小話(ベジザマ)
■オレかよ
掃除をしよう意気込んだ合体ザマスは、朝の速い時間帯から箒を両手に持って自室の床を掃いていた。元々、綺麗好きな性格で掃除が嫌いじゃない上、興が乗ってきたので普段はしないところにも掃除の手を伸ばす。
折角良い天気なので、衣服の虫干しをして棚の中の埃も掃こうと、寝室にある衣装棚の中の服を取り出していた合体ザマスだったが、一番下の引き出しを開いた瞬間、その手が止まった。
「これは?」
落ち着いた青色で彩られた直方体のスチール箱。
いつだったか、ベジットが土産として地球から持ってきた、お菓子の詰め合わせが入っていた箱である。見覚えはあるが、その菓子缶が何故自分の衣装棚に仕舞われているのか覚えていない。
菓子缶を両手に取って振ってみると、どうやら中身が入っているもよう。
あのお菓子は確か、全部食べ尽くしたと思っていたのだが……。
衣装棚の下の段を開ける為に屈んだままだった合体ザマスは、不思議に思いながら菓子缶を持って立ち上がる。そして、近くにある腰までの高さの棚の上に置いて、その蓋を開けた。
「っ!?」
驚愕のあまり絶句した。
中に入っていたのは、所謂――大人のおもちゃだった。
いつかの夜に、ベジットが地球から持ち込み、あろうことか合体ザマスに使った道具である。道具で散々弄ばれた記憶が蘇り、思わず耳まで真っ赤になった。
夜のあれこれが終わった後、あまりの恥ずかしさに『二度と使うな! というか、そんな悪辣な物を聖域に持ち込むな!』と怒鳴り、ベジットに持って帰らせたはずだったのだが――。
「あー、腹減った。かみさま、掃除終わったか? 一緒に飯食おうぜ」
タイミング良く、一人で修行していたベジットが帰ってきた。
「ん? どうしたんだ……って、それ!」
棚の上に置かれている菓子缶を目にして、ベジットは動揺した声をあげる。合体ザマスはぎろっと鋭い目つきでベジットの方を振り向くと、目に角を立てて怒鳴りあげる。
「この色狂いが! このようないかがわしい代物を、この聖域に持ち込むなと言っただろうが!」
「いやだって持って帰るのも面倒くさいし……」
「こんなもの! 塵に変えてくれる!」
「止めろって! 勿体ないし室内で光輪発動するな! 神殿が壊れる!」
暴走しそうになった合体ザマスをなんとか宥め賺したベジットは、渋々大人のおもちゃを処分することを約束した。
「結構、悦んでたくせに」
「何か言ったか?」
小声で不平を零したベジットだったが、耳聡い合体ザマスに殺気まみれの目で睨まれたので笑って誤魔化した。
ベジットは諦めて、棚の上に置かれたままだった菓子缶を閉じようと蓋を手に取る。だがその瞬間、合体ザマスが待ったをかけた。
「これは置いていっていいぞ」
「え?」
合体ザマスが缶の中から手に取ったものは、鎖つきの首輪。この間は使う機会が無かった道具でもある。
ベジットが目を丸くして驚いている中、合体ザマスは手に取った赤い首輪をしげしげと眺めていた。
「ふむ、悪くないな」
「お、お前、そういうのに興味があるのか?」
ベジットの声が、動揺の為やや上擦っている。
普段は威張り散らしているけれど、実は酷くされたいとかか?
裸にした合体ザマスに首輪をつけて、四つん這いにさせている姿を想像して、ベジットは期待に胸を膨らませた。
折角乗り気なのだから、今夜にでも使って……。
ベジットが一人、頭の中でうきうきと今夜の予定を組み立てていると、合体ザマスは無言のまま、その首輪をベジットの首にきゅっと巻き付けたのだった。
掃除をしよう意気込んだ合体ザマスは、朝の速い時間帯から箒を両手に持って自室の床を掃いていた。元々、綺麗好きな性格で掃除が嫌いじゃない上、興が乗ってきたので普段はしないところにも掃除の手を伸ばす。
折角良い天気なので、衣服の虫干しをして棚の中の埃も掃こうと、寝室にある衣装棚の中の服を取り出していた合体ザマスだったが、一番下の引き出しを開いた瞬間、その手が止まった。
「これは?」
落ち着いた青色で彩られた直方体のスチール箱。
いつだったか、ベジットが土産として地球から持ってきた、お菓子の詰め合わせが入っていた箱である。見覚えはあるが、その菓子缶が何故自分の衣装棚に仕舞われているのか覚えていない。
菓子缶を両手に取って振ってみると、どうやら中身が入っているもよう。
あのお菓子は確か、全部食べ尽くしたと思っていたのだが……。
衣装棚の下の段を開ける為に屈んだままだった合体ザマスは、不思議に思いながら菓子缶を持って立ち上がる。そして、近くにある腰までの高さの棚の上に置いて、その蓋を開けた。
「っ!?」
驚愕のあまり絶句した。
中に入っていたのは、所謂――大人のおもちゃだった。
いつかの夜に、ベジットが地球から持ち込み、あろうことか合体ザマスに使った道具である。道具で散々弄ばれた記憶が蘇り、思わず耳まで真っ赤になった。
夜のあれこれが終わった後、あまりの恥ずかしさに『二度と使うな! というか、そんな悪辣な物を聖域に持ち込むな!』と怒鳴り、ベジットに持って帰らせたはずだったのだが――。
「あー、腹減った。かみさま、掃除終わったか? 一緒に飯食おうぜ」
タイミング良く、一人で修行していたベジットが帰ってきた。
「ん? どうしたんだ……って、それ!」
棚の上に置かれている菓子缶を目にして、ベジットは動揺した声をあげる。合体ザマスはぎろっと鋭い目つきでベジットの方を振り向くと、目に角を立てて怒鳴りあげる。
「この色狂いが! このようないかがわしい代物を、この聖域に持ち込むなと言っただろうが!」
「いやだって持って帰るのも面倒くさいし……」
「こんなもの! 塵に変えてくれる!」
「止めろって! 勿体ないし室内で光輪発動するな! 神殿が壊れる!」
暴走しそうになった合体ザマスをなんとか宥め賺したベジットは、渋々大人のおもちゃを処分することを約束した。
「結構、悦んでたくせに」
「何か言ったか?」
小声で不平を零したベジットだったが、耳聡い合体ザマスに殺気まみれの目で睨まれたので笑って誤魔化した。
ベジットは諦めて、棚の上に置かれたままだった菓子缶を閉じようと蓋を手に取る。だがその瞬間、合体ザマスが待ったをかけた。
「これは置いていっていいぞ」
「え?」
合体ザマスが缶の中から手に取ったものは、鎖つきの首輪。この間は使う機会が無かった道具でもある。
ベジットが目を丸くして驚いている中、合体ザマスは手に取った赤い首輪をしげしげと眺めていた。
「ふむ、悪くないな」
「お、お前、そういうのに興味があるのか?」
ベジットの声が、動揺の為やや上擦っている。
普段は威張り散らしているけれど、実は酷くされたいとかか?
裸にした合体ザマスに首輪をつけて、四つん這いにさせている姿を想像して、ベジットは期待に胸を膨らませた。
折角乗り気なのだから、今夜にでも使って……。
ベジットが一人、頭の中でうきうきと今夜の予定を組み立てていると、合体ザマスは無言のまま、その首輪をベジットの首にきゅっと巻き付けたのだった。
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