短編
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海賊になってからもう半年。
身寄りのない私を仲間にしてくれたキッドのお頭。
恩人でもあり憧れでもある。
少しでもあの人の役に立ちたい!
目指すはキラーさんの位置。
そう、相棒!!
はいっと元気よく手を上げてワイヤーさんに訪ねる。
「いつになったら私も戦闘に参加できますか?」
「そりゃあお頭が良いって言ったらだな」
膨らむ頬。
「お頭も色々考えてるんだって。
気長に待とうな」
「むう......あ、キラーさーん!!
今度戦闘になったら私も戦っていいですか?」
「キッド次第だな」
「それ、さっき聞きました......」
「そうか。だがこればっかりはな」
「どうして~。
わたし、みなさんに鍛えてもらって強くなりましたよ~!」
架空の相手に向かってシュシュッとレイピアを突きだす。
「リオーお頭が呼んでるぜ」
そのままキラーさんと組手していると、ヒートさんが間にはいった。
汗だくの私。
息が一切乱れていないキラーさん。
相棒への道はまだまだ遠そうだ......。
急いでお頭のもとへ走る。
呼び出されることなんて今までなかったので、ちょっと不安。
何かしてしまったかな!?
答えは出ないまま部屋の前に着いた。
「お頭、リオです!お呼びですか」
「おう、入れよ」
「お邪魔します!
キラーさん以外を呼び出しなんて、珍しいですよね」
「ちょっとな。
座って手ぇだせ」
深紅のマニキュアを塗られる。
艶々になった自分の爪にテンションが上がる。
「きれいです......!」
「髪も上げるか」
下の方でひとつ括りにしていた髪を解かれてポニーテールにされる。
突然のおめかしに動揺する。
お、お頭に!男の人に!
髪の毛を弄られているぅう!?
なんか恥ずかしい!
やめてお頭!!
さっきまで汗だくだったんです~!!
「動くなよやりずれぇ」
わざと後れ毛を出すたびにくすぐったさを感じる。
火照った頬を、マニキュアを乾かすふりをして扇ぐ。
ヘアメイクが終わったのを見計らったように、外が騒がしくなる。
「お頭、後方から海軍が」
「今行く。......ちょうどいいな」
包みを渡される。
包装紙を剥がせば服が出てきた。
「これは......?」
「お前の戦闘服だ。
そろそろ雑用以外の仕事もしてぇだろ。
暴れようぜリオ!」
本当ですか。
夢じゃないですか。
このスタッズが沢山ついててパンクな感じの服は。
まさか私が着るんですか。
もしやお頭が選んだんですか!?
そんなの、そんなの......。
「嬉しいですっ!!
あの、わたし、頑張ります!!」
─────────
無事、海軍の船を沈めた。
興奮冷めやらぬうちに、レイピアの剣先を高らかと掲げ宣言する。
「お頭の右足に、私はなる!」
(なんで右足なんだよ。普通右腕だろ)
(右腕はキラーさんなので!)
(右ばっかでバランス悪ぃ。左にしとけ)
(!!......左腕ですか!?)
(随分都合のいい耳してやがる)