写真(高土)
「ひじかたー」
その声に振り向けば目の前にはスマホが構えられていた。次いでカシャッとシャッター音がする。
「てめっ!何撮ってんだ!」
「別にいいだろ、写真くらい」
飄々と言ってのけるのは、同じ副長である高杉だ。今日は非番であるため制服ではなく着流しを纏っている。
「どうだ、よく撮れてんだろ」
ズイッと文机に置かれた書類を遮るようにスマホの画面を見せられる。そこには眉間にシワを寄せた自分の顔が写っていた。
邪魔だと言わんばかりスマホを手押し退ける。
「もっと笑顔になれねぇのかよ」
「こっちは仕事中なんだよ。邪魔すんな」
「せっかく買ったんだから付き合ってくれよ」
「は?買った?また買ったのか!?」
二ヶ月程前だったか。その時も新しくスマホを買ったからと、写真を撮られた記憶がある。同じく仕事中にさんざん絡まれて鬱陶しかった。
「最新機種が出たら買うだろ、普通」
「まさか、その為に有給を…?」
「そうだが」
はぁ……と溜め息を吐いた。貴重な有給を高々スマホの為に使ったのかと思うと頭が痛い。
総悟のように堂々と団子屋でサボられるよりはマシではあるが呆れてしまった。
何が楽しいのか高杉は写真を撮り続けている。シャッター音が気が散ると言えば辞めるだろう。と思ったが最近は消せるのを知らなかった。そのま無言で撮り続けそれはそれで鬱陶しい。
「土方。……好きだぜ」
「……なっ!?」
突然の告白に面食らっているとその顔を撮られた。大きな画面に赤面した顔が写し出されている。
「お、いい感じに撮れたな」
「テメッ!消せっ!!」
「嫌だ」
高杉がスマホを持って立ちあがる。一方の土方は長時間座っていたせいで、すぐに立ち上がる事が出来ない。
「うおっ!?」
「あっ!」
無理矢理に立ち上がったせいで高杉を押し倒すようにして倒れてしまった。
「おー絶景」
「やめろって!!」
上に乗った土方の写真が撮られる。ただの事故であるのに、布団の上の事を思い出してしまって顔が熱くなってしまう。
そこに高杉のスマホとは違うシャッター音が聞こえた。
「ホモ副長ども昼間っから乳繰り合ってんじゃねぇでさぁ」
「げ、総悟!」
声の方を向けばスマホを構えた総悟が居た。こんな姿を撮られるなんてどう考えても悪い予感しかしない。
「それじゃあ俺はこれをばらまいて小遣い稼ぎさせて貰いますんで」
そう言うと一瞬の内に走り去っていく。
「待て!高杉、追うぞ!!」
「あ?別にいいだろ。事実なんだし」
「よくねぇ!」
そう言うと土方は怒りながら総悟の後を追いかけていった。
「……まぁでも土方のこの姿は誰にも見せたくねぇよなぁ」
スマホを操作して写真のフォルダを開く。そこには高杉にしか見せない土方の表情があった。
その声に振り向けば目の前にはスマホが構えられていた。次いでカシャッとシャッター音がする。
「てめっ!何撮ってんだ!」
「別にいいだろ、写真くらい」
飄々と言ってのけるのは、同じ副長である高杉だ。今日は非番であるため制服ではなく着流しを纏っている。
「どうだ、よく撮れてんだろ」
ズイッと文机に置かれた書類を遮るようにスマホの画面を見せられる。そこには眉間にシワを寄せた自分の顔が写っていた。
邪魔だと言わんばかりスマホを手押し退ける。
「もっと笑顔になれねぇのかよ」
「こっちは仕事中なんだよ。邪魔すんな」
「せっかく買ったんだから付き合ってくれよ」
「は?買った?また買ったのか!?」
二ヶ月程前だったか。その時も新しくスマホを買ったからと、写真を撮られた記憶がある。同じく仕事中にさんざん絡まれて鬱陶しかった。
「最新機種が出たら買うだろ、普通」
「まさか、その為に有給を…?」
「そうだが」
はぁ……と溜め息を吐いた。貴重な有給を高々スマホの為に使ったのかと思うと頭が痛い。
総悟のように堂々と団子屋でサボられるよりはマシではあるが呆れてしまった。
何が楽しいのか高杉は写真を撮り続けている。シャッター音が気が散ると言えば辞めるだろう。と思ったが最近は消せるのを知らなかった。そのま無言で撮り続けそれはそれで鬱陶しい。
「土方。……好きだぜ」
「……なっ!?」
突然の告白に面食らっているとその顔を撮られた。大きな画面に赤面した顔が写し出されている。
「お、いい感じに撮れたな」
「テメッ!消せっ!!」
「嫌だ」
高杉がスマホを持って立ちあがる。一方の土方は長時間座っていたせいで、すぐに立ち上がる事が出来ない。
「うおっ!?」
「あっ!」
無理矢理に立ち上がったせいで高杉を押し倒すようにして倒れてしまった。
「おー絶景」
「やめろって!!」
上に乗った土方の写真が撮られる。ただの事故であるのに、布団の上の事を思い出してしまって顔が熱くなってしまう。
そこに高杉のスマホとは違うシャッター音が聞こえた。
「ホモ副長ども昼間っから乳繰り合ってんじゃねぇでさぁ」
「げ、総悟!」
声の方を向けばスマホを構えた総悟が居た。こんな姿を撮られるなんてどう考えても悪い予感しかしない。
「それじゃあ俺はこれをばらまいて小遣い稼ぎさせて貰いますんで」
そう言うと一瞬の内に走り去っていく。
「待て!高杉、追うぞ!!」
「あ?別にいいだろ。事実なんだし」
「よくねぇ!」
そう言うと土方は怒りながら総悟の後を追いかけていった。
「……まぁでも土方のこの姿は誰にも見せたくねぇよなぁ」
スマホを操作して写真のフォルダを開く。そこには高杉にしか見せない土方の表情があった。
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