三十にして立つ
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何も言わずに入ろうかと思ったが、一応ドアを叩く。
......泣いてるかもしんねぇからな。
「キラー、入るぞ」
「キッド......リーベラ!」
ベッドの上で膝を抱えたまま返事したようだが、女を見たとたん弾かれたようにベッドから降りた。
俺は何も力使ってねぇぞ。
あたかもえ?今ヨガやってたんですけど?みたいなポーズとるのやめろ。
「......会いたがってた女だ。
俺はお前が誰とどんな関係になろうが知ったこっちゃねぇが......俺の夢の邪魔になるなら置いてくぜ」
そういって部屋の外にでる。
小窓から中を覗くが、二人が話をする気配はない。
さすがにヨガのポーズはやめたみたいだが、気まずそうに黙りこくっている。
「二人ともびくともしやせんね」
「キラーさん立ったまま気絶してるんじゃないですか?」
ヒートとワイヤーと一緒に扉の前で見守っていたが進展のなさに苛つきが増す。
女がいないところではべらべら妖精だのスイートだのほざいていたくせに。
このままでは埒が明かないので、1度女を呼び出す。
「何のためにここまで連れてきたと思ってんだよ。
とりあえずあれだ。
一発やれ」
「一発?何をですか??」
首をかしげてカマトトぶってやがる。
それかボケなのか。
「とぼけんなよ。
処女でもあるまいし、減るもんでもねぇだろうが。
一発やりゃああいつも落ち着くだろ」
「処女......?
............っ!!」
身体中の血液全部顔にいってんじゃねぇのかってぐらい赤くなった。
ようやく理解できたのか。
「こ、恋人でもない人とそんな......い、一発とか!
え?一発ってあれよね!?
え、エッ「セックスっすね」イヤーー!!
できるわけないでしょ!!
大体!皆さん部屋の外から見てるわよね!?
いやいやむりむりむりむりいくら脅されてもできないわ!
ていうかしたことないもの!!」
「......まじかよ。
お前幾つだよ」
胸の前で指で控えめに三と丸をつくる。
「年増じゃブッ!」
ねぇかと続けようとした瞬間、目の前に拳が見えた。
と思ったら通路の壁に背中を叩きつけられていた。
「「お頭ー!!??」」
「キッド!?」
「はっ!?
私ったら何てことを!!
ごめんなさいごめんなさい!」
こんのくそ女!
見た目で油断した!
めちゃくちゃ早ぇじゃねぇか!!
「くそっ!とにかく!!
話が終わるまで絶対に出てくるなよ!
お前らがくっつこうがなかろうが知ったこっちゃねぇがな!
あいつが腑抜けになるような真似だけはするなよ!!」
ムカつくぜ!
キラーが気にしてなかったらすぐに殺してやるのによぉ。
......キラーもキラーだぜ!
俺が殴られたのに呆然とみてやがって!
部屋の前にワイヤーだけ残して、後にする。
不意に鼻を触ったら鼻血が指についた。
なんでこんな目に合ってるんだ......。
俺はよかれと思ってアドバイスしてやったのに。
「ぜってぇ一週間トマトソースの刑にしてやる」