星詠み【side story】
名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーこんこん小山の子うさぎは
なぁぜにお目目が赤うござるー
さわりと心地よい風が頬を撫でる。ぽかぽかとお日様が暖かくて、何だか踊りたくなるような陽気の中、幼い禰豆子は母の唄に合わせ体を揺らしながら山の小道を歩いていた。
ひしと握り締めた母の腕をくいくいと引き、禰豆子は問いかける。
「ねぇね、お兄ちゃんのお目目が赤いのは、お腹の中にいた時にお母さんが赤い木のみを食べたから?」
純粋で無邪気な子供の疑問に、母は微笑んで答える。
「ふふ、そうねぇ。禰豆子は赤い色は好き?」
「うん!大好き!赤い色は私達を守ってくれるんだって、前にお父さん言ってたんだぁ。」
母は、あらあらそうだったのと目を細めて笑みを浮かべたのだ。
「おーい!母ちゃん!禰豆子!」
遠くから声をかけて来たのは大好きな兄と姉。
禰豆子は夢中で駆け寄り、ひしと抱き付く。大好きな香りと温もりに、思わず顔が緩んだ。
「母さん、そのザル持つよ。茂をおんぶしながらじゃ大変でしょう?」
姉が母を気遣うと、悪いわねと彼女にいっぱいに山菜が詰まったザルを受け渡す。
そんな光景を微笑ましく見ていると、ふと兄の持つ麻袋に目が止まった。
中から何やらキーキーと音がする。
「お兄ちゃんそれ何?」
不思議そうに禰豆子が尋ねると、彼は上機嫌で語る。
「父ちゃんに教えて貰ってアナウサギを捕まえたんだ!すばしっこいから大変だったんだぞ?見てみるか禰豆子」
そう言って兄はゴソゴソと麻袋をおろすと、口を僅かに開いて見せる。
中には、珍しい白い毛並みのアナウサギで、
赤い目をしていた。
胸がざわりと騒ぐ。
今日は家族に肉を食べさせられると喜ぶ兄、凄いわと褒める母、ニコニコ笑う姉、そんな光景を見ていて、禰豆子はたまらず叫んだ。
「やめてよ!山に返してあげてお兄ちゃん!」
「!..禰豆子」
ポロポロと目から涙を零しながら、ウサギを見つめる。こんなに小さい生き物を、これから残酷に殺して食べるなんて、かわいそうだ。
必死に訴えたら、兄はゆっくりと禰豆子の頭を撫でてこう言った。
「わかったよ、ウサギは山に還すから。禰豆子は本当に優しいなぁ。」
兄は怒る事なく禰豆子にそう語りかけた。
「よーし!じゃあ今日はタラの芽の天ぷらにしようよ母さん!私も手伝うね」
「そうね、そうしましょう禰豆子」
兄と姉に挟まれて手を繋いでいると、いつの間にか涙は引いていた。
彼等は、仲良く家路についたのだ
ーーーーー
なぁぜにお目目が赤うござるー
さわりと心地よい風が頬を撫でる。ぽかぽかとお日様が暖かくて、何だか踊りたくなるような陽気の中、幼い禰豆子は母の唄に合わせ体を揺らしながら山の小道を歩いていた。
ひしと握り締めた母の腕をくいくいと引き、禰豆子は問いかける。
「ねぇね、お兄ちゃんのお目目が赤いのは、お腹の中にいた時にお母さんが赤い木のみを食べたから?」
純粋で無邪気な子供の疑問に、母は微笑んで答える。
「ふふ、そうねぇ。禰豆子は赤い色は好き?」
「うん!大好き!赤い色は私達を守ってくれるんだって、前にお父さん言ってたんだぁ。」
母は、あらあらそうだったのと目を細めて笑みを浮かべたのだ。
「おーい!母ちゃん!禰豆子!」
遠くから声をかけて来たのは大好きな兄と姉。
禰豆子は夢中で駆け寄り、ひしと抱き付く。大好きな香りと温もりに、思わず顔が緩んだ。
「母さん、そのザル持つよ。茂をおんぶしながらじゃ大変でしょう?」
姉が母を気遣うと、悪いわねと彼女にいっぱいに山菜が詰まったザルを受け渡す。
そんな光景を微笑ましく見ていると、ふと兄の持つ麻袋に目が止まった。
中から何やらキーキーと音がする。
「お兄ちゃんそれ何?」
不思議そうに禰豆子が尋ねると、彼は上機嫌で語る。
「父ちゃんに教えて貰ってアナウサギを捕まえたんだ!すばしっこいから大変だったんだぞ?見てみるか禰豆子」
そう言って兄はゴソゴソと麻袋をおろすと、口を僅かに開いて見せる。
中には、珍しい白い毛並みのアナウサギで、
赤い目をしていた。
胸がざわりと騒ぐ。
今日は家族に肉を食べさせられると喜ぶ兄、凄いわと褒める母、ニコニコ笑う姉、そんな光景を見ていて、禰豆子はたまらず叫んだ。
「やめてよ!山に返してあげてお兄ちゃん!」
「!..禰豆子」
ポロポロと目から涙を零しながら、ウサギを見つめる。こんなに小さい生き物を、これから残酷に殺して食べるなんて、かわいそうだ。
必死に訴えたら、兄はゆっくりと禰豆子の頭を撫でてこう言った。
「わかったよ、ウサギは山に還すから。禰豆子は本当に優しいなぁ。」
兄は怒る事なく禰豆子にそう語りかけた。
「よーし!じゃあ今日はタラの芽の天ぷらにしようよ母さん!私も手伝うね」
「そうね、そうしましょう禰豆子」
兄と姉に挟まれて手を繋いでいると、いつの間にか涙は引いていた。
彼等は、仲良く家路についたのだ
ーーーーー