煙草(高土)
テーブルの上にはシンプルな灰皿と高そうなジッポライター。そして高杉が好んで吸っている煙草の箱が置いてある。
高杉は大人で学校の保険医だ。それとは対照に自分は子供で生徒。それがなんやかんやあってお付き合いする事になったのだから、世の中は不思議な者だと土方は思う。
一見すると高杉は危険人物にしか見えないが、意外にもちゃんとした大人だ。担任の銀八よりもかなりまともな大人である。単に銀八がちゃらんぽらん過ぎるせいかもしれないが。
銀八が子供のような大人だとすれば、高杉はまさに大人の男だ。口は悪いが根本は優しいし文句を言いながらも手助けしてくれる。そして何より煙草を吸う仕草が色気たっぷりで様になっているのだ。喫煙場所にわざわざ覗きに行く女子生徒すらいる。高杉は「ゆっくり吸えねぇ」とブツブツ文句を言っていたのを覚えている。だが、自分もこっそり覗きに行っていた口なので笑って誤魔化す以外になかったが。
高杉は恋人という色目抜きでもカッコイイと思っている。あんな大人になりたいと憧れでもある。
高杉のような大人の男になるにはどうすればいいか、と考えた時に視界に入ったのが煙草だった。
例えば、煙草をカッコよく吸えたら高杉に一歩近付けるのではないか。それ自体が子供じみた考えだと分かってはいるが、好奇心の方が勝った。
煙草の箱に手を伸ばす。パッケージにかかれた『20才以下の喫煙は法律で禁止されています』の文字が目に入った。
一瞬躊躇ったが要はバレなければいい。箱から一本煙草を取り出して眺めてみる。火が点いていないからあの嗅ぎ慣れた高杉の匂いはしない。試しに口唇に挟んで咥えてみる。これをいつも高杉が咥えているのか、と思うと少し心臓が脈打つのが早くなった。
鼻から息を吸って吐き出す。心臓が落ち着いたから今度はジッポに手を伸ばした。
ぎこちない手つきで蓋を開ける。高杉はジッポで火を点ける仕草でさえ色気が滲み出ている。
悪い事をしているせいなのか高杉が煙草を吸う仕草を思い出したせいなのか、再び心臓がバクバクと鳴り始める。何度か挑戦してようやく火が出てくれて煙草に近付けた。
「!!??にっげぇ!!!」
「なにやってんだ土方」
あまりの苦味に叫んだのと同時に背後から声がした。煙草に集中し過ぎて高杉が風呂から上がった事に気が付かなかった。
火が点いたばかりの煙草は直ぐ様取り上げられ、高杉の口唇へと挟まれる。
「未成年は吸っちゃあいけねぇの知らねぇのか?」
「知ってるけど…!」
「口寂しいならこっちで我慢しろ」
「んっ…!んん…っ…!」
高杉は吸っていた煙草を灰皿で消すと、土方の後頭部を捕みキスしてきた。合わさるだけだったそれが、舌を差し入れられ次第に深さと苦味を伴っていく。
「はあっ…苦ぇ…」
「ガキにゃまだ早ぇよ」
「ガキ扱いしがって」
「なら大人扱いしてやろうか…?」
ニヤリと笑うと再びキスをしながら、シャツの隙間から手を差し入れいやらしい手つきで直接肌をはい回る。
口唇が離された頃には身体の熱はすっかり上がりきってしまい、力も上手く入らなくなってきている。
「未成年に手を出していいと思ってんのか!?この淫行教師!!」
「バレなきゃいいんだよ、バレなきゃ。嫌だ嫌だと言いながら毎回『もっと♡』っておねだりしてくるのはお前だろ?」
「言ってねぇ!」
「文句があるならベッドの上でなら聞いてやる」
そう言うと高杉は軽々と土方を担ぎ上げ寝室へと消えていった。
高杉は大人で学校の保険医だ。それとは対照に自分は子供で生徒。それがなんやかんやあってお付き合いする事になったのだから、世の中は不思議な者だと土方は思う。
一見すると高杉は危険人物にしか見えないが、意外にもちゃんとした大人だ。担任の銀八よりもかなりまともな大人である。単に銀八がちゃらんぽらん過ぎるせいかもしれないが。
銀八が子供のような大人だとすれば、高杉はまさに大人の男だ。口は悪いが根本は優しいし文句を言いながらも手助けしてくれる。そして何より煙草を吸う仕草が色気たっぷりで様になっているのだ。喫煙場所にわざわざ覗きに行く女子生徒すらいる。高杉は「ゆっくり吸えねぇ」とブツブツ文句を言っていたのを覚えている。だが、自分もこっそり覗きに行っていた口なので笑って誤魔化す以外になかったが。
高杉は恋人という色目抜きでもカッコイイと思っている。あんな大人になりたいと憧れでもある。
高杉のような大人の男になるにはどうすればいいか、と考えた時に視界に入ったのが煙草だった。
例えば、煙草をカッコよく吸えたら高杉に一歩近付けるのではないか。それ自体が子供じみた考えだと分かってはいるが、好奇心の方が勝った。
煙草の箱に手を伸ばす。パッケージにかかれた『20才以下の喫煙は法律で禁止されています』の文字が目に入った。
一瞬躊躇ったが要はバレなければいい。箱から一本煙草を取り出して眺めてみる。火が点いていないからあの嗅ぎ慣れた高杉の匂いはしない。試しに口唇に挟んで咥えてみる。これをいつも高杉が咥えているのか、と思うと少し心臓が脈打つのが早くなった。
鼻から息を吸って吐き出す。心臓が落ち着いたから今度はジッポに手を伸ばした。
ぎこちない手つきで蓋を開ける。高杉はジッポで火を点ける仕草でさえ色気が滲み出ている。
悪い事をしているせいなのか高杉が煙草を吸う仕草を思い出したせいなのか、再び心臓がバクバクと鳴り始める。何度か挑戦してようやく火が出てくれて煙草に近付けた。
「!!??にっげぇ!!!」
「なにやってんだ土方」
あまりの苦味に叫んだのと同時に背後から声がした。煙草に集中し過ぎて高杉が風呂から上がった事に気が付かなかった。
火が点いたばかりの煙草は直ぐ様取り上げられ、高杉の口唇へと挟まれる。
「未成年は吸っちゃあいけねぇの知らねぇのか?」
「知ってるけど…!」
「口寂しいならこっちで我慢しろ」
「んっ…!んん…っ…!」
高杉は吸っていた煙草を灰皿で消すと、土方の後頭部を捕みキスしてきた。合わさるだけだったそれが、舌を差し入れられ次第に深さと苦味を伴っていく。
「はあっ…苦ぇ…」
「ガキにゃまだ早ぇよ」
「ガキ扱いしがって」
「なら大人扱いしてやろうか…?」
ニヤリと笑うと再びキスをしながら、シャツの隙間から手を差し入れいやらしい手つきで直接肌をはい回る。
口唇が離された頃には身体の熱はすっかり上がりきってしまい、力も上手く入らなくなってきている。
「未成年に手を出していいと思ってんのか!?この淫行教師!!」
「バレなきゃいいんだよ、バレなきゃ。嫌だ嫌だと言いながら毎回『もっと♡』っておねだりしてくるのはお前だろ?」
「言ってねぇ!」
「文句があるならベッドの上でなら聞いてやる」
そう言うと高杉は軽々と土方を担ぎ上げ寝室へと消えていった。
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