巨乳覇者列伝
全力を持ってして廊下を走っていれば、五条先生に捕まってしまった。
「廊下は走っちゃダメでしょ、まだラリってんの?」
「ナチュラルですが!?」
「なんで怒ってんのよ、落ち着きなって」
これが落ち着いていられるかよ!!!
伏黒くんの貞操がかかってるんやぞ!?
私を捕まえる先生の腕を引き離そうとバタバタ足掻いていれば、脳内に声が響いて来た。
「私も同意見だ、少し落ち着きなさい」
あ、乳神様!!
いや、でも神様が許せって言ったって許せないんで。
左の頬を全力で殴ったあとに右の頬も殴って、さらに鳩尾も殴って、最後に顎をアッパーで殴らないと気が済まない。死体を蹴るし銃を乱射しなきゃ無理!
手短に言うと殺すしかないのだ。
戦争ですよ、伏黒くんの貞操をかけた戦争です。私は必ず勝って国に貢献します、伏黒帝国万歳!!世界を平和にしてみせます!!!
「まだ少しラリってるな…」
全然ラリってないです!!!
「そうか、まあ元気そうで良かった」
私はいつでも元気ですが??
あ、でもベッドで寝てたってことは相当バッド決まってたのかな?
……ベッドでバッド、韻を踏んでしまった。
「先生、私 保健室で寝てたんだけど」
「ああ、なんかキマり過ぎてくたばっちゃってたから」
「マジかー」
「マジマジ」
ところで先程からラリってるとか、キマってるとか言われているが、正式に症状を現すならばトリップというやつなのだ。そもそも何故トリップしてしまうかというと、術式を使うと何故か煙が体内に入った瞬間にメスカリンの成分を伴う物に変質するらしいからだ。
このメスカリンというものは、アメリカン・インディアンが古くから精霊交信の儀式に使う場で使用される「ペヨーテ」と呼ばれるサボテンに含まれる成分で、依存性は低く、脳への影響も無いとされているため、身体は全然問題ないのだ。
ただまあ、日本では違法な物として扱われているような代物なので、こう……トブんですよねぇ…トびたくてトんでんじゃないんだけどさ。
「で、先生、一般人は?あの学校に居た奴、半裸になってた…」
「ああ、そうそう、それについて説明しようと思ってたんだ」
「説明…?なんかあったんです?」
「うん、実はさ……」
先生の話によると、一般人こと虎杖悠仁は特級呪物を飲み込み、両面宿儺の器となってしまったため、指の回収後に死刑となるらしい。
は、はえ~~~~~!急展開過ぎ!!一般人くんが一般人じゃなくなっちゃったじゃん、あと両面宿儺ってなに?両面テープみたいなこと?宿儺ってなに?指って食べれるものなの?珍味だったりする?お味の程は如何程なのやら…。
ということで、先生に挨拶しといでと言われて解放されたため、今度は走らず男子寮へと向かった。
目の前には木製の扉、確か隣が伏黒くんのお部屋だった気がする。来たこと無いからあんまりよく分からないけど。
男子寮というだけでソワソワしちゃうね、ちょこちょこ前髪を整えて、服のシワを伸ばし、爪先を揃えてから、コンコンッとノックした。
「こんにちはー、虎杖悠仁くん居ますかー?」
「はーい、ちょっと待ってねー」
やや無音の時間が続いた後に、ガチャリと扉が開く。
中から出てきた感じの良さそうな男子が出てきた、髪が可愛い色してるけど染めてるのかな?いいね、似合ってんねぇ。
「ってことでお覚悟!!!」
「ちょ、ちょ、誰!?」
体勢を低くし、利き脚で踏み込んで一直線。彼の腹部向けて頭から突撃し押し倒してやろうとしたが、しかし、簡単に受け止められて「落ち着けって、な?」と背中を撫でられながら落ち着かされた。
屈辱!!いっそ殺せ!!!
私は、伏黒くんを、守りたいんだ!!!
そ、それなのに…クソ!パーカー越しに頬に感じるこの感触は………デッケェ乳!!しかも結構な物をお持ちだ!!
ごめんよ伏黒くん………人類はね、おっぱいには敵わないんだ、分かってくれるかい?私もね、頑張ったんだよ。君を守るために同級生となる初対面の男子に頭から突っ込んで行ってさ……でもね、人間時には諦めも必要なんじゃないかな、人生ってそういうものなんだよ。分かるかい?これが屈服って言うんだよ。
「虎杖くん…君、最高だね」
「いきなりどした?」
「友達になろう」
「いいけど、離しても大丈夫?」
「え、離しちゃうの!?」
やだやだやだやだ、もっと乳を堪能させてくれよ!
正直甚壱さんの乳を揉んで以来、私はリアルおっぱいにはノータッチなんだ。たまに意識世界で傑さんがハグしてくれた時とかに、ぽよよ~んってなるけど、あれ全部私の脳内での出来事だから、ただ自分の脳内で自分の好きな乳に触れてるだけだから。ノーカンなんです。
「こら、初対面の男子に抱き付いちゃ駄目だろう、離れなさい」
あ、脳内の巨乳だ。
「私で我慢しなさい」
まあ…確かに一理あるな。
JKに抱き付かれてるわけだから、健全な男子としてはちょっと気まずくもなるよな、うんうん。
べ、別に傑さんのおっぱいに揺らいだわけじゃないんだからね!違うから!!
「は~~、乳神様が言うなら従っとくか…」
「乳神様!?」
「あ、そうだ…伏黒くんに手出したらお前のことブチ犯すからな」
「怖すぎない!?」
あと伏黒くんの一番の友人とか名乗っても犯すし殺すから、いくらお前がナイスバルクだろうがそこだけは譲らないからな、分かったか。
じゃ、そういうことで。
言いたいことを言い終えた私は虎杖くんから離れると、自室へと戻ることにした。
…
自室へ戻る道すがら、また、脳内に声が這うように響き渡る。
「我慢出来たね」
「なにが?」
「君、抱き付いた瞬間、わりと本気で宿儺にアクセスしようとしただろう」
………なんでバレたんだ。
思わず、顔から表情が抜け落ちた。
廊下の真ん中で保健室から飛び出して来た時のまま、素足の状態で立ち尽くした私は、片手を額に当てると細く息を吐き出しながら脳内に居座り続ける男に向けて言葉を投げやる。
「一々行動に茶々を入れないで、黙れよ、呪うぞ」
「私はそっちの君の方が好きだな」
「忌々しいな……」
「だから言ってるだろ、私で我慢しておけと」
…………あーあ、アホらし。
一瞬にして冷えきった頭を一度振って、私は表情を戻し、歩みを再開する。
私ってつくづく運が無いというか、神様に愛されてないってか、大事にされないなあ。
親に始まり買われた家にも大事にされないし、終いにゃ運まで向いてない。
そりゃ確かに傑さんは激ヤバサイコパス呪詛師かもしれないよ?それにアクセスして一応は味方ってか、顧問的な立ち位置に就いて貰ってるんだから凄いことかもだけどさあ…でもさあ……。
「呪いの王は格が違うじゃん」
聞いてないよ、そんなのが出てくるなんて。
私も呪いの王とか、呪いの皇帝とか、呪いの帝とかそんな感じのクソデカネームバリューを持った奴とニコイチになりてぇ~~~。
だから虎杖くんにくっついたままアクセスしようとしたけど、遠回しに傑さんに止められちゃったから出来なかった。
言いたいことは分かるよ?止める理由も分かる。
だけどさ………
「貴方の王は、私でしょう?」
「……そうだね」
困ったように笑って肯定する傑さんに、私はその場で謳うように両手を広げてクルクル回ってステップを踏んでみせる。
「私、呪術総理大臣になるの、この国の天下が欲しい、誰も私のことをいらないって言わない世界が欲しい!」
お金なんかで私を手放さない世界が欲しい、私をいらないって言う人は、神も悪魔も真っ二つにしてやるのだ。
それが許される世界を手にしたい、私による私のための、優しくて、愛しいと思える世界が欲しい。
あの両面なんたらとかいうやつ、一目見た瞬間にアクセスして物にしたいと思ったが、無理ならいいや。
そもそも、王様は二人もいらない。だからいつか、両面なんたらには宇宙の塵にでもなって貰う。
呪いで天下を取るのはこの私だ。
「だから、あんまり邪魔しちゃ嫌よ」
「覚えておくよ」
「この世が地獄になっても私のこと、呪っていてね」
「分かったよ」
うん、良い返事が聞けたので今回は良しとしよう。
そうだろう傑さん、私の手を取った私の神様。いや、呪い。
お前は私の物だろう。
頷けよ、そうしたら貴方の望みだって叶えてやるよ。
だから、この世が終わるまで私に憑いて来い。
「廊下は走っちゃダメでしょ、まだラリってんの?」
「ナチュラルですが!?」
「なんで怒ってんのよ、落ち着きなって」
これが落ち着いていられるかよ!!!
伏黒くんの貞操がかかってるんやぞ!?
私を捕まえる先生の腕を引き離そうとバタバタ足掻いていれば、脳内に声が響いて来た。
「私も同意見だ、少し落ち着きなさい」
あ、乳神様!!
いや、でも神様が許せって言ったって許せないんで。
左の頬を全力で殴ったあとに右の頬も殴って、さらに鳩尾も殴って、最後に顎をアッパーで殴らないと気が済まない。死体を蹴るし銃を乱射しなきゃ無理!
手短に言うと殺すしかないのだ。
戦争ですよ、伏黒くんの貞操をかけた戦争です。私は必ず勝って国に貢献します、伏黒帝国万歳!!世界を平和にしてみせます!!!
「まだ少しラリってるな…」
全然ラリってないです!!!
「そうか、まあ元気そうで良かった」
私はいつでも元気ですが??
あ、でもベッドで寝てたってことは相当バッド決まってたのかな?
……ベッドでバッド、韻を踏んでしまった。
「先生、私 保健室で寝てたんだけど」
「ああ、なんかキマり過ぎてくたばっちゃってたから」
「マジかー」
「マジマジ」
ところで先程からラリってるとか、キマってるとか言われているが、正式に症状を現すならばトリップというやつなのだ。そもそも何故トリップしてしまうかというと、術式を使うと何故か煙が体内に入った瞬間にメスカリンの成分を伴う物に変質するらしいからだ。
このメスカリンというものは、アメリカン・インディアンが古くから精霊交信の儀式に使う場で使用される「ペヨーテ」と呼ばれるサボテンに含まれる成分で、依存性は低く、脳への影響も無いとされているため、身体は全然問題ないのだ。
ただまあ、日本では違法な物として扱われているような代物なので、こう……トブんですよねぇ…トびたくてトんでんじゃないんだけどさ。
「で、先生、一般人は?あの学校に居た奴、半裸になってた…」
「ああ、そうそう、それについて説明しようと思ってたんだ」
「説明…?なんかあったんです?」
「うん、実はさ……」
先生の話によると、一般人こと虎杖悠仁は特級呪物を飲み込み、両面宿儺の器となってしまったため、指の回収後に死刑となるらしい。
は、はえ~~~~~!急展開過ぎ!!一般人くんが一般人じゃなくなっちゃったじゃん、あと両面宿儺ってなに?両面テープみたいなこと?宿儺ってなに?指って食べれるものなの?珍味だったりする?お味の程は如何程なのやら…。
ということで、先生に挨拶しといでと言われて解放されたため、今度は走らず男子寮へと向かった。
目の前には木製の扉、確か隣が伏黒くんのお部屋だった気がする。来たこと無いからあんまりよく分からないけど。
男子寮というだけでソワソワしちゃうね、ちょこちょこ前髪を整えて、服のシワを伸ばし、爪先を揃えてから、コンコンッとノックした。
「こんにちはー、虎杖悠仁くん居ますかー?」
「はーい、ちょっと待ってねー」
やや無音の時間が続いた後に、ガチャリと扉が開く。
中から出てきた感じの良さそうな男子が出てきた、髪が可愛い色してるけど染めてるのかな?いいね、似合ってんねぇ。
「ってことでお覚悟!!!」
「ちょ、ちょ、誰!?」
体勢を低くし、利き脚で踏み込んで一直線。彼の腹部向けて頭から突撃し押し倒してやろうとしたが、しかし、簡単に受け止められて「落ち着けって、な?」と背中を撫でられながら落ち着かされた。
屈辱!!いっそ殺せ!!!
私は、伏黒くんを、守りたいんだ!!!
そ、それなのに…クソ!パーカー越しに頬に感じるこの感触は………デッケェ乳!!しかも結構な物をお持ちだ!!
ごめんよ伏黒くん………人類はね、おっぱいには敵わないんだ、分かってくれるかい?私もね、頑張ったんだよ。君を守るために同級生となる初対面の男子に頭から突っ込んで行ってさ……でもね、人間時には諦めも必要なんじゃないかな、人生ってそういうものなんだよ。分かるかい?これが屈服って言うんだよ。
「虎杖くん…君、最高だね」
「いきなりどした?」
「友達になろう」
「いいけど、離しても大丈夫?」
「え、離しちゃうの!?」
やだやだやだやだ、もっと乳を堪能させてくれよ!
正直甚壱さんの乳を揉んで以来、私はリアルおっぱいにはノータッチなんだ。たまに意識世界で傑さんがハグしてくれた時とかに、ぽよよ~んってなるけど、あれ全部私の脳内での出来事だから、ただ自分の脳内で自分の好きな乳に触れてるだけだから。ノーカンなんです。
「こら、初対面の男子に抱き付いちゃ駄目だろう、離れなさい」
あ、脳内の巨乳だ。
「私で我慢しなさい」
まあ…確かに一理あるな。
JKに抱き付かれてるわけだから、健全な男子としてはちょっと気まずくもなるよな、うんうん。
べ、別に傑さんのおっぱいに揺らいだわけじゃないんだからね!違うから!!
「は~~、乳神様が言うなら従っとくか…」
「乳神様!?」
「あ、そうだ…伏黒くんに手出したらお前のことブチ犯すからな」
「怖すぎない!?」
あと伏黒くんの一番の友人とか名乗っても犯すし殺すから、いくらお前がナイスバルクだろうがそこだけは譲らないからな、分かったか。
じゃ、そういうことで。
言いたいことを言い終えた私は虎杖くんから離れると、自室へと戻ることにした。
…
自室へ戻る道すがら、また、脳内に声が這うように響き渡る。
「我慢出来たね」
「なにが?」
「君、抱き付いた瞬間、わりと本気で宿儺にアクセスしようとしただろう」
………なんでバレたんだ。
思わず、顔から表情が抜け落ちた。
廊下の真ん中で保健室から飛び出して来た時のまま、素足の状態で立ち尽くした私は、片手を額に当てると細く息を吐き出しながら脳内に居座り続ける男に向けて言葉を投げやる。
「一々行動に茶々を入れないで、黙れよ、呪うぞ」
「私はそっちの君の方が好きだな」
「忌々しいな……」
「だから言ってるだろ、私で我慢しておけと」
…………あーあ、アホらし。
一瞬にして冷えきった頭を一度振って、私は表情を戻し、歩みを再開する。
私ってつくづく運が無いというか、神様に愛されてないってか、大事にされないなあ。
親に始まり買われた家にも大事にされないし、終いにゃ運まで向いてない。
そりゃ確かに傑さんは激ヤバサイコパス呪詛師かもしれないよ?それにアクセスして一応は味方ってか、顧問的な立ち位置に就いて貰ってるんだから凄いことかもだけどさあ…でもさあ……。
「呪いの王は格が違うじゃん」
聞いてないよ、そんなのが出てくるなんて。
私も呪いの王とか、呪いの皇帝とか、呪いの帝とかそんな感じのクソデカネームバリューを持った奴とニコイチになりてぇ~~~。
だから虎杖くんにくっついたままアクセスしようとしたけど、遠回しに傑さんに止められちゃったから出来なかった。
言いたいことは分かるよ?止める理由も分かる。
だけどさ………
「貴方の王は、私でしょう?」
「……そうだね」
困ったように笑って肯定する傑さんに、私はその場で謳うように両手を広げてクルクル回ってステップを踏んでみせる。
「私、呪術総理大臣になるの、この国の天下が欲しい、誰も私のことをいらないって言わない世界が欲しい!」
お金なんかで私を手放さない世界が欲しい、私をいらないって言う人は、神も悪魔も真っ二つにしてやるのだ。
それが許される世界を手にしたい、私による私のための、優しくて、愛しいと思える世界が欲しい。
あの両面なんたらとかいうやつ、一目見た瞬間にアクセスして物にしたいと思ったが、無理ならいいや。
そもそも、王様は二人もいらない。だからいつか、両面なんたらには宇宙の塵にでもなって貰う。
呪いで天下を取るのはこの私だ。
「だから、あんまり邪魔しちゃ嫌よ」
「覚えておくよ」
「この世が地獄になっても私のこと、呪っていてね」
「分かったよ」
うん、良い返事が聞けたので今回は良しとしよう。
そうだろう傑さん、私の手を取った私の神様。いや、呪い。
お前は私の物だろう。
頷けよ、そうしたら貴方の望みだって叶えてやるよ。
だから、この世が終わるまで私に憑いて来い。