星詠み【side story】
名前
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『なぁ、聞こえてるんだろう?無視なんて酷いじゃないか。』
先程からしきりに話掛けてくる人物の方を鬱陶しそうに一瞥すると、炭治郎は再び目を背ける。
「あぁ、聞こえてるさ。でももう何度も言ってるだろう【俺】は。お前の好き勝手にはさせてやれない。俺の意思は変わらない」
あえて淡々とそう述べれば、向こうに佇んでいる人物はハッと笑う。
『強情だな本当にお前も。いや、その点に関して言えば俺も人の事は言えないか...。所詮』
ー俺もお前も、【炭治郎】なんだからー
理性的な俺と、本能的な俺。
どうしても上手く折り合いをつけられない唯一の問題は、言わずともわかるかもしれないが、日向子さんに関する事。
こんな茶番じみたやり取りも今に始まった事ではなく、もうずっと平行線を辿るばかり。それは必然的でもある。
俺にとって、彼女の事でどちらか一方が優勢になるわけにはいかない。
「俺は日向子さんを傷付けたくない。悲しませたり、困らせたくもない。今の状況で、お前が考えてる事を実行に移すなんてあり得ない。そんな事したら、彼女に何て思われると思う?俺が今まで耐えてきた意味が無くなるじゃないか。」
『お前の気持ちはもちろんわかる。でも、もう何年待ち続けたんだ?時にしてもう10年近くになる。何も行動に起こさなければずっとこのまま、弟と姉の関係のそれ以下でも以上でもない。お前はそれでも耐えられるって言うのか?』
「....それは」
僅かに理性的な俺がたじろいだのを察知すると、隙を突くようにもう一人の俺が甘い誘惑の言葉を重ねる。
『無理だよな、お前だって日向子さんを手に入れたいんだろう。一人の男として彼女に愛して欲しいんだろう?臆病なだけじゃ彼女には見向きもされやしない。
瑠璃千代さんだって言ってたじゃないか。押していかなきゃ駄目なんだよ』
「...黙れ」
『彼女に触れたい、触れられたい、口吸いだってしたい、それ以上のまぐわいだってしたい。早くしたい。わかるよ、お前が心の奥底で考えてる事くらい。』
「...っ黙れって」
『いい加減素直に俺に身を委ねたらいい。欲をぶちまけるんだ、その方が楽になr
「いいから黙ってろッ!!!!!!」
ダンっ!
拳を叩き込むように腕を振り下ろすと、バリンと音を立て写し鏡にひびが入り込む。同時に鏡の向こうの自分は消滅した。炭治郎はぎゅっと握り拳に力を込め、弱々しく呟く。
「そんな事はわかってる..俺だって」
先程からしきりに話掛けてくる人物の方を鬱陶しそうに一瞥すると、炭治郎は再び目を背ける。
「あぁ、聞こえてるさ。でももう何度も言ってるだろう【俺】は。お前の好き勝手にはさせてやれない。俺の意思は変わらない」
あえて淡々とそう述べれば、向こうに佇んでいる人物はハッと笑う。
『強情だな本当にお前も。いや、その点に関して言えば俺も人の事は言えないか...。所詮』
ー俺もお前も、【炭治郎】なんだからー
理性的な俺と、本能的な俺。
どうしても上手く折り合いをつけられない唯一の問題は、言わずともわかるかもしれないが、日向子さんに関する事。
こんな茶番じみたやり取りも今に始まった事ではなく、もうずっと平行線を辿るばかり。それは必然的でもある。
俺にとって、彼女の事でどちらか一方が優勢になるわけにはいかない。
「俺は日向子さんを傷付けたくない。悲しませたり、困らせたくもない。今の状況で、お前が考えてる事を実行に移すなんてあり得ない。そんな事したら、彼女に何て思われると思う?俺が今まで耐えてきた意味が無くなるじゃないか。」
『お前の気持ちはもちろんわかる。でも、もう何年待ち続けたんだ?時にしてもう10年近くになる。何も行動に起こさなければずっとこのまま、弟と姉の関係のそれ以下でも以上でもない。お前はそれでも耐えられるって言うのか?』
「....それは」
僅かに理性的な俺がたじろいだのを察知すると、隙を突くようにもう一人の俺が甘い誘惑の言葉を重ねる。
『無理だよな、お前だって日向子さんを手に入れたいんだろう。一人の男として彼女に愛して欲しいんだろう?臆病なだけじゃ彼女には見向きもされやしない。
瑠璃千代さんだって言ってたじゃないか。押していかなきゃ駄目なんだよ』
「...黙れ」
『彼女に触れたい、触れられたい、口吸いだってしたい、それ以上のまぐわいだってしたい。早くしたい。わかるよ、お前が心の奥底で考えてる事くらい。』
「...っ黙れって」
『いい加減素直に俺に身を委ねたらいい。欲をぶちまけるんだ、その方が楽になr
「いいから黙ってろッ!!!!!!」
ダンっ!
拳を叩き込むように腕を振り下ろすと、バリンと音を立て写し鏡にひびが入り込む。同時に鏡の向こうの自分は消滅した。炭治郎はぎゅっと握り拳に力を込め、弱々しく呟く。
「そんな事はわかってる..俺だって」