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番外編

突然だが、本を書いている!

というのも、私が作り出す物というのはイマイチ芸術性が無いシンプルイズベスト、機能性を追及してしまうばかりなのは研究者の性ってやつか……しかし、そこで諦めないのが天才が天才たる由縁なわけで……ってことで芸術性を高めるため、私は文学に手を出したのだ!絵具も画用紙も粘土もいらない、ペンと紙だけあればどうにでもなる文学作品にこそ真の芸術性が……!

「色々買うの面倒臭かっただけだろ」
「それはそう」

はい、五条くんの言う通りでーす。
絶対すぐ飽きる趣味に一々お金出してたらお財布空っぽになっちゃうよ、だからこうして安上がりなことをしているわけで。
だがしかし、ただの文学では無い!やはり天才であるからには、未知の分野を歩まねばならないのだ、だから私が手を出したのは……

「R18!官能小説!」
「お前今幾つだっけ?」
「17だけど?」
「駄目じゃん」

なんだと!それを言うなら五条くんも夏油くんも駄目じゃん、私知ってるんだからね、君達がアダルトなビデオテープってやつを貸し借りしてるってこと。前に灰原くんが何か持ってるなって話掛けた時に五条くんから借りたって見せてくれたよ。

「ブルマ刑事、悪の組織でお仕置きアクメ編」
「灰原シメる」
「やめたげてよお!」

灰原くんは悪く無いだろ!彼はそう…無邪気なだけなんだ!悪感情が未発達なだけなの!だから眩しい笑顔で「僕の次は七海に貸すのが決まりなんです!先輩も見たかったら七海に言って下さいね!」って……や…流石にあの……ワンダフルイカれガールな私でも七海くんに「AV次貸して」とは言えないかな…。

「でも結構面白かったよブルマ刑事、とくに最後悪の組織がアクメパワーで崩壊して全員死ぬとことか……」
「見てるじゃねえか、え?マジで七海に借りたの?」
「いや、夏油くんに頼んだ」

夏油くん、私の変わりに七海くんからブルマ刑事借りて来てってお願いした時にめちゃめちゃ意味深な笑顔してたな。
ニチャァ…て顔してた、「君もこういう物に興味あったんだね」って言われたっけ。

「それは俺も驚きだわ、お前でもこういうのに興味あんだな」
「無いけど?」
「は?」
「日本のことは好きだけど、ポルノにあそこまで情熱をかける所は理解出来ないなあ…」

何にでも知見を広げることで研究には幅が広がる、知らないことを知ることは面白い、知識が蓄積されていくことは一種の快感にも似ている。
だからブルマ刑事とかいう全く見たことも聞いたことも無い作品を見たけど、まあ内容としてはアホらしくて面白かったよ、だがそれまでだ。
ていうか、皆ああいう子が好きなの?キツめの目付きに無駄の無い肉が程好くついた身体、ちょっと幼い声、へ~~、ふ~~~ん。

「好きっつーか、ちょっとお前に似てるから」
「……私、黒髪黒目じゃないよ?色彩感覚大丈夫?」
「だからちょっとだっつってんだろ、ほら…目付きとか…」

た、確かに!言われてみればそうかも!?私は禪院顔だ、キリッとした目付きである。や、でも……てことは…黒髪黒目、キツい目付き…無駄の無い肉付き……ちょっと傲慢な感じ、お仕置きが似合う……あれ…全ての条件に当て嵌まる子を知ってるぞ…な、直哉くんでは?私より直哉くんの方がブルマ刑事に似ているではないか!?属性一致してんじゃん!

は、はわわ……どうしよ…私の従弟がコイツらのズリネタに出てくる女優に似ている…どうしよ、どうしよー!?直哉くんの貞操が危ないんじゃない!?流石にブルマ&ニーソは可哀想だ、せめて着物のまま…。

「五条くん……あんまり私の可愛い従弟を虐めないであげてね…優しくしてあげて…」
「いきなり何の話だよ」
「確かに直哉くんはクソガキだけど、お仕置きにエッチは可哀想だから…」
「はあ!?」

うう……ごめんね直哉くん…大変心が苦しいけれど、君を守ったら私がピンチになっちゃうから君を差し出すよ…許して、あとでいくらでも私が慰めてあげるから…。

よし、直哉くんの犠牲を無駄にしないためにも私はもっと官能小説についての知識を深めていこう。
ってことだから、面白いアダルトビデオ私にも貸してね、え?硝子ちゃんに叱られる?大丈夫大丈夫、硝子ちゃんと見るから、え?それはそれでヤバい?
大丈夫大丈夫、硝子ちゃんは無理矢理なことはしないから、多分、知らんけど。
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