星詠み【side story】
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「なぁ、葵枝さん。ちょっと話があるんだが、いいだろうか?」
子供達を寝かしつけ夫婦の逢瀬を共にしていた夜。
不意に夫から相談を持ちかけられた葵枝は、櫛で髪の毛をとかしせっせと就寝準備をしつつ、不思議そうな様子で首を後ろへ向ける。
「えぇ、どうされました?」
炭十郎はきょとんとした眼差しを向ける妻を見やる。言おうか言うまいか最後まで悩んでいた風だったが、意を決したように重い口を開いた。
「その、話と言うのは炭治郎の事なんだが...」
その言葉を聞いて葵枝ははっとする。炭十郎が言葉を続ける前に、こう挟み込んだ。
「それは...炭治郎が、日向子を異性として好いている事に関してですか?」
「..気付いてたのか。やっぱり、君には敵わないな」
炭十郎は僅かに驚いた様子を見せた後、ふっと笑みを溢した。
葵枝はと言うと、どこか遠くを眺めるように目を細め、これでもあの子の母親ですからねぇと呟いた。
「この事については、私も貴方に相談しようと思ってました。炭治郎は、日向子への気持ちを自覚したのね」
「..あぁ。この間の
「そんな事はありませんよ。子供と言うのは..難しいものですから。親が思っているよりもずっと、たくさんの事を考えている」
葵枝はそう言いながら、炭十郎の頭を自然な動作で自らの膝へ誘う。彼は促されるままに愛する妻の膝元へと収まった。
「..どうしてあげるのが、親として最善なのだろう。」
「それはきっと本人達が決める事ですよ。私達はただ、間違いだけはおかさぬよう見守るしかない。産みの親が違うのなら、惹かれあっても仕方のない事です。止めろと言われたとて止められないものも、世の中にはたくさんあるから。それをとやかく言うのは酷ですもんね」
「あぁ..そうだなぁ。君の言う通りだ」
「炭治郎ももう10歳だものね。色々と配慮してあげないといけない歳だわ。日向子は女の子だからいいとして、男の子の教育はやっぱり..」
「ははっ..もっと長生きしなきゃいけないなぁ」
「その通りです!頼りにしてますからね」
むんっとわざとらしく腰に腕を当てる妻を、夫は愛おしそうに眺めたのだった。
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