もしも夫婦だったら
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食器洗い中。
ローさんは人をダメにするクッションに埋もれながらスマホをいじってる。
「今日めちゃくちゃ美人な患者がきた」
「ほーん」
SNSチェックが終わったのか、立ち上がりこちらへ歩いてくる。
「え?それで?」
「なんだ嫉妬しないのか」
注いだお茶に口をつけながら、意外という顔をした。
まぁね、私だって結婚する前だったらちょっとジェラってたかも知れませんけどね。
「だって結婚したのは私だし」
流水で食器をすすぐ音だけがしばらく響いた。
「つまんねぇ」
「つまんないって...逆に、そんなに美人さんだったなら私も見てみたいなぁ...
美しいもの見て目の保養したい。したい...!」
「お前...俺というものがありながら......。
堂々と浮気したい宣言か!」
カチャカチャとお皿を重ねる。
「何言ってるのー。
感覚的には美術品とか芸術品とかと同じだよ?
土俵が違うわぁ」
食器を拭き、棚に戻す。
言い合いしながらも片付けるのを手伝ってくれるローさんはいい旦那さんだ。
「それでもだ!」
漫画でも読もうとキッチンを後にすると、ローさんがついてくる。
くいっと袖を引かれたのでふりかえった。
「言っとくが......俺は、するぞ」
ずいっと顔が近づく。
「嫉妬?」
「そうだ。俺以外見んじゃねぇ」
「そんな無茶「俺と」」
「結婚したんだろうが」
言うこと聞けなんて耳元で言うから、おとなしく従ってしまう。
「はい...」
熱くなった顔を手で挟めば、ローさんの格好いい満足そうな顔が指の隙間からみえた。
「ローさんしか見えない」
「いいことじゃねぇか」