とっくの昔に好きだった
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「その角を右に曲がったすぐそこのアパートだよ」
もうすぐそこだと告げるとシノ君が急に声のトーンを下げて尋ねた。
「家に誰か来たことはあるのか」
脈絡がなくて面食らった。シノ君の声に緊張感がある気がして戸惑って、返事がすぐに出なかった。
「家に誰か来たことはあるのかと聞いてる」
「えっ?ああ.....あまり呼ばないけど友達はたまに...」
「女か」
「うん.........まあ」
「........まあ、とはどういう意味だ」
「ついこの前キバ君が来たなと思って...」
「.......は?キバ、だと?」
「あの、来たって行っても玄関までだよ」
「今日のようにキバと会って家まで送らせたのか」
「えっ、ち違うよ?」
「じゃあどういう訳でキバがナタネの家に来る必要があった」
「この前の任務で私チャクラ使い過ぎちゃってヘトヘトで...それで仕方なく」
「何もキバでなくても良かっただろう」
「え...だってその時に体力的にも時間的にもキバ君が一番余裕ありそうだったし、せっかく申し出てくれたから断る理由もなくて」
「よく考えろ、男だぞ、キバだぞ?アイツは犬所じゃない飢えた狼みたいなものだ、弱った状態で家まで送らせるなんて何かあったらどうするつもりだ」
「何かって...何?さっきからキバ君にすっごく失礼!それに、そういう考え方は私にも失礼だと思う!」
「そんな事はない、俺はただナタネに女としての自覚が足りないと言っているだけだ」
「.......そんな事言ったらシノ君だって男じゃない、自分から送るって言ったくせに」
「.....俺は違う」
「違わないよ」
「俺は違う。俺はお前が嫌がるような事はしない。なぜならナタネは俺にとって特別な女だ。.......だからこそ、例え誰であろうとナタネに気安く近付く男がいれば心配するし.....腹も立つ」
「.......」
「こういう感情は迷惑か」
そう呟いたシノ君の声がすぐそばで響いた気がしてふと我に返ると、目の前にシノ君の服、近い.....
「嫌なら振りほどいていい」
そっと捕まれた掌。見上げれば首から顎まですっかり覆われた先のシノ君の顔。見つめられる訳もなくて、俯き呟く。
「.....嫌ならとっくに逃げてるよ」
私から伸ばした指がシノ君の空いたもう片方の手を捕まえる。
「誰かに見られたら困るんじゃないの?シノ先生」
「見られて困るような事はしていないつもりだ」
「.....聞かれたらなんて答えるの?」
「この程度、お遊戯みたいなもんだろう」
「.....ふぅーん」
「冗談だ。本当はめちゃくちゃ我慢している」
「は?何の話?」
「思ったより緊張はしなかった.....が、興奮と高揚が半端ない」
「何言って...」
「大丈夫だ、こんな所じゃ何も出来ない、度胸があればとっくにしてる」
「もう!とっくにって何それ...」
「嘘じゃない、こんなのもうずっと前からだ。なぜなら俺は、とっくの昔にナタネを好きだった。今に始まった事じゃない」
もうまた息が止まるかと思った。
何このタイミング。全然わかんないよ。
もう少し心構えくらいさせてよ.....
私の〝好き〟だって
そんなに簡単じゃないんだよ.....
「私も...私だって、ずうっと好きでしたから...」
繋いだ手にきゅっと力を込めて振る、ささやかな抵抗と照れ隠し。
「.........」
「.........」
ぶん
えっ?
ぶんぶん
照れ隠しが伝染したようにシノ君まで繋いだ手を上下に振る。恥ずかしくて嬉しくて昂る気持ちを誤魔化す大人二人...
「〜〜〜〜〜限界だ、帰る」
「あっ」
何かに耐え切れなくなったシノ君が急にパッと手を離すと、熱が冷めてシノ君が放ったぶっきらぼうな低い声が現実に引き戻す。何やってんのいい歳して!本当にお遊戯してどうするの.....
「外じゃ何も出来ない、次会う時はお前の家か俺の部屋だ」
頭の中で繰り返して理解する、瞬間で身体中の血が沸き立って熱い。シノ君、今のどういう.....?
「どうした?変な顔して」
「だってシノ君が変な事言うから」
「何がだ?ナタネと会うならこれを外す方がいいかと思って家がいいと言ったんだが.....」
「あっああ、そうだね、私も久しぶりに素顔が見てみたいな」
そう言えばそうだ。シノ君の素顔、それは何にも替え難いかなりの楽しみ.....私こそ興奮と高揚が止まらないかも.....
「これがあったら出来ない事の方が多そうだからな...」
「ん?」
「いや、一応教師なんでな、人目も考慮したい」
「うん、そうだね」
「.......まあ、そういう事だ」
そう言って目を逸らしたシノ君の声がやけに嬉しそうだから、私もつられてにやけてしまう。
帰ったら死ぬ気で部屋を掃除すると言って、早々に立ち去るシノ君を見送る。シノ君だって本当は無邪気だったりして。
そんなに張り切られると私も何だか落ち着かなくて、死ぬ気で季節外れの大掃除でもしようかななんて思いながら、アパートの階段をかけ登って行く。
.......そう言えば、あれってキスする時邪魔そうだなぁ.....なんて思ってしまった事はシノ君には秘密で。今度会う時はあれの正式名称を聞いてみよう、そう固く心に誓った。
終
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シノは何かを間違えながらも
一途に攻めて愛してくれそうです。
BORUTOにてシノ先生が身に付けてる
近未来的アレって何でしょうね、ほんと。
しかもちょんまげて.....
よく受け取って歴史的偉人風?わからん。
私は16歳頃のフード被ってるスタイルが
可愛くて好きです。
シノは可愛い本当は!!
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