
心做しか表情が和らいだ七海さんは、少し考えてから何かを決めたのか、小さく頷くと、私へと視線を戻した。
「料理をする部活動に変えてみては?」
「ハッ!」
「料理の練習であれば、手隙の際に私も様子を見れますので」
「七海さん……!」
あまりの感動に意味も無く名前を呼んでしまう。
かつて、ここまで私のことを考えてくれた大人が居ただろうか…しかもこの人、時間があれば見てくれるって……もしかして、聖人だったりしますか?
そういえば金髪だし、肌白いし、鼻高いし…ヨーロッパの方の天使とか妖精とか、そっちの系統だったりします?エンジェル・ナナミエル、守護天使として加護を得たいぞ。
いや待て、むしろ七海さんは守るべき対象ではないだろうか。
彼の身体は国が傾くレベルの代物、国家最高級ドスケベエチチボディ…!国の宝を守らずして、何を守ると言うんだ!?
七海建人………俺が何者からも守ってるからな……。
密かな決意を無い胸に懐き、私は決意の眼差しを持って七海さんの胸元を見つめた。
「ありがとう、七海さん」
「何処を見て喋っているんですか」
「ありがとう、世界」
「…はぁ……帰ったらきちんと休みなさい、いいですね」
はーい!!
うーん、七海さんの優しさ…胸に沁みるね!!
モーニングは無かったので、少し遅めの朝食をこれから食べる所である。
美食研究同好会を始めるにあたり、やはり美味しい物を積極的に食べていかねばならないと考えていた私は、開いているお店をスマホで探しながらそのことを相談した。
「でも、よく考えたら私、美味しい物の定義がよく分からなくて」
「…君は、何が一番美味しいと感じますか?」
うーん…一番か、一番……スタバのマンゴーフラペチーノ、マックのチーズバーガー、サーティワンのストロベリーチーズケーキ…どれも美味いが、一番とは言えない。
あれかな、天下一品かな…"天下" "一品"を名乗るくらいだからやっぱりこれが一番なんじゃないだろうか、自分で名乗ってるんだもの、そらそうよ。
いや、でも天下一品が一番美味いって言うのもちょっと違う気がしてきたぞ…だったらてんやだってトベるくらい美味いし、どん兵衛のおあげ入ってるやつも同じくらい美味い。
そうなってくると難しい話である。
うーん、うーん……一番、好きな……食べ物……やっぱり…
「お米!!!」
日本人ならこれ以外無いだろ!!
私がそう言い切って七海さんを見上げれば、少しだけ驚いたような表情をしていた。
いきなり大きな声出しちゃったから驚かせてしまったかもしれない、すみません朝から元気で…。
私が立ち止まれば、七海さんも立ち止まる。
彼は何を考えたのか知らないが、唐突に
「人は…?」と尋ねてきた。
「えっと……人は、まだ食べたこと無いです…」
「そういうことを聞いているのでは…いえ、すみません。今のは忘れて下さい」
「はあ」
何だったんだろう、まあいいか。
それより朝ごはんの方が大切だ。しかし田舎街、朝からやってる店がほぼ無いうえに遠い。
「24時間営業のスーパーが歩いて…いや、車で20分ですね、あとはコンビニくらいです」
「コンビニにしましょうか」
「はーい」
私は全然コンビニでもいいんだけどね、そもそも美食ってよく分からないし、美しい食事ってこと?美しいの定義って人それぞれだからな…。
うん、やめよう。
美食研究同好会はよく分からんからやめよう、もっと分かりやすい部活にしよう。
「七海さん、美食研究同好会は廃部にします」
「まだまともに活動していないのに?」
「だって…そもそも私、舌が馬鹿なんですよね」
レッと舌を出して指差す。
「小さい頃から葉っぱ吸ってるせいで」
「なるほど」
ついでに家も裕福とは言えなかったからね、それについては言わんが。
美食研究同好会も、実のところ私のバカ舌を何とかしたいという私利私欲から成り立とうとしていたのである。
でもこれは、きっと治らないだろうから諦めた方が早い。やっぱり巨乳を集めたバレー部とかを設立した方が良い気がする、巨乳バレー部は健康に良い、視力も良くなるし血液もサラサラになるに決まっている。
皆で全国目指そうよ、私めっちゃ応援するよ、デカチチ〜…ファイ、オー!ファイ、オー!
「味覚障害には」
私が脳内で巨乳バレー部のスタメンを考えていたら、七海さんが徐に喋り出す。
「チーズ、貝類、牛肉などの亜鉛を含んだ料理が良いですよ」
「は、はあ…」
「ちなみに、料理はされますか?」
「実は最近練習し始めました、将来のために!」
「それは良い心掛けだ」
心做しか表情が和らいだ七海さんは、少し考えてから何かを決めたのか、小さく頷くと、私へと視線を戻した。
「料理をする部活動に変えてみては?」
「ハッ!」
「料理の練習であれば、手隙の際に私も様子を見れますので」
「七海さん……!」
あまりの感動に意味も無く名前を呼んでしまう。
かつて、ここまで私のことを考えてくれた大人が居ただろうか…しかもこの人、時間があれば見てくれるって……もしかして、聖人だったりしますか?
そういえば金髪だし、肌白いし、鼻高いし…ヨーロッパの方の天使とか妖精とか、そっちの系統だったりします?エンジェル・ナナミエル、守護天使として加護を得たいぞ。
いや待て、むしろ七海さんは守るべき対象ではないだろうか。
彼の身体は国が傾くレベルの代物、国家最高級ドスケベエチチボディ…!国の宝を守らずして、何を守ると言うんだ!?
七海建人………俺が何者からも守ってるからな……。
密かな決意を無い胸に懐き、私は決意の眼差しを持って七海さんの胸元を見つめた。
「ありがとう、七海さん」
「何処を見て喋っているんですか」
「ありがとう、世界」
「…はぁ……帰ったらきちんと休みなさい、いいですね」
はーい!!
うーん、七海さんの優しさ…胸に沁みるね!!