夏油傑と思い出の子
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そうして月日は光の如く早々と流れていく。
その後の話を簡潔的に話そう。
円城家は無事に両親が離婚手続きを完了し、蚕の親権は父親へと渡った。理由としては、現状母親がほぼ育児放棄に近い状態となっていたためである。
蚕は泣く泣くピアノ教室を辞め、父に付いて行き新しい母と暮らしはじめることとなった。
その後、夏油傑とは連絡一つ取っていない。
取れるような状況ではなかったとも言える。
蚕は新しい母との折り合いが上手く行かず、家には寝るためだけに帰る日々であった。
中学に入学後は吹奏楽部に入り、部活を理由に夜遅くになるまでずっと楽器をいじっていた。
何かあってもはてなが居るため無敵な心地である、本人自体は弱っちいのだが。
ところで、はてなと言えば 夏油と過ごしたあの夏の頃はただユラユラ不定形に揺蕩う人形に近い影であったのだが、いつの間にか肩から世紀末覇者のようなトゲトゲが生えていたし、二本の角的なものも生えている。
蚕はイメチェンかな?と深く考えていないし、「強そうだから良し」とも思っている。
とにかく義務教育が終わるまでは現状に耐えようと蚕は考える。
義務教育が終わったら家を出て、どこか寮のある学校へ行こうと計画を立てていた。
さて、ここからは現状の話へと戻る。
_________
円城蚕、まさかの事態。
今日も今日とて学校でキューティースマイルを活用して生き永らえ、放課後は吹部へと足を運びトロンボーンを響かせる。
いきなり話が逸れるが、トロンボーンを選んだ理由は形一択である。それだけで選んだので、まさかこんなに音がデカい楽器だとは思わなかった。
学校外での練習はもっぱら家からやや離れた場所にある土手である。あそこならパポーーーと気持ち良く音を鳴らせるのだ。
閑話休題
そんなわけだが、だがしかし たまには練習も少しは休みを挟まなければならないと本日月曜日、休み明けであるが土日は練習しっぱなしであったため、トロンボーン不在で帰ることとなった。
しかしまあ、今帰っても新しい母の迷惑になるため帰るわけにはいかない。とりあえずこの三年で慣れたルートである、やたらデカい公園にでも久々に行こうかと考え付き 向かったのが間違いだった。
化け物回転寿司、新鮮なネタ揃えてます。
う~~~ん 入れ食いね。
公園は化け物の入れ食い状態であった、化け物を食べた化け物がさらにまた別の化け物に食われていく。何?なしてこうなった?私の来ない間に何があったと言うのか。一揆でも起きたかな?
流石の私も思わず立ち止まり顔をひきつらせる。
直ぐ様はてなが異常を察知し影から飛び出して私の背後に構える。
嘘や~~ん、帰っていいかな…(帰った方がキツい)というかもう相手さん方にこちらがバレている。
幾つもの、生命では無いギョロギョロとしたグロテスクな瞳がこちらを見る。
それらどれもから、異様な狂気とおぞましい気配をゾワゾワと感じてしまう。
駄目だ。呑まれてはならない、引き下がってはならない、怯えるな、震えるな、立ち止まるな!!自分で自分を鼓舞する、仕方ない…やるか。
はくり 息を一つ。
その後、空気を引き裂くように強く、天に吠えるように叫んだ
「ニエンテ!!!!」
瞬間、私を中心に夜がはじまる。
濁流のような、しかし星の瞬きのような音を引き連れて新世界の夜が美しく目を覚ます。
無限の影が渦を起こし、大きく唸り波を立て、化け物に向かって俊敏に襲いかかる。
闇が迸る(ほとばしる) 鋭利に無尽蔵に形を変え 呪いを切り裂き影は走る、走る、走る。
こちらに手を伸ばしかけた化け物を片っ端から闇が裂き、影が押し潰し、夜が口を開けて呑み込んでいく。
闇の中から見知った相棒の手だけがにょっきり伸び蚕の腕を掴んで、先導するように走り出した。蚕もそれに続き闇の間へ向けて一気に駆け出す。
聞くに堪えない絶叫と言葉にならない悲鳴、怒号と怒声を背景に蚕は神の影と共に道なき道を駆け抜ける。
まるで天から降り注ぐ彗星のような強く激しく早い音が絶え間なく聴こえてくる。鳴り止まない祝福された神の音が隙間無く世界を埋め尽くす。
私の月曜日が終わる音がする。
ここだけが新世界に飲み込まれていく、喜びも悲しみも 君も僕も引き連れて、神の影の内に仕舞われる。
最後の輝く小さな音が弾かれる。
そうすれば立ち止まるのと同時に完ぺきに新世界からの音が鳴りやんだ。
…静かだ、その場にあったエゴの成れの果て達はさっぱり消え失せ、私だけが一人 月曜日に帰って来る。が、駄目だ…もう、限界である。
ポツリと呟いてしまった「疲れた」
どこでも速達!おやすみ3秒 睡魔をお届け!
蚕は「むにゃ…」と口を動かした2秒後には植え込みの近くでヒュノプスに招かれた。
ついでに大活躍したはてなも一緒になってゴロンと横になり、あくび一発眠るように動かなくなる。
蚕、スリープモード突入。
そして、目が覚めると何故か知らない場所に居るのであった。
その後の話を簡潔的に話そう。
円城家は無事に両親が離婚手続きを完了し、蚕の親権は父親へと渡った。理由としては、現状母親がほぼ育児放棄に近い状態となっていたためである。
蚕は泣く泣くピアノ教室を辞め、父に付いて行き新しい母と暮らしはじめることとなった。
その後、夏油傑とは連絡一つ取っていない。
取れるような状況ではなかったとも言える。
蚕は新しい母との折り合いが上手く行かず、家には寝るためだけに帰る日々であった。
中学に入学後は吹奏楽部に入り、部活を理由に夜遅くになるまでずっと楽器をいじっていた。
何かあってもはてなが居るため無敵な心地である、本人自体は弱っちいのだが。
ところで、はてなと言えば 夏油と過ごしたあの夏の頃はただユラユラ不定形に揺蕩う人形に近い影であったのだが、いつの間にか肩から世紀末覇者のようなトゲトゲが生えていたし、二本の角的なものも生えている。
蚕はイメチェンかな?と深く考えていないし、「強そうだから良し」とも思っている。
とにかく義務教育が終わるまでは現状に耐えようと蚕は考える。
義務教育が終わったら家を出て、どこか寮のある学校へ行こうと計画を立てていた。
さて、ここからは現状の話へと戻る。
_________
円城蚕、まさかの事態。
今日も今日とて学校でキューティースマイルを活用して生き永らえ、放課後は吹部へと足を運びトロンボーンを響かせる。
いきなり話が逸れるが、トロンボーンを選んだ理由は形一択である。それだけで選んだので、まさかこんなに音がデカい楽器だとは思わなかった。
学校外での練習はもっぱら家からやや離れた場所にある土手である。あそこならパポーーーと気持ち良く音を鳴らせるのだ。
閑話休題
そんなわけだが、だがしかし たまには練習も少しは休みを挟まなければならないと本日月曜日、休み明けであるが土日は練習しっぱなしであったため、トロンボーン不在で帰ることとなった。
しかしまあ、今帰っても新しい母の迷惑になるため帰るわけにはいかない。とりあえずこの三年で慣れたルートである、やたらデカい公園にでも久々に行こうかと考え付き 向かったのが間違いだった。
化け物回転寿司、新鮮なネタ揃えてます。
う~~~ん 入れ食いね。
公園は化け物の入れ食い状態であった、化け物を食べた化け物がさらにまた別の化け物に食われていく。何?なしてこうなった?私の来ない間に何があったと言うのか。一揆でも起きたかな?
流石の私も思わず立ち止まり顔をひきつらせる。
直ぐ様はてなが異常を察知し影から飛び出して私の背後に構える。
嘘や~~ん、帰っていいかな…(帰った方がキツい)というかもう相手さん方にこちらがバレている。
幾つもの、生命では無いギョロギョロとしたグロテスクな瞳がこちらを見る。
それらどれもから、異様な狂気とおぞましい気配をゾワゾワと感じてしまう。
駄目だ。呑まれてはならない、引き下がってはならない、怯えるな、震えるな、立ち止まるな!!自分で自分を鼓舞する、仕方ない…やるか。
はくり 息を一つ。
その後、空気を引き裂くように強く、天に吠えるように叫んだ
「ニエンテ!!!!」
瞬間、私を中心に夜がはじまる。
濁流のような、しかし星の瞬きのような音を引き連れて新世界の夜が美しく目を覚ます。
無限の影が渦を起こし、大きく唸り波を立て、化け物に向かって俊敏に襲いかかる。
闇が迸る(ほとばしる) 鋭利に無尽蔵に形を変え 呪いを切り裂き影は走る、走る、走る。
こちらに手を伸ばしかけた化け物を片っ端から闇が裂き、影が押し潰し、夜が口を開けて呑み込んでいく。
闇の中から見知った相棒の手だけがにょっきり伸び蚕の腕を掴んで、先導するように走り出した。蚕もそれに続き闇の間へ向けて一気に駆け出す。
聞くに堪えない絶叫と言葉にならない悲鳴、怒号と怒声を背景に蚕は神の影と共に道なき道を駆け抜ける。
まるで天から降り注ぐ彗星のような強く激しく早い音が絶え間なく聴こえてくる。鳴り止まない祝福された神の音が隙間無く世界を埋め尽くす。
私の月曜日が終わる音がする。
ここだけが新世界に飲み込まれていく、喜びも悲しみも 君も僕も引き連れて、神の影の内に仕舞われる。
最後の輝く小さな音が弾かれる。
そうすれば立ち止まるのと同時に完ぺきに新世界からの音が鳴りやんだ。
…静かだ、その場にあったエゴの成れの果て達はさっぱり消え失せ、私だけが一人 月曜日に帰って来る。が、駄目だ…もう、限界である。
ポツリと呟いてしまった「疲れた」
どこでも速達!おやすみ3秒 睡魔をお届け!
蚕は「むにゃ…」と口を動かした2秒後には植え込みの近くでヒュノプスに招かれた。
ついでに大活躍したはてなも一緒になってゴロンと横になり、あくび一発眠るように動かなくなる。
蚕、スリープモード突入。
そして、目が覚めると何故か知らない場所に居るのであった。