アイドル×マネージャー

おまけの後日談的な話
・とてもざっくり
・自分が見てみたかっただけの内容
・土方さんの事を先生と呼んだたらいいな


 銀時はドラマの番宣もかねて、とあるトーク番組に出演していた。高杉はレコーディングの為に別行動である。
 番組MCはトーク力に定評もあり、言葉で現すならデラックスといった感じである。
 銀時は拍手と共に迎え入れられ、アイドル業や私生活についてのトークが繰り広げられた。テンポよく会話が進み、観覧席からは度々笑いが起きる。一通りトークが済んだ所でMCが「気になってる事がある」と切り出した。
「ねぇ、ちょっと聞いたんだけどさ。あなたたちのマネージャー、すっごい男前らしいじゃない」
「あー土方先生なら今そこに居ますよ」
 銀時は客席の後方を示した。カメラがズームすると、そこには照れ笑いをしている土方が立っている。
「えっ!?あの人なの!?さっきすれ違った時普通に芸能人かと思って挨拶しちゃったじゃない!!今はマネージャーさんも男前じゃないと駄目な時代になったのねぇ。土方さんて言うのね、下のお名前は」
「十四郎です」
「十四郎ですって…!名前まで男前でねぇ。ところで、先生って呼んでるの?」
「高校に教育実習で来ててそこから色々あってマネージャーに。なんでその時のクセというか。デビュー前からずっと世話になってます」
「えっ!?先生だったの!?へーーーすごいもんねえ。ねぇなんでマネージャーやろうと思ったの?」
「監視してないと今頃犯罪者だったと思うんで」
 土方は真顔で答えた。あれは本気の目だと銀時は苦笑いを浮かべる。
「あーあなたたちちょっとヤンチャしてたみたいね?」
「そうですね。でも先生の方が怖いんで。最初ボコボコにされましたし、未だにぶん投げられます」
 スタジオのモニターには綺麗な1本背負いされる銀時の写真が表示されている。公式のSNSで公開されている為、ファンの中では常識として知られている。
「いやあすごいわ。普通は着いてきてくれないわよ?あなたちゃんとマネージャー大切にしなさいよ」
「はい。一生大切にします!」
 銀時は勢い良く返事をした。土方への恩は感じているし、彼がいなければここまで来る事は出来なかっただろう。観覧席からも拍手が起きる。ファンもマネージャーと銀時との信頼関係を知っているからだ。しかし、間違った発言ではないが、墓穴を掘っている事を銀時はまだ知らない。
 
「おい、銀時。こりゃあなんだ……?土方の顔出しなんか聞いてねぇが……?」
 放送日翌日の事である。練習スタジオに向かった銀時を待っていたのは、殺意に満ちた高杉である。
「あ、晋ちゃん落ち着いて?ね?」
 高杉が握っているスマホには『公開プロポーズ!?一生大切にします!』という見出しのネットニュース。放送直後から話題となり、SNSではトレンド入り。切り抜き動画も数十万単位で再生数となっている。
 銀時は自分の発言をすっかりと忘れていた。録画だけして、まだ見ていない事も重なった。目覚めてスマホの通知やSNSで大変な事になっていて、そこでようやく気がついたのだった。
 まずは事情を説明しなければならない。あれは「マネージャーとして大切にします」という意味であって、深い意味はない。
「テメェはここで殺す……!!」
「ぎゃああああああ!!待って!!それはマジで死ぬ!!」
 あ、駄目だ。一瞬で銀時は悟った。説明した所で高杉は聞く耳を持たないだろう。
「おーい、お前ら準備でき……何してんだテメェらああああああ!!」
 スタジオのドアが開けられた。その怒声に二人の身体がピタリと止まる。同時に向けた視線の先には、土方もとい鬼が立っている。
「ドタバタなんかうるせぇと思ったら、また喧嘩かぁ……?」
 バキバキと拳を鳴らす土方に流石の高杉も大人しくなる。銀時にとっては一難去ってまた一難。怒られる人間が変わっただけである。まあ、土方は命までは取りはしないが。
 その後土方の監視の元、スタジオを大掃除する二人が居たとかなんとか。
 
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