もしも夫婦だったら
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久しぶりに友達の友美と居酒屋で飲んでる。
冷奴美味しいです。
ほろ酔いになった頃。
友美は結婚生活のよくある愚痴をこぼし始めた。
「なんかさー、結婚生活も5年過ぎるといよいよ刺激がなくなるっていうかさー......。
あ、リオのとこはそんなことないの?
ラブラブ??」
「うん。そこそこ」
「はぁー!いいなぁー!
そこそことか言ってみたいわぁー!
もー付き合ってるときにはさー『好き』も『愛してる』も腐るほど言ってたのにさー。
今では全然よ!」
「え?そういうものじゃないの?」
「え、嫌なんだけど。
最低限好きって言ったら、好きって返して欲しいわよ」
「そうなの......?
私全然好きって言ってないよ......?」
「ひえぇ......旦那さんも言ってこないの?」
「ううん。
彼はちゃんと好きって言ってくれるけど」
「だめよ!
ちゃんと好きのお返ししなきゃ!
しまいに愛想つかされて浮気されるわよ!!」
「えー?大袈裟だよー」
「大袈裟じゃないの!
その調子だと触れ合いとかもないんでしょう!?」
「ふれあい......?は結構してる、よ?」
「あらそう。
それはいいじゃない!」
「彼、恥ずかしがり屋さんだから......私からしないと何も起きないの」
「......なんか男女逆ね。
面白いわ。
うん。いいと思う」
「可愛いのよ。
隙ありってキスすると顔真っ赤にしてね!」
「はぁ......もうお腹一杯!
ごちそうさま!
お会計!おかいけーい!!
旦那さんの好きな食べ物は?」
「チキンライス!」
「ちっがーう!
こういうときはお土産で買えるもの聞いてるのよ!」
「......チーズ」
「オッケー。
買って帰りましょう。
そこの成○石井で」
───────────
「ただいまドレークさん」
「おかえり。
楽しめたか?」
「うん。おかげさまで!
これ、お土産のチーズです」
「おお、ありがとう。
つまみが欲しかったところだ」
友美ありがとう。
やっぱり先輩のアドバイスは聞くものだね。
じゃあ......やっぱり好きのお返しもしなきゃ駄目かな。
酔った勢いで言ってしまえれば良かったが、緊張と羞恥のせいでどんどん酔いがさめていく。
チーズを小さく切り終えたドレークさんが居間へ戻ってくる。
テレビを観ている彼の斜め後ろに、半身で近づく。
座って服の裾をくいっと引っ張る。
「あ、あのですね......ちょっと聞いて欲しいことが、ありまして」
「ど、どうした?」
ドレークさんは少し慌てて、テレビの電源を消した。
正座で向かい合う。
「あの............いつも好きって言ってくれて、ありがとう......ございます。
その......私も......す、すき、です......」
「いつもお仕事のこと、楽しそうに話してるのとか......。
育児放棄された動物の赤ちゃんうちに連れて帰ってきて、寝ずにお世話してるのとか......。
本当に......、すごく尊敬してます。
ドレークさんが私の旦那さんで良かったなって、思う......です」
一呼吸置いて、さぁ言うんだ!
頑張れ私!!
「だい、すき......ですっ!」
恥ずかしい恥ずかしいっ!!
わっと背中を丸める。
これでは土下座だ。
ひょいと持ち上げられて膝の上に座らされる。
「突然どうしたのかと思ったが......。
嬉しい。
俺の方こそ、いつも助けられている。
リオが俺の妻で良かった......。
大好きだ。
愛してる」
なるほど、効果は絶大だ。
抱っこされちゃった。
これからはもっと伝えることにしよう。
「私も......あ、あい......し、てる......」
口から出たひょろひょろの愛の言葉は、ちゃんと届いただろうか。
珍しく彼の方からしてきた口づけが、きっと答えなんだろう。
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