星詠み【side story】
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日向子姉さんは、例えるならば
はじまりの匂いがする人だった。
この星のありとあらゆる生命が、彼女を祝福するような、眩しい限りの朝日を浴びるような感覚に似ている。
でも、それは夜になると一変して
深く壮大な世界を物語るような雰囲気に変わる。全て諸共始まりに還る喜びを、具現化したような存在。そんな空気感がとても心地良い。
幼い頃、星を見たいと駄々をこねた俺を
たった一度きり、姉さんが夜に外に連れ出してくれた事があった。
家からたった数尺先にある木々が開けた場所で、空を見上げた時の視界いっぱいに広がる星々が今でも深く脳裏に焼き付いて離れない。
それほどに美しかったのだ
「ごらん炭治郎。星には色んな色があって、一つ一つ輝きも違うでしょう?あれはね、星も生きているからなんだよ。
何千里も遠い場所にあるんだって..そこで生まれては死んでいく。私達人間と同じなんだよ」
まだ小さな炭治郎を、背中から包み込むように抱き締めながらそう彼女は話した。
二人分の白い吐息が重なって夜風に流れていく。
母ちゃん達がいない、姉さんと2人きりの世界が
なんだか夢見心地で神聖な気分だったのを覚えている。
「ねぇ、姉さんは何で星が詠 めるのだろう?確かに星の違いはわかるけど、それで方角や季節を見ることが出来るなんて信じられない。俺にはちっともわからないから凄いよ。」
そう問うと、彼女はうーんと唸った後にけらけら笑いこう話した。
「なんでだろうねぇ。それがどうしてだか姉さんにもわからないんだよ。
でも、遠い記憶が教えてくれる。
ただ炭治郎は鼻が効くし脚も速いでしょう?私はそっちの方が尊敬するなぁ。
私は炭治郎みたいに獣の気配もわからないし、熊に見つかったら炭治郎を守り切れるか不安だよ。」
変わらぬ笑顔で空を見上げ炭治郎の頭を撫でる。
彼女に褒められた事がとても照れ臭かった。
それに.姉にこんな事を思うのはおこがましいけれど、可愛いらしいなぁと思ってしまう。
地上に遣わされたまるで天女のようだのに、年相応におどけて見せたりする人間味のあるところ。
困りごとがあったら真っ先に駆けつけてくれる、自分の事は二の次で思いやりのあるところ。そんな、ところに、家族愛とは別の特別な感情を、彼女に対し持ち合わせてしまった...。
年端も行かぬ自分が持つにはあまりも不釣り合いな感情。炭治郎は彼女の頬にそっと手を触れた。
「例え熊に遭ったとしても、俺が日向子姉さんを守るよ」
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日向子姉さんは、例えるならば
はじまりの匂いがする人だった。
この星のありとあらゆる生命が、彼女を祝福するような、眩しい限りの朝日を浴びるような感覚に似ている。
でも、それは夜になると一変して
深く壮大な世界を物語るような雰囲気に変わる。全て諸共始まりに還る喜びを、具現化したような存在。そんな空気感がとても心地良い。
幼い頃、星を見たいと駄々をこねた俺を
たった一度きり、姉さんが夜に外に連れ出してくれた事があった。
家からたった数尺先にある木々が開けた場所で、空を見上げた時の視界いっぱいに広がる星々が今でも深く脳裏に焼き付いて離れない。
それほどに美しかったのだ
「ごらん炭治郎。星には色んな色があって、一つ一つ輝きも違うでしょう?あれはね、星も生きているからなんだよ。
何千里も遠い場所にあるんだって..そこで生まれては死んでいく。私達人間と同じなんだよ」
まだ小さな炭治郎を、背中から包み込むように抱き締めながらそう彼女は話した。
二人分の白い吐息が重なって夜風に流れていく。
母ちゃん達がいない、姉さんと2人きりの世界が
なんだか夢見心地で神聖な気分だったのを覚えている。
「ねぇ、姉さんは何で星が
そう問うと、彼女はうーんと唸った後にけらけら笑いこう話した。
「なんでだろうねぇ。それがどうしてだか姉さんにもわからないんだよ。
でも、遠い記憶が教えてくれる。
ただ炭治郎は鼻が効くし脚も速いでしょう?私はそっちの方が尊敬するなぁ。
私は炭治郎みたいに獣の気配もわからないし、熊に見つかったら炭治郎を守り切れるか不安だよ。」
変わらぬ笑顔で空を見上げ炭治郎の頭を撫でる。
彼女に褒められた事がとても照れ臭かった。
それに.姉にこんな事を思うのはおこがましいけれど、可愛いらしいなぁと思ってしまう。
地上に遣わされたまるで天女のようだのに、年相応におどけて見せたりする人間味のあるところ。
困りごとがあったら真っ先に駆けつけてくれる、自分の事は二の次で思いやりのあるところ。そんな、ところに、家族愛とは別の特別な感情を、彼女に対し持ち合わせてしまった...。
年端も行かぬ自分が持つにはあまりも不釣り合いな感情。炭治郎は彼女の頬にそっと手を触れた。
「例え熊に遭ったとしても、俺が日向子姉さんを守るよ」
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