すごいよ!バジルさん!
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左頬に紅葉を作った船長が部屋の角で正座している。
私は鳥肌のたった二の腕を摩りながら距離をとる。
「いいですか。
私はただの船員で、貴方はこの船の船長です。
そうですね!」
「そうだ」
「じゃあさっきのあれは何ですか!」
「あれ...とはなんだ」
「は!?あ、れは...その、あれですよ...。
船長が...その...私の...首」
「ティナの首筋に唇を寄せてはみはみしたことか?
それとも甘い香りがどこからするのか不思議で一心不乱にティナの臭いを嗅いだことか?
すべすべの腹を手のひらと甲で楽しんだことか?
これら全ての刺激に震えるティナに堪らなくなって下半身に手を伸ばしたことか?」
「全部だよー!もうやだーー!!」
バンッと扉を開けて看板へ飛び出す。
「あのときの私のバカヤローー!!」
船の柵に手をかけ身を乗り出す。
ただ事ではない様子に焦って出てきた猫に引き留められる。
「やめるにゃティナ!早まるにゃ!」
「離してファウスト!
ホーキンス船長がこんなに変態だなんて聞いてない!!」
ファウストに諭されて身投げを思いとどまる。
私の“船長は変態”発言に驚いたファウストに説明を求められたので、詳細は省いて事の経緯を話した。
「それは驚いたにゃ」
「な、なんで...グスッ...あんなに綺麗なお顔なのに...ズッ...あんな変態で...肉食系...ヒック...ふぇぇ」
「確かに過激だけどにゃ。
船長なりの愛情表現にゃあ?」
「愛とかいらないのよぅ...。
私はあの綺麗なお顔を拝めればそれだけで充分なのに...」
そこへ渦中の人がにゅっと現れる。
「ティナ、さっきは驚かせてすまなかった」
ナチュラルに抱き締められる。
いや、ファウストも見張りの船員もいるんですけど?
「悪いと思ってるなら離れてください離してください挨拶する気軽さで抱擁しないでくださいお願いします」
「照れているのか」
「駄目だ全然人の話聞いてない!」
ジャンプして船長の顎に頭突きをかますと思っていたよりも容易く拘束は解かれた。
距離をとったことで呼吸と鳥肌が落ち着いたのはいいが、綺麗な顔を傷つけてしまったという罪悪感がすごい。
何故だ...私は被害者のはず...。
不服だ!!