あの日の横顔
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あの日、確かに恋をした…
「朱莉ちゃん、おはよ」
「あ、おはよ。なんかやけに疲れてるじゃん。どうしたの?」
「いやぁ、今日はさ朝練遅れずに行ったら監督張り切っちゃって…」
苦笑いを浮かべる仙道。
朝練だというのに田岡先生は放課後の練習並に張り切っていたらしい。
田岡先生、相当嬉しかったんだろうなぁ。
なんだかちょっと可哀想に思えてきた。
そんなことを思いながら授業の準備をしていると仙道から声をかけられた。
「ねぇねぇ、今日の一限目ってなんだっけ?」
「数学だよ。」
「数学かぁ。あの先生寝たら怒るもんなぁ。」
とか言いつつ授業中は寝てしまうんだろう。
なんとも彼らしい。
一限どころか午前の授業を全て睡眠学習に使った仙道は四限終了のチャイムとともに机からむくりと起き上がったと同時に私の方を向いた。
「朱莉ちゃん!今日は俺たちと昼食おうよ。きっと越野たちも喜ぶぜ。」
コンビニの袋片手に席をたち、私の腕を引いて中庭の方へ歩いていく。
何とかひっつかんだランチバッグには母お手製の美味しいお弁当も入っている事だしまぁ良しとするか。
「お!仙道!早かったな!って… 山本も一緒かよ。」
「私が一緒じゃ悪い?男ばっかで食べるより紅一点かわいい女の子がいた方が美味しいでしょ?」
「ははっ。確かにかわいい女の子がいる方が美味いよ!朱莉ちゃんらしいなぁ。」
少しムスッとしている越野に眉を下げながら笑う仙道、植草も合流し楽しい時間が流れる。
「今日の午後練絶対きついぜ。どんな練習持ってくるか今から恐怖だわ…。」
「仙道が朝練に来たからね。授業の時も機嫌よかったし、しごかれるかもしれないな。」
「おい、仙道!お前たまに真面目になるのやめろよ!聞いてんのか仙道!おい!」
「…んっ?あぁ、なんだっけ?」
だいぶ不機嫌な越野の怒鳴り声に仙道は眉を下げて返答する。
…わかってる。
仙道が見てる先に彼女がいた。
地味で目立たないクラスでもあまり喋らないような子。彼女を愛おしそうな目で見つめるその顔に胸が苦しくなった。
私が好きになったのは彼女を見つめている仙道の横顔。バスケをしている時以上に目が輝いていて…その視線を独り占めできる彼女が羨ましかった。
「仙道、そろそろあの子に気持ち伝えたら?」
「実はもう振られてるんだ…。彼氏がいるんだって、他校に。朱莉ちゃんも俺みたいなやつ選ばないだろ?」
植草は私をちらりと見たがその視線には気付かないふりをした。植草には全てお見通しなのだろうか。
正直、仙道が振られるなんて全く思っていなかったので言葉が出てこない。
そんなことないと今ここで気持ちをぶつけられたら良かったのかもしれない。
だが、そんな勇気もない。
「仙道、素の仙道を好きになってくれる女の子は必ずいるよ。」
「朱莉ちゃん…。ありがとう。」
悲しそうな笑顔で仙道は笑った。
今はこの気持ちに蓋をして、覚悟ができたら伝えよう。
私の大好きなあの目をいつか私に向けてくれますように…
「朱莉ちゃん、おはよ」
「あ、おはよ。なんかやけに疲れてるじゃん。どうしたの?」
「いやぁ、今日はさ朝練遅れずに行ったら監督張り切っちゃって…」
苦笑いを浮かべる仙道。
朝練だというのに田岡先生は放課後の練習並に張り切っていたらしい。
田岡先生、相当嬉しかったんだろうなぁ。
なんだかちょっと可哀想に思えてきた。
そんなことを思いながら授業の準備をしていると仙道から声をかけられた。
「ねぇねぇ、今日の一限目ってなんだっけ?」
「数学だよ。」
「数学かぁ。あの先生寝たら怒るもんなぁ。」
とか言いつつ授業中は寝てしまうんだろう。
なんとも彼らしい。
一限どころか午前の授業を全て睡眠学習に使った仙道は四限終了のチャイムとともに机からむくりと起き上がったと同時に私の方を向いた。
「朱莉ちゃん!今日は俺たちと昼食おうよ。きっと越野たちも喜ぶぜ。」
コンビニの袋片手に席をたち、私の腕を引いて中庭の方へ歩いていく。
何とかひっつかんだランチバッグには母お手製の美味しいお弁当も入っている事だしまぁ良しとするか。
「お!仙道!早かったな!って… 山本も一緒かよ。」
「私が一緒じゃ悪い?男ばっかで食べるより紅一点かわいい女の子がいた方が美味しいでしょ?」
「ははっ。確かにかわいい女の子がいる方が美味いよ!朱莉ちゃんらしいなぁ。」
少しムスッとしている越野に眉を下げながら笑う仙道、植草も合流し楽しい時間が流れる。
「今日の午後練絶対きついぜ。どんな練習持ってくるか今から恐怖だわ…。」
「仙道が朝練に来たからね。授業の時も機嫌よかったし、しごかれるかもしれないな。」
「おい、仙道!お前たまに真面目になるのやめろよ!聞いてんのか仙道!おい!」
「…んっ?あぁ、なんだっけ?」
だいぶ不機嫌な越野の怒鳴り声に仙道は眉を下げて返答する。
…わかってる。
仙道が見てる先に彼女がいた。
地味で目立たないクラスでもあまり喋らないような子。彼女を愛おしそうな目で見つめるその顔に胸が苦しくなった。
私が好きになったのは彼女を見つめている仙道の横顔。バスケをしている時以上に目が輝いていて…その視線を独り占めできる彼女が羨ましかった。
「仙道、そろそろあの子に気持ち伝えたら?」
「実はもう振られてるんだ…。彼氏がいるんだって、他校に。朱莉ちゃんも俺みたいなやつ選ばないだろ?」
植草は私をちらりと見たがその視線には気付かないふりをした。植草には全てお見通しなのだろうか。
正直、仙道が振られるなんて全く思っていなかったので言葉が出てこない。
そんなことないと今ここで気持ちをぶつけられたら良かったのかもしれない。
だが、そんな勇気もない。
「仙道、素の仙道を好きになってくれる女の子は必ずいるよ。」
「朱莉ちゃん…。ありがとう。」
悲しそうな笑顔で仙道は笑った。
今はこの気持ちに蓋をして、覚悟ができたら伝えよう。
私の大好きなあの目をいつか私に向けてくれますように…
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