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名推理と恋愛成就のルール(ハツザマ 現パロ)

「その日は、お昼前から出かけていたから、よくわからないんです。ごめんなさいね。
……え? 出かけた時間?  
 えっと、記憶がはっきりしないんですが、確か11時頃に出かけたと思います。
 お昼の2時頃に帰ってきたんですけど、そうしたらお隣の前にパトカーと人だかりができていて驚きました」



「家は近いですけど、付き合いはあまりありませんね。道ですれ違ったら挨拶くらいはしますが。
……最近、あの家で起きたこと?  
 うーん、僕が知っているのは、先月の中頃に赤ちゃんが生まれたことくらいですかね。 
 でもそれ、事件に何か関係があります?」



「家にずっと居たけど、その日はオレ、ヘッドホンして動画配信を見ていたから、何が起こったのか分からないです。
 確かに、事件のあった家はオレの家の真向かいですけど、ずっと見張っていたわけじゃないですから。
……あ。でもあの家の奥さんが家から出てくるのは見ましたよ。
 確か、12時くらいかな?  
 それはよく覚えています。赤ちゃんの泣き声が聞こえたと思って窓の外を見たら、赤ちゃんを抱えた奥さんの姿が見えたんですよ。
 12時ってちょうどお昼を食べる時間でしょ? そんな時間にでかけるんだーって思ったので。
……え? 母さんにも話を聞きたいんですか?
 でも、母さんはあの日は朝からパートだったから、事件のこと何もわからないと思いますよ? それでもいいなら呼びますけど」



「へえ、あなた探偵なんですか? 雇い主は……え!? あのご主人の方の!?  
……あ、ごめんなさいね。ちょっと意外で。
 雇うのなら、旦那さんの方じゃなくて……いえ、なんでもないです。こちらの話です。
 それより、雇われたのは、事件の解決のためですか? ドラマみたいですね。
……え? それだけじゃない?
……へー、ご主人。職場や自宅で嫌がらせされてたんですか。へぇ……」



「……子供と一緒に買い物に行って、帰ってきたときに主人が倒れていたのを見つけました。
 場所……ですか? それは、主人から依頼を受けたのなら、あなたもご存じでしょう?
……私の口から聞きたい、ですか……疑われているんですね、私。
……いえ、いいです。構いません。
 その日は……日曜日だったんですけど、早めにお昼を取ったから、12時くらいに私と子供とで、近くのスーパーに買い物に行ったんです。
……え? 嘘をつかないでくれ……? 私、嘘なんて……。
 子供が泣いているとき、主人がどういう態度を取ったか? それは……」



「あの人のこと……ですか? 私が言ったことは、先輩には黙っているんですよね?  
……だったら、お話ししますけど、私、あの先輩には、良い印象を抱いていないですよね。
 自分のミスを後輩に押し付けるから。
 この間も、あの先輩の伝達不足のせいなのに、怒られている後輩がいて可哀想でした。
 最近、そういうのが目に余るんで、私を含む何人かで部長に相談しているところなんですよ。
……あの先輩の仕事ぶりですか?
 正直、後輩の私が言うのもあれですが、いまいちですね。
 あの人よりバリバリできる先輩は多いし、それどころか、あの先輩と勤続年数が近い後輩達の中には、あの先輩よりできる人いますし」



「あまり良い噂は聞かないよね、あの人。
 僕は彼の先輩にあたるから被害には遭ってないけど、後輩から嫌われているのは知っているよ。それに、彼、私生活も評判悪いね。
 子供が生まれたばかりなのに飲み歩いたり、奥さんからの電話をシカトしたり。
……一度ね、スーパーで見たことあるんだよ、彼。奥さんとお子さんと一緒だった。
 家族全員で買い物してるのを邪魔するのも悪いと思って、声をかけなかったんだけど、そしたら奥さんに抱っこされたお子さんがぐずり始めたんだ。
 そしたら、奥さんは一生懸命あやしているのに、彼はシカト。
 それどころか、不機嫌そうな口調で早く泣き止ませてよって言っててさ。聞いてるこっちが唖然としたよ。
 あの様子じゃ、家事も育児もやってないんじゃない?」



「あの人も災難でしたね、バットで殴られるなんて。まだ犯人が見つかってないんでしょ?
……オレが、あまり驚いた様子ないって? 
 まあ、そりゃあねぇ。なんか、あなた、随分と勘が良いみたいだし、隠しても無駄だから言うけど、あの人は恨まれても仕方ないと思うよ。
 子供が生まれたばかりなのに浮気するとか、最低でしょ?  
……その事実を知っていた人? うーん、さすがにそこまでは……。
……オレがあの人の浮気を知っていた理由?
 一緒に飲んだとき、あいつが不意にぽろっと漏らしたんですよ。自慢げだったから、よく覚えています」



「私は……その日は、家に居ました。本当です。だから事件のことは……よくわからないんです。
 え? 私を見た人がいる? 誰が?  
 え……いや、その……そういえば、ちょっと買い出しのために、外に出たかもしれないですけど。
 その割に随分遠くに出かけたようですねって……そんなの、あなたには関係ないでしょ?
 いきなり、何なんですか?  
 え? その日に購入した物を教えて欲しいって? そんなこと聞いてどうするんですか?
 答えられない……訳じゃないですけど、あなたはただの探偵でしょ!? 警察じゃないんだから、そこまでする必要ないじゃないですか!
……なら、今からでも警察の知り合いを呼んで聞いて貰う?
 それは……!」



「犯人がわかったんですか!? ありがとうございます! 
 よかった、ほっとしました。いや、さすがだなぁ。警察よりよっぽど有能ですよ。
 あいつら、ベッドで横になっているオレにあれやこれやと聞いてくるくせに、こっちから何を聞いても捜査中ですとか、それは現段階では答えられませんとかしか言わないですし。
 本当、無能ですよ。
 それで、犯人は誰だったんですか? 教えてくださいよ。オレ、依頼主ですよ?  
……え? その前に、恨まれる覚えは本当にないのかって?
 だーかーらー、前も答えたけど、ありませんって。嫌がらせの電話とか、盗撮された写真を送られる筋合いはないんですよ。
……いや、確かに頭を殴られたりはしましたけど、でも逆恨みかもしれないじゃないですか。
 そういう頭のおかしい人、いくらでもいるでしょう?
 ていうか、余計なこと言ってないで犯人を教えてください。まさか、わかってないのにわかったって言ってるんじゃないですよね?
……全部、わかっているって?
 ならいいですけど……え? 『全部』わかっているって……? それ、どういう意味……」


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