短編
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なんとなくそんな雰囲気になったので二人して布団に潜り込んだはいいものの、お互いあまり経験がないので悪戦苦闘していた。
裸になって重なる。
とりあえず好き勝手触るキッド。
無遠慮に触られて痛いリオ。
「っもう!いったい!
痛いってばへたくそ!!」
「下手くそだぁ!?
だからどうして欲しいか言えっていってんだろうが!」
「ぅ......だから、それは......」
「言えねぇんだろ?
じゃあ我慢して受け入れろや」
「ふぇっ......ばーか!
下手くそ!すかぽんたん!
うわーんキラー!!」
薄手のシーツをひっつかんで体にぐるぐる巻きにしてキラーの寝室へ走る。
「おい馬鹿!
キラーに泣きつくんじゃねぇ!
汚ねぇぞ!」
寝ていたところを裸の男女に突撃されても動じることなく欠伸を1つこぼす。
「お前ら裸で突撃してくるな。
服を着ろ......」
──────────
服を着るため部屋に戻り、着いてきたキラーの前で布団に正座する二人。
「キッドが下手くそなの!」
「リオがどうして欲しいのか言わねぇからだ!」
「恥ずかしくて言えるわけないでしょ!?
察してよ!」
「無茶言うなアホ!」
「何ですって!?」
「何だよ!!」
なんで交わろうと思った相手にこんな喧嘩腰なんだ。
巻き込まれるこっちとしてはたまったもんじゃない。
俺の安眠のために何とかせねば!
「喧嘩するな!
リオ!恥ずかしくてもちゃんとどうして欲しいか言え!
お前の体を守るためでもあるんだぞ!
キッド!相手のことをもっと気遣え!
トラウマになったら可哀想だろうが!」
「そんなぁ......」
「何で俺がそんなこと気にしなきゃなんねぇんだよ」
重いため息をつきながら布団から離れる。
リオを手招き。
これは一人ずつアドバイスしなくてはいけないな。
「キラー......ホントに言わなきゃいけないの?」
「そうだな。
恥ずかしいと思うが、男は恥ずかしがる姿に興奮することもあるんだ。
普段は余裕ぶっこいて強気な俺様キッドが、お前の言葉で余裕をなくす様を見たくはないか?」
『リオ......ぁあクソッ!
はぁっ、......はっ......!』
「い、いいかもしれない......」
うんうんと頷くキラー。
赤くなったリオと入れ替わりでキッドを呼ぶ。
「俺もかよ。
考えたがよ、抱く度に気にしてたらめんどくさくねぇか?」
「はぁ~......本当に好きなんだよな?
そんなんじゃ濡れるもんも濡れなくなるぞ。
想像してみろキッド!
いつも素直じゃないリオがお前の手で理性をなくして、それはもうドエロくなるのを」
『ああんきっどぉ!
気持ちいいのっ、もっとしてぇ......!』
「......悪くねぇな......」
「そうだろう。
初めは照れてなかなか焦れったいだろうが、そこで待てる男は格好いいんだぞ。
リクエストに慣れてくると楽しくなってくるはずだ。
お互いにな」
アドバイスは終わった。
このあとどうするかはこいつら次第だな。
布団に戻りなにやら無言で見つめ合う二人。
突然ガッとお互いの右腕をクロスでぶつけ合った。
え?プロレスでも始まるの?
「............やるわよキッド!」
「ああ!忘れねぇうちにな!」
「だからキラーは帰って!」
「どうせなら見てもらおうぜ」
おいおいとんでもないこと言うな。
勘弁してくれ。
「絶対に嫌!!」
そらそうだろう。
「......いや、寝るから。
ごゆっくり?」
これ以上面倒にならないうちに部屋にもどる。
「ありがとうキラー!」
「流石俺の相棒だぜキラー!」
(......というかなんで二人ともあんな開けっ広げなんだ)
─────────
次の日からキラーはエロ武人と呼ばれることになる。
「エロ武人ってなんだ?」
「頭とお嬢がそう呼んでましたよ」
「......もう呼ばないでくれ......(俺の扱いおかしくないか?)」
善意でアドバイスしたのにこの仕打ちは酷いと思う。
そこへ元凶の二人が現れる。
「あ、エロ武人発見!」
「よっ!エロ武人!!」
「「エロ武人!エロ武人!!」」
「やめろ!!!!」
キッド海賊団は今日も賑やかです。