番外編
1巡目の話。
「棘くんのお口の横のマーク可愛いよね、おたまじゃくし?」
「おかか!」
あ、違うのか。
勝手にずっとおたまじゃくしかと思ってた、え~じゃあなんだろ~。
ということで始まりました、棘くんのお口の横のマークについての大喜利大会。
実況は私、解説も私、参加者も私ってことでやって参りたいと思います。
「波平の頭?」
「おかかー」
波平の頭では無いようです。
そりゃそうか、もしそうだったらヤベェオタクすぎるもんな。
いやでも、仮に棘くんが波平の強火オタクだったとしても、私は変わらず君が好きだよ………これが恋は盲目ってやつか……。新発見をありがとう波平の頭。
「線香花火のパチパチするとこが落ちる瞬間?」
「おかか」
違ったらしい。
でも線香花火の火薬部分が落ちる瞬間とか、逆にエモでは?むしろセンスありよりのありなのでは?
「んー…ムーミンにこんなのいなかったっけ?」
「おかか……」
これも違うのか、ムーミンはワンチャンあるかと思ったんだけど違ったかー。
これはちょっと分かりませんね………この事件、迷宮入りです。キィィ…バタンッ
しかしまあ、別に可愛いんだから深く知らなくてもいいか。可愛いんだし、可愛いは正義だし。
お口の端のマークをちょんちょんっとつっつけば棘くんはいやんっと身動ぎした。
可愛いやっちゃのう……もう片側もつっついちゃえ。
「ポチポチたのしー」
「すーじーこー!」
「あ、もしかして個性的なホクロ!?」
「おかか、おかか」
それはナイナイとジェスチャーされてしまった。
いや~中々難しいね、あとはもう「受精直前のシーン」くらいしか思い付かないけど、これ言ったら流石に失礼過ぎるし、私も自分の恋人にそんなこと言いたくない。言ったら頭可笑しい奴過ぎる。
「見せてくれてありがとうね」
「ツナ」
お礼を言えば棘くんはいそいそと口元を隠した。
隠してる姿も可愛いよね、普段隠しているからこそ見えた時に貴重だと思えるこの感じ……ナイス、ナイス萌えポイント。
彼はジャパンの宝ですよ。
___
結局一巡目では全く分からなかったのだが、二巡目で他人にそれとなく聞いた所、普通に棘くんのお口の模様について教えて貰えた。
「蛇の目と牙か~」
なるほどね、蛇の目と言えば蛇の目傘やジャノメチョウ、あとは日本の家紋にも存在する。
そもそも蛇の目は日本の三大呪符紋にも使われているし、蛇は一説によれば神の使いとも言われている。
なるほどなるほど、棘くんのお口は随分と由緒ある神聖なもののようだ。
そう言われるとなんだか、こう……キスし辛いな~!?
いや、むしろ良かったかもしれない。
私は成人、彼は学生、うん…正統な理由があるならば手を出さないでおける。これはこれで良し。
「だから棘くん、あのね、ちょっと離れて頂きたく思いまして……」
「おかか」
「ダメダメダメ、私まだ捕まりたくない」
「いくらぁ~」
いくらぁ~(きゅるるん) じゃないんだわ、困るんだって。
「可愛い顔しても無駄だよ」
「こんぶ………」
うっ……罪悪感が凄い、口元をガードするために上げた手を下ろしそうになってしまったではないか。なんて破壊力を持ったこんぶなんだ…流石、この国の宝……。
で、でも頬っぺたくらいならいいかな、マウストゥーマウスは事案かもだけど…頬っぺたはセーフじゃない?
私がそのアイデアを棘くんに伝えれば、少し考えた後に彼はコクリと一つ頷くと、私の髪を耳へと掛けてからむちゅっと頬にキスをしてくれた。
………普通に恥ずかしいな。
そう思いながら、終わったことにホッとしつつ口元から手を離した、瞬間。
ガシッ
「へ」
両頬が鷲掴まれた感触と、眼前に迫る長い睫毛に縁取られた瞳、それから唇に感じる柔らかい何か。
その柔らかい何かは、私が思考も動きも停止したことを良いことに、チュッチュッと繰り返しくっついては離れ、くっついては離れをする。
もうわからん、なにもわからん。
この後めちゃくちゃ自首した。
乙骨くんに私がやりましたって言った。
自分の腹を切ります、ではこれにて。
「棘くんのお口の横のマーク可愛いよね、おたまじゃくし?」
「おかか!」
あ、違うのか。
勝手にずっとおたまじゃくしかと思ってた、え~じゃあなんだろ~。
ということで始まりました、棘くんのお口の横のマークについての大喜利大会。
実況は私、解説も私、参加者も私ってことでやって参りたいと思います。
「波平の頭?」
「おかかー」
波平の頭では無いようです。
そりゃそうか、もしそうだったらヤベェオタクすぎるもんな。
いやでも、仮に棘くんが波平の強火オタクだったとしても、私は変わらず君が好きだよ………これが恋は盲目ってやつか……。新発見をありがとう波平の頭。
「線香花火のパチパチするとこが落ちる瞬間?」
「おかか」
違ったらしい。
でも線香花火の火薬部分が落ちる瞬間とか、逆にエモでは?むしろセンスありよりのありなのでは?
「んー…ムーミンにこんなのいなかったっけ?」
「おかか……」
これも違うのか、ムーミンはワンチャンあるかと思ったんだけど違ったかー。
これはちょっと分かりませんね………この事件、迷宮入りです。キィィ…バタンッ
しかしまあ、別に可愛いんだから深く知らなくてもいいか。可愛いんだし、可愛いは正義だし。
お口の端のマークをちょんちょんっとつっつけば棘くんはいやんっと身動ぎした。
可愛いやっちゃのう……もう片側もつっついちゃえ。
「ポチポチたのしー」
「すーじーこー!」
「あ、もしかして個性的なホクロ!?」
「おかか、おかか」
それはナイナイとジェスチャーされてしまった。
いや~中々難しいね、あとはもう「受精直前のシーン」くらいしか思い付かないけど、これ言ったら流石に失礼過ぎるし、私も自分の恋人にそんなこと言いたくない。言ったら頭可笑しい奴過ぎる。
「見せてくれてありがとうね」
「ツナ」
お礼を言えば棘くんはいそいそと口元を隠した。
隠してる姿も可愛いよね、普段隠しているからこそ見えた時に貴重だと思えるこの感じ……ナイス、ナイス萌えポイント。
彼はジャパンの宝ですよ。
___
結局一巡目では全く分からなかったのだが、二巡目で他人にそれとなく聞いた所、普通に棘くんのお口の模様について教えて貰えた。
「蛇の目と牙か~」
なるほどね、蛇の目と言えば蛇の目傘やジャノメチョウ、あとは日本の家紋にも存在する。
そもそも蛇の目は日本の三大呪符紋にも使われているし、蛇は一説によれば神の使いとも言われている。
なるほどなるほど、棘くんのお口は随分と由緒ある神聖なもののようだ。
そう言われるとなんだか、こう……キスし辛いな~!?
いや、むしろ良かったかもしれない。
私は成人、彼は学生、うん…正統な理由があるならば手を出さないでおける。これはこれで良し。
「だから棘くん、あのね、ちょっと離れて頂きたく思いまして……」
「おかか」
「ダメダメダメ、私まだ捕まりたくない」
「いくらぁ~」
いくらぁ~(きゅるるん) じゃないんだわ、困るんだって。
「可愛い顔しても無駄だよ」
「こんぶ………」
うっ……罪悪感が凄い、口元をガードするために上げた手を下ろしそうになってしまったではないか。なんて破壊力を持ったこんぶなんだ…流石、この国の宝……。
で、でも頬っぺたくらいならいいかな、マウストゥーマウスは事案かもだけど…頬っぺたはセーフじゃない?
私がそのアイデアを棘くんに伝えれば、少し考えた後に彼はコクリと一つ頷くと、私の髪を耳へと掛けてからむちゅっと頬にキスをしてくれた。
………普通に恥ずかしいな。
そう思いながら、終わったことにホッとしつつ口元から手を離した、瞬間。
ガシッ
「へ」
両頬が鷲掴まれた感触と、眼前に迫る長い睫毛に縁取られた瞳、それから唇に感じる柔らかい何か。
その柔らかい何かは、私が思考も動きも停止したことを良いことに、チュッチュッと繰り返しくっついては離れ、くっついては離れをする。
もうわからん、なにもわからん。
この後めちゃくちゃ自首した。
乙骨くんに私がやりましたって言った。
自分の腹を切ります、ではこれにて。
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