本当の君と僕
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「ヤマトって何となくだけど、彼女のこと束縛しそうなイメージ」
「は?何だい、藪から棒に」
「あー……なんかわかるかも」
「何言ってんですか、先輩まで」
「ね、ね?わかるよね?自分がしっかりしてる分、彼女の事まで全部把握してないと嫌、みたいな」
「うんうん、前の日には次の日の予定を必ずチェックしたりしてさ……下手したらタイムスケジュールまで頭に入れちゃってるね、あー今頃アイツは何してるかな、あ、お風呂か、デヘへへヘってね」
「いやいや、そんな事ないからね?あーもう、先輩も余計な事言わないでくださいよ」
「うわー、何かちょっと目に浮かぶ、毎晩彼女に明日の予定を聞くヤマト」
「んー、俺も浮かんできた、彼女に帰宅時間しつこく何度も確認するテンゾー…」
「今はヤマトです、って、そうじゃなくて!」
「まるでお父さんだね」
「うん、そうね、親父だわ」
「何でそうなるんですか……」
「頼りになりそうじゃない?」
「確かにね?本当の親父ならいいよ?けどさ、違う訳じゃない?そんな彼氏って、どんだけ嫉妬深いんだよって話でしょ」
「……」
「確かに」
「自分以外は見ないで欲しいとか本気で思ってるヤツだからね、もうね、周りは生きた心地しないのよね」
「ええ、嘘だぁ」
「ホントホント、例えばさ、自分の前で他の男を褒められたりなんかしたら、そりゃあもう大変」
「ほうほう、参考になります、メモメモ。で、具体的にはどんな風に?」
「あの!」
「いやぁーそんなの俺の口からは語れないよー、詳しくは想像にお任せするって事で」
「えーなんだ、これからがいいトコなのに、残念」
「でさ、今度は俺のも聞かせてちょーだいよ」
「ああ、カカシが彼氏だったらって話?」
「そうそう」
「あの!この話題いつまでやるんですか?」
「カカシはね、ヤマトとは反対だね。束縛なーし、おーる自由」
「な!」
「ほう」
「恋人同士だからってベタベタしないの、お互い大人なんだし、仕事も趣味も干渉しない、何でもお好きにどうぞって感じ」
「へぇ?なかなかいいんじゃあないの?大人の余裕?」
「ええ?放置じゃないですか」
「うーん、黙って見守ってくれる感じかな?」
「え、え?そんな感じなの俺。やだなぁ、照れるじゃないの」
「いや、褒めてはないですよ」
「カカシって、甘やかすのはホント上手そうだからなー」
「た確かに」
「いやぁー照れますなぁ」
「でもみんなにそんな感じだからね、彼女になったらちょっとしんどいかも」
「へぇー、そーいうもん?」
「あと、一人でふらっとどっか行っちゃう感じだし」
「ギクッ」
「(すっごくわかる)」
「みんなに等しく優しいのも秘密主義もカッコいいけど、本当に好きな子の前では程々にね」
「……いやぁ、参ったね、まさかお前に心配されちゃうとは」
「いやぁ、私もこんな〆になるとはびっくり」
「ま、今のはそっくりそのままお前に返すとしようか」
「…………」
「…………」
「…………」
「おい、テンゾウ」
「えっ、あ、はい」
「顔が怖い」
「うわ、ホント怖い」
「えっ、いや、そんなつもりは」
「あ、もうこんな時間、俺これから会議だからそろそろ行くわ」
「はーい、またね。行ってらっしゃい」
「お、お疲れさまでした」
「…………」
「…………」
「何か怒ってる?」
「いや」
「じゃあ、聞いてもいい?」
「な何?」
「私って彼女だったらどんな感じだと思う?」
「え、ん、んー……どんなかな」
「何でもいいよ?」
「………………まあ、僕とは全然違うタイプだろうなとは思うよ」
「例えば?」
「例えば……ベタベタしないし我儘言ったりしそうにない」
「ふうん、あとは?」
「んー、自分の時間を大事にしそう」
「あとは?」
「そうだな、恋人を特別扱いしたりはしない、とか。サバサバしててカッコいい感じ」
「…………」
「…………」
「何か。さっきのカカシのイメージみたい」
「気のせいじゃない?」
「……ヤマトも嫌味なんて言うんだね」
「……今のを嫌味だってわかる位には僕の事わかってくれてるのかな」
「ねぇ、ヤ…」
「さっきのさ、割と当たってたかも」
「え?……ヤマトが彼氏だったらって話?」
「そう。カカシ先輩が言ってた通りかもね」
「……なんだっけ?」
「嫉妬深いってやつ。自分の前で他の男と凄く仲良さげなトコ見せ付けられて。彼氏でもないのにイライラしてさ、……男の嫉妬なんてホントみっともないよな」
「それってカカシと私の事?」
「……それしかないでしょ」
「私、カカシの事褒めたりなんかしてないよ?」
「したよ」
「してない」
「した」
「してないよ」
「もし、そんなつもりじゃなかったとしても」
「嫌だった?」
「って、あ〜〜〜もう、何言ってんだ僕は……」
「意外……ヤマトってもっと人を良く観てるんだと思ってた」
「……う、」
「だって私、全然サバサバなんてしてないよ?好きな人にはすっごく欲深いと思う。ちゃんと特別扱いしてくれないとやだし」
「……それ、ちゃんと先輩に伝わってるといいけど」
「……あーもう、だからね?そうじゃなくて、私はヤマトに言ってるんだけど」
「え?いや、僕に言われても……って、何でいきなり怒るの?」
「怒ってなんかない」
「いや、怒ってるよ。僕、何かした?」
「だからね、違うの」
「じゃあ何?何か困り事?」
「だから!違うんだってば!……ただ、こんな私でもいいですかって言ってるの……!」
「え」
「私、ヤマトの思ってたみたいなサバサバしたカッコいい人間じゃないから。……ヤマトはそういう子が好きなんでしょう?」
「……」
「……」
「……っんでそうなるの」
「だって、さっき」
「〜〜〜〜〜〜〜だってじゃないよ、もう。だってもクソもあるか、もう、もう、もう!」
「えっ、な、なに?」
「もう、さっきのなんかどうでもいいんだよ!本当のツグミがどんなとか言われたって、僕はもうツグミの事が好きなんだからっ……」
「……え」
「……あ」
「……え、ええと」
「〜〜〜〜〜〜〜〜……ごめん、こんな言い方して。でも、本当にツグミの事が好きで他の人なんて正直目に入んないし、例え僕の事見てくれなくたっていいって思ってたけど、でももしツグミが僕をって……そんな事あるんならもう絶対離したくないし、どっどっどんな事しても絶対彼女にしたいって思って……」
「うん」
「ツグミこそ、僕でいいの?」
「ヤマトがいいの」
「僕は多分、君が思うよりずっと嫉妬深いよ?自分でもどうしようもないくらいだし」
「うん」
「いいの?」
「ヤマトなら嫌じゃないよ」
「……僕も。君になら幾らでも嫉妬されたい」
「……それ、どれだけ私を悩ますつもり?」
「あ。そっか、そうなるね」
「たまにだけにしてよね」
「うーん、どうだろう。やっぱりそれは難しいかも」
「何で?」
「この僕が余所見なんかする訳ないでしょ」
「……わかってないなぁ。まあ、いいけど」
「え、何が」
「ううん、いいです。ヤマトの気持ちはよーくわかったから」
「う、うん。えへへ」
「ふふ」
「え、今度は何?」
「こんなに表情がコロコロ変わるなんて知らなかった」
「な、えっ、嘘、変わってる?」
「うん、かわいい」
「は!?ちょっ、こっち見ないで」
「えー?どうして、もっと見てたいのに」
「もう」
「ヤマトもこっち、ちゃんと見て」
「う、うん……」
「ねぇ、こっち」
「あっあの、そっそっそういうのはね、僕が君にしたかったやつなんだけど」
「……へぇ、そっか。じゃあ、どうぞ」
「へっ」
「はい」
「……あ、うん……じゃあ、失礼して。……コホン」
「うん」
「って、何してんのコレ」
「一時停止中」
「いや、何か違うよね?」
「じゃあ目瞑ろっか?」
「いや、そういう事では」
「じゃあ目開けとく?」
「…………ぜ、前者で」
「はい」
「(ばっくばっくばっくばっくばくばくばくばくーーーー:心臓の音)」
(ちゅ)
「あああ、も〜〜…ダメだ…」
「初心なヤマトもかわいい」
「だぁ、もう煩いな……て言うか、公衆の面前で何やらせるの、全く……」
「誰も居ないから大丈夫」
「はぁ、ホントにヤバいな……この先が思いやられる」
「後悔してる?」
「……」
「……?」
「んな訳ないでしょ、見境がなくなりそうでヤバいって言ってるの」
「……」
「なに目ぇ逸らしてんの」
「べ別に」
「あのねぇ、さっきから可愛いとか初心とか言ってるけどさ……本気の僕は君が思ってる以上に貪欲だからね?」
「ほ、ほんき?」
「束縛だってする。さっきはしないって言ったけど、きっとする。……君がそうさせるんだ」
「え、そうなの?」
「そ、君こそ後で後悔しても知らないからね」
「し、しないもん」
「そーやってなめてると」
「……と?」
「……」
「……な、なに?」
「ま、これからじっくり見せてあげるから。くれぐれもお楽しみにって事で」
「えっ、お楽しみに?」
「うん」
「くれぐれも?って、何か変じゃない?」
「そう?気のせいじゃない」
「そうかなぁ(くれぐれも、に未だかつて無い違和感を感じる)」
「そうだよ(これはこれで可愛がり甲斐がありそうだなぁ)」
☆
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