星詠み【side story】
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「誠一郎、見合いの話は考えたか?いい加減先方に伝えなければまずいだろう」
父から呆れ気味にそう言われ、彼は唇をつぐんだ。断ってくれと伝えると頭を抱えるようにこう言うのだ。
「こんな事は言いたくはないが、お前もそろそろ妻を娶って腰を落ち着かせたらどうなんだ。日向子さんにその気がないのなら、お前がいくら思ったところで仕方がないのだから」
わかっている、そんな事は..
それでも、誠一郎はどうしても諦められずにいる。
3年前に彼女へ贈った文の返事は、彼女らしい最もな理由と丁寧な言葉選びでしたためられていた。
それならば仕方ないとして、数年が経つが、
相変わらず彼女は誰に対しても靡 ないそんな女性だった。
その時、屋敷に人が訪ねて来た。
彼等は鬼殺隊と名乗り、異常事態が起きた事を知らせた。
「この町の近くで鬼が出現し人が殺されました。夜は決して外へ出ぬように。」
彼等はそう言うが、いきなり鬼が出たなど理解が追いつく筈もない。誰が殺されたのかと父が問いただすと耳を疑うような内容だった。
「竈門家の一家です。」
そんな...
まさか、そんな事があるわけ
彼等は伝える事を伝え風のように去っていった。
町中大騒ぎで、特に三郎爺さんはやはり出た..鬼がと狂ったように叫んでいた。
茫然とするしかない時間を過ごしていると、
程なくして炭治郎と禰豆子の姿を見かけ、彼は思わず呼び止めた。
「炭治郎君!!君達、無事だったのか」
炭治郎は振り返ると、目を見開いてこちらを見ていた。
彼とは時折、炭を売りに来てくれていた時に会っていたが、どうやら誠一郎は彼によく思われていないらしく、どうしたものかと思う悩みの種でもあった。しかしなりふり構っていられない。
日向子の安否がどうしても気になったから。
「竈門家は..日向子さんは無事かい?」
そう問いかけると、炭治郎は途端に顔色を曇らせて俯く。やがてこう発した。
「日向子姉さんは何処にも居ません。殺されたのかも生きているのかもわからない。町にはいないのですね?」
こくりと頷くと、そうですかとだけ呟き
彼等はこの町を出るつもりなのだと話す。
詳しくは言わなかったが、ある目的がある事と、姉を探す旅に出ると。
日向子の名前を口にした時、弟がするには何とも切な過ぎる表情をするものだから、何となくだが誠一郎は察した。
彼は、本当に彼女の事が大好きなのだ。
その想いは、血縁の垣根を超えているような気がした。
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「誠一郎、見合いの話は考えたか?いい加減先方に伝えなければまずいだろう」
父から呆れ気味にそう言われ、彼は唇をつぐんだ。断ってくれと伝えると頭を抱えるようにこう言うのだ。
「こんな事は言いたくはないが、お前もそろそろ妻を娶って腰を落ち着かせたらどうなんだ。日向子さんにその気がないのなら、お前がいくら思ったところで仕方がないのだから」
わかっている、そんな事は..
それでも、誠一郎はどうしても諦められずにいる。
3年前に彼女へ贈った文の返事は、彼女らしい最もな理由と丁寧な言葉選びでしたためられていた。
それならば仕方ないとして、数年が経つが、
相変わらず彼女は誰に対しても
その時、屋敷に人が訪ねて来た。
彼等は鬼殺隊と名乗り、異常事態が起きた事を知らせた。
「この町の近くで鬼が出現し人が殺されました。夜は決して外へ出ぬように。」
彼等はそう言うが、いきなり鬼が出たなど理解が追いつく筈もない。誰が殺されたのかと父が問いただすと耳を疑うような内容だった。
「竈門家の一家です。」
そんな...
まさか、そんな事があるわけ
彼等は伝える事を伝え風のように去っていった。
町中大騒ぎで、特に三郎爺さんはやはり出た..鬼がと狂ったように叫んでいた。
茫然とするしかない時間を過ごしていると、
程なくして炭治郎と禰豆子の姿を見かけ、彼は思わず呼び止めた。
「炭治郎君!!君達、無事だったのか」
炭治郎は振り返ると、目を見開いてこちらを見ていた。
彼とは時折、炭を売りに来てくれていた時に会っていたが、どうやら誠一郎は彼によく思われていないらしく、どうしたものかと思う悩みの種でもあった。しかしなりふり構っていられない。
日向子の安否がどうしても気になったから。
「竈門家は..日向子さんは無事かい?」
そう問いかけると、炭治郎は途端に顔色を曇らせて俯く。やがてこう発した。
「日向子姉さんは何処にも居ません。殺されたのかも生きているのかもわからない。町にはいないのですね?」
こくりと頷くと、そうですかとだけ呟き
彼等はこの町を出るつもりなのだと話す。
詳しくは言わなかったが、ある目的がある事と、姉を探す旅に出ると。
日向子の名前を口にした時、弟がするには何とも切な過ぎる表情をするものだから、何となくだが誠一郎は察した。
彼は、本当に彼女の事が大好きなのだ。
その想いは、血縁の垣根を超えているような気がした。
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