イメチェン(高土)
「ありがとうございましたぁ♡」
デレデレと鼻の下を伸ばしたオッサンを見送る。よくまぁあんな風に出来る物だと感心した。
凸凹教に性別を変えられてからキャバクラで嫌々働いている。未だに元に戻る術が見付からずストレスは溜まる一方である。
「ちょっと煙草吸ってくる」
「あ、ちょっとトシぃ!これから服部さん来るそうだから早めに戻るのよ?」
あの男また来るのかよ…と顔をしかめながら路地裏へと向かう。残念な事に「煙草臭くなるからダメ」と店では禁煙を言い渡されてしまいさらにストレスが溜まるのである。
突然腕を捕まれ路地裏へと引き込まれる。何事かと腕を掴んできた相手を睨み付ければそこにはよく見知った顔の男が居た。
「よぉ土方。暫く会わねぇうちに随分変わったじゃねぇか。イメチェンってやつか?」
「高杉…!」
睨んだ所でこの男には効果がない。それどころか上から下までジロジロと見てくる始末だ。正直、この男にだけは見られたくなかった。こんな姿見られるなんて一生の恥だ。
「ま、悪かぁねぇな」
そう言いながら短いスカートから覗く脚に手を伸ばす。
「うちはお触り禁止だ!」
「つれねぇなあ。いつもそれ以上の事してんだろ?」
「うるせぇ!つか、なんで俺だってわかって…?」
見た目だって変わってるし、服装なんて不本意ながらミニスカポリスである。店に来る客は俺が真選組副長だなんて誰一人として気付いていないのに。
「あ?好いたヤツはどんななりしてても分かるもんだろ」
「へ?」
今、コイツは好いたヤツと言ったのか?コイツが俺を?
「どうした、土方」
高杉が顔を近付けてくる。サラリと髪が流れた。
「い、今なんつった…?」
「あ?」
「いいいいますすす、好いたって…?」
「んな事で動揺してんのか?いつも布団の上で言ってんだろ。あぁ、そうかヨくて飛んじまっててっから聞こえてなかったのか」
そのまま高杉は俺を壁に抑えつけ耳に口唇を寄せる。
「好きだぜ、十四郎」
「!!!」
思わず突飛ばしたが、思ったよりも力が入っていなかったようで高杉は少しよろけただけだった。
「やめろ…!」
「やめろ?って。んな顔真っ赤にしておいて、嫌がってるようには見えねぇけどなぁ」
ククッと笑うと高杉にまた距離を詰められスカートの裾から手が入りこんでくる。
「もう戻らねぇと仕事が…!」
本当は戻りたくはないがこの状況よりはマシだと自分に言い聞かせる。
首もとに小さな痛みが走る。
「おまっ!何すんだ!!」
「虫除けに決まってんだろ」
「このバカ!ハゲ!」
「ハゲてねぇ」
高杉の身体を引き剥がすと店へと走る。身体が重くて足が止まりそうだが今はそんな事を言ってる場合ではない。
汗だくになりながら店の前に着くと近藤さんが心配そうに駆け寄ってきた。
「大丈夫?何かあったの?」
「いや…大丈夫だ」
「ならいいのだけど…とりあえず中で休みましょう」
「ああ…」
中に入ると「X子ちゃんまだぁ?」という声が聞こえてきた。まるで前門の虎後門の狼みたいな状況だ。ああ本当にツイてねぇ。早く元の姿に戻りたいそう思った。
デレデレと鼻の下を伸ばしたオッサンを見送る。よくまぁあんな風に出来る物だと感心した。
凸凹教に性別を変えられてからキャバクラで嫌々働いている。未だに元に戻る術が見付からずストレスは溜まる一方である。
「ちょっと煙草吸ってくる」
「あ、ちょっとトシぃ!これから服部さん来るそうだから早めに戻るのよ?」
あの男また来るのかよ…と顔をしかめながら路地裏へと向かう。残念な事に「煙草臭くなるからダメ」と店では禁煙を言い渡されてしまいさらにストレスが溜まるのである。
突然腕を捕まれ路地裏へと引き込まれる。何事かと腕を掴んできた相手を睨み付ければそこにはよく見知った顔の男が居た。
「よぉ土方。暫く会わねぇうちに随分変わったじゃねぇか。イメチェンってやつか?」
「高杉…!」
睨んだ所でこの男には効果がない。それどころか上から下までジロジロと見てくる始末だ。正直、この男にだけは見られたくなかった。こんな姿見られるなんて一生の恥だ。
「ま、悪かぁねぇな」
そう言いながら短いスカートから覗く脚に手を伸ばす。
「うちはお触り禁止だ!」
「つれねぇなあ。いつもそれ以上の事してんだろ?」
「うるせぇ!つか、なんで俺だってわかって…?」
見た目だって変わってるし、服装なんて不本意ながらミニスカポリスである。店に来る客は俺が真選組副長だなんて誰一人として気付いていないのに。
「あ?好いたヤツはどんななりしてても分かるもんだろ」
「へ?」
今、コイツは好いたヤツと言ったのか?コイツが俺を?
「どうした、土方」
高杉が顔を近付けてくる。サラリと髪が流れた。
「い、今なんつった…?」
「あ?」
「いいいいますすす、好いたって…?」
「んな事で動揺してんのか?いつも布団の上で言ってんだろ。あぁ、そうかヨくて飛んじまっててっから聞こえてなかったのか」
そのまま高杉は俺を壁に抑えつけ耳に口唇を寄せる。
「好きだぜ、十四郎」
「!!!」
思わず突飛ばしたが、思ったよりも力が入っていなかったようで高杉は少しよろけただけだった。
「やめろ…!」
「やめろ?って。んな顔真っ赤にしておいて、嫌がってるようには見えねぇけどなぁ」
ククッと笑うと高杉にまた距離を詰められスカートの裾から手が入りこんでくる。
「もう戻らねぇと仕事が…!」
本当は戻りたくはないがこの状況よりはマシだと自分に言い聞かせる。
首もとに小さな痛みが走る。
「おまっ!何すんだ!!」
「虫除けに決まってんだろ」
「このバカ!ハゲ!」
「ハゲてねぇ」
高杉の身体を引き剥がすと店へと走る。身体が重くて足が止まりそうだが今はそんな事を言ってる場合ではない。
汗だくになりながら店の前に着くと近藤さんが心配そうに駆け寄ってきた。
「大丈夫?何かあったの?」
「いや…大丈夫だ」
「ならいいのだけど…とりあえず中で休みましょう」
「ああ…」
中に入ると「X子ちゃんまだぁ?」という声が聞こえてきた。まるで前門の虎後門の狼みたいな状況だ。ああ本当にツイてねぇ。早く元の姿に戻りたいそう思った。
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