Sugary × Indulge...!
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Sugary × Indulge...3
ガイくんに案内されホテルZへ到着。
外壁は蔦が這っていて、ミアレの街中にここだけが少し異質な雰囲気を醸し出していた。
古めかしさを感じるかもしれない、と言っていたが中へ入ってみるとそこまでは…といった感じで、絵画やお花などの植物が飾られており綺麗にされている。
つぎはぎのカーテンと、おそらくロビーの共用スペースであろう場所には統一感の無いちぐはくの椅子同士が寄せ集められていて、そこだけ少し気になったくらいだ。
「おーい!みんな、いるかー?」
ホテルの住人に呼びかけるガイくん。
どんな人達なのかなぁ、ほんの少し緊張する。
「は〜い!今ちょっと奥の部屋にいるよ!」
「暇ならガイがこちらへ来てください」
「いや、そういうわけにもいかなくてさぁ」
声色からして女の子と男の子の声。
奥の部屋で作業をしているのかな、声だけが聞こえる。
「ちょっと〜来れないってどゆこと?」
奥の部屋からひょっこりと顔を覗かせた女の子。
艶やかな黒髪で、シースルーバングが今時な印象を与える元気そうな女の子。
わたしの存在に気付くと、もともとぱっちりとした大きな瞳をさらに大きく見開き『誰!?』と一言。
「どうかしたんですか、デウロさん…」
その声につられるように、奥からもう1人姿を現した。
おそらく男の子。
褐色な肌に特徴的なヘアスタイルで、表情や感情表現は控えめな子なのか、わたしと目が合ってもさほど驚く様子は見受けられなかった。
「どちら様ですか…」
「あ〜、ゴメン!今から説明する!」
♦︎♦︎♦︎
「〜ってな経緯で、今日からミアレにやって来たカナタだ!」
「確かに、ミアレに上京って…ワクワクしちゃう気持ちわかるなぁ。あたしはデウロ!よろしくね、カナタさん」
「ボクはピュールと言います。よろしくお願いします」
「もう1人、セイカっていうやつが居るんだけど、ちょっと出掛けてるみたいだからまた今度紹介するな!」
ガイくんがここまでの経緯をざっくり説明してくれた。
みんななんだか優しそうな雰囲気でほっとした。
『ホテルZの皆さん、はじめまして。
わたしはカナタって言います。
本日からお世話になります、よろしくお願いします!』
「ふふ、堅苦しいよぉカナタさん!」
初対面の自己紹介なのでちょっと畏まってしまったらデウロちゃんに笑われてしまった。
「まったく…ガイはすぐ女性をホテルに連れ込むんですから。自重してください」
「なっ!ピュール!語弊のある言い方するなって!」
「だって事実じゃないですか」
「うっ、にしても悪意があるだろ…!」
あ、事実なんだ…。
わたしも初対面の時ガイくんのびっくり発言には驚かされたし、この子の将来が微妙に心配になるな…。
「カナタさん、結構ヤバめな発言だったと思うから補足なんだけどね、セイカって子もミアレに来て早々ひょんなことからガイに連れられてこのホテルZにやって来たんだ〜」
セイカは女の子でね、それでピュールってばあんな言い方して…と苦笑いするデウロちゃん。
なるほど。
今のわたしと似た境遇の子がいたのか。
セイカちゃん、どんな子なんだろう。
「よし!!それじゃ今日からカナタもホテルZの仲間入りだ!改めてみんな、よろしく頼むぞ!!」
「「おー!」」
♦︎♦︎♦︎
空いている客室を一室使わせてもらうことになった。
宿泊費は払うよとガイくんに言っても、大丈夫だから気にすんなの一点張りでこちらが折れてしまった。
早く新居を見つけて、みんなの負担を軽減させてあげなくちゃ…。
コンコンコン、
部屋の中で荷下ろしをしていると、部屋の扉をノックされたので応じるとデウロちゃんが様子を見にきてくれたようだ。
「カナタさん!少しは荷下ろし落ち着いたかな?」
『うん、だいぶまとまったよ!こんな綺麗なお部屋をしばらく
借りられるなんて、ほんと助かっちゃったぁ』
ガイくんは古い建物だって言ってたから、ちょっと心配してたけど全然気にならなかったと話せば、そうだよね!めっちゃわかる!と微笑むデウロちゃん。
ダンサーを夢見てミアレへ上京したこと、シェアハウスしていた友達が先に夢を成功させ、別居せざるを得なくなり家賃問題で泣く泣く退去、路頭に迷っていたところガイにホテルZへ来ないかと誘われたこと…色んな話を聞かせてくれた。
「カナタさんは、ミアレに何がしたくてやって来たの?」
『えっと〜…色々あるんだけどね、1番の目的はカフェ巡り!
ミアレシティって、テラスタイプのカフェがたくさんあって
すんごいオシャレで素敵だよね!!
あーあと、パン屋巡りも趣味だから、
お気に入りのパン屋さんを見つけるってのも楽しそう!!』
「うんうん!ワクワクがいっぱいだねぇ!」
デウロちゃんが色んな身の上話を話してくれたからか、私自身も自然に聞かれてもないことまでつらつら話していた。
何よりもデウロちゃんが表情豊かにリアクションしてくれるのがつい話してしまいたくなる原因なのかもしれない。
「あ!そうだ、忘れるとこだった!
カナタさんの歓迎の意味も込めて、ガイがお昼ご飯作ってくれてるの〜!」
『え!本当に!?』
「うん!もうすぐできるから呼んできてって頼まれて来たのに、うっかり忘れるところだった!えへへ…」
カナタさんとのお話が楽しくってつい!
と続けるデウロちゃん。なんて可愛い子なんだろうか。
『ご飯の話になったら急にお腹空いてきちゃった〜』
「だよねぇ、それじゃ急ご!」
♦︎♦︎♦︎
「ごめ〜ん!ちょっと遅れちゃった!」
「大方デウロさんがおしゃべりしてたんでしょう」
「う〜ん、まぁその通りなんだけど…」
「その間にセイカも帰ってきてたぞ!」
「ただいま!」
「セイカ!じゃあ上手く時間稼ぎできた、ってことで〜」
「……そういうことにしてあげますよ」
「やったあ」
わたしが部屋で荷下ろししている間に、ホテルZ最後の住人セイカちゃんが帰宅していたようで、真っ先にわたしを見つけて握手をしてくれた。
白地に赤色のアルファベットのMのようなライン入りのデザインをしたハットを被り、緑と黒のカラーリングのジャケットを羽織った女の子。
『カナタです、よろしく!セイカちゃん』
「こちらこそ、よろしく!」
「よし!みんな揃ったし昼メシにするぞ!」
セイカちゃんとの出会いも足早に、ガイくんが人数分のお昼ご飯を並べてくれる。
『わぁ…!なにこれ美味しそう!』
「オレ特製のクロワッサンカレーだ!」
「見た目こそ美意識に反しますが…」
「ピュールはいつもこう言うけど美味しいよぉ」
「うん!百見は一食にしかず、まずは実食してみて!」
『いただきます…!』
まずはカレーライス部分を一口、カレーは間違いないもんね、そりゃあ美味しい。
ゴロッとした野菜がほくほくしていて、ピリっと辛い味を程よく中和してくれている。
ライスも薄く黄色がかっていてターメリックかな、
一手間、手が込まれている。
注目すべきはこのクロワッサン…!
3つのクロワッサンがカレーライスの支柱を囲むように配置され、まるでカレーを堰き止めているダムかの如くずっしりと佇んでいる。
『うん、すっごく美味しい!!
カレーは言うまでもなくて、クロワッサンは外サクサク!
パンにカレーをディップしてもまたなんか味変って言うか…!』
「だろー!!」
「カナタさんのお口に合ってよかった〜」
「ホテルZの名物にしようと考えてるんだよね」
「まあ…味は間違いないですからね」
『これはお金取ってもいいレベル!
普通に集客にもなるんじゃないかなぁ!』
「ガイはこれをお祝い事とかで振る舞ってくれる、とっておきの一品なんだよ」
確かに。ライスにパン、炭水化物同士の組み合わせ…
そして加えてカレーと、まさにカロリーの暴力と言っても過言ではない。
特別な一品だからこそ、貴重で価値あるメニューなのかもしれない…。
「カナタさんもここの住人になるなら、いつだってこれがタダで食べれちゃうよぉ」
『え…!?それは流石に甘えすぎちゃってない?!
いいよ!わたしこれでも社会人だし、ちゃんとお支払いさせてもらうよ!』
「カナタは律儀すぎ。
オレがいいって言ってんだから、いいんだよ!」
と、ガイくんは気にするなと言うけれど…
宿泊費も食費も…至れり尽せり過ぎて、住人最年長のわたしとしては胸が痛むよ……
『じゃあ何か、…せめてその、わたしもみんなの力になれるようなことないかな!?なんでも言って!』
一宿一飯の恩義じゃないけれど、
ここまで良くしてもらってわたしは何もせずにはいられない。
「うーん、そうだなぁ…」
クロワッサンカレーを食べる手を止め、ガイくんはしばし考えこむ。
「あ…!そうだ!」
閃いた!というリアクションをし、パチンっと指を鳴らしたガイくん。
相反して冷めた様子で、ピュールくんがぼそっと一言。
「カナタさん、諦めてください。
あれは何か良からぬことを思いついた時のガイです」
『へ…?!』
「カナタもMZ団になればいい!!!」
「「 え!? 」」
「それで、ホテル代もメシ代もチャラになる!!」
「「 ええ!? 」」
「オレもカナタ助けできて、カナタも助かる!
これぞまさに、ウィンウィン!!」
「「 えぇ〜〜ッ!? 」」
『ちょっと待って!?…MZ団とは!?!?』
「簡単に言ったら、ミアレの街を守る集団!」
「自警団みたいなものですかね」
「大方のゴタゴタは、我等がリーダーとエースの2人が片付けてくれたもんねぇ」
「何言ってんの!デウロもピュールも頑張ってくれてるよ!」
「うぅ、セイカ〜〜!」
わたしがミアレに来る前に、
それこそセイカちゃんが観光でミアレへやって来た頃。
ミアレの街に発生した《メガエネルギー》によりトレーナーを持たない野生ポケモンが自らの意思に反しメガシンカしてしまうという現象が起きていたそうだ。
これを《暴走メガシンカ》と呼び、メガシンカ状態は、身体への負荷が大きくポケモンが苦しむことになってしまうため放っておくと街の平和を脅かしかねないと問題視され、そこで暴走メガシンカポケモンを発見してはMZ団が鎮めていった、というこれまでの活動記録を教えてもらった。
『でも、そんな大変そうなこと…
わたし対応できる自信ないよ…!』
「大丈夫!あたし達も最初はカナタさんと同じだったもん!それに今のミアレは平和だから、そんな身構えなくても大丈夫だよ」
「ガイやセイカが特殊なだけで、普通の人間はそれが当たり前の反応ですよ」
「#da=1#]はポケモンバトルの経験はあるか?」
『うん、一応パルデアにいた頃にジムバッチは制覇してるよ』
「なら話は早いな!郷に行っては郷に従え、ミアレで暮らすならミアレのルールに則り、カナタもZAロワイヤルに参加してもらう!」
「んも〜、ガイはいつも唐突!」
「いい加減慣れましょうデウロさん…」
「はぁ〜…」
MZ団ではこれが日常のようで、リーダーのガイくんが言ったことにメンバーみんな振り回されている様子。
とんとん拍子に話が進んでいき、MZ団に入団したわたしは入団の証に後日MZ団のロゴを衣類に刺繍していただけるとのことで(しかもピュールくんお手製!)それはすっごく楽しみではあるんだけど…
平和ボケしていて久々のポケモンバトル…そっちはなんだか少し不安だなぁ…。
とりあえず、今日はミアレにやって来た初日で色々あって頭もいっぱいだろうしということで、しばらく部屋でのんびりしたあと、街を案内してもらったりしてゆっくり過ごした。
うん、絶対に今日はよく眠れるはず。
また明日から、新生活楽しむぞ〜!!
to be continued...!
よく考えたらデウロちゃんもホテルに連れ込まれている…😂
ガイくんに案内されホテルZへ到着。
外壁は蔦が這っていて、ミアレの街中にここだけが少し異質な雰囲気を醸し出していた。
古めかしさを感じるかもしれない、と言っていたが中へ入ってみるとそこまでは…といった感じで、絵画やお花などの植物が飾られており綺麗にされている。
つぎはぎのカーテンと、おそらくロビーの共用スペースであろう場所には統一感の無いちぐはくの椅子同士が寄せ集められていて、そこだけ少し気になったくらいだ。
「おーい!みんな、いるかー?」
ホテルの住人に呼びかけるガイくん。
どんな人達なのかなぁ、ほんの少し緊張する。
「は〜い!今ちょっと奥の部屋にいるよ!」
「暇ならガイがこちらへ来てください」
「いや、そういうわけにもいかなくてさぁ」
声色からして女の子と男の子の声。
奥の部屋で作業をしているのかな、声だけが聞こえる。
「ちょっと〜来れないってどゆこと?」
奥の部屋からひょっこりと顔を覗かせた女の子。
艶やかな黒髪で、シースルーバングが今時な印象を与える元気そうな女の子。
わたしの存在に気付くと、もともとぱっちりとした大きな瞳をさらに大きく見開き『誰!?』と一言。
「どうかしたんですか、デウロさん…」
その声につられるように、奥からもう1人姿を現した。
おそらく男の子。
褐色な肌に特徴的なヘアスタイルで、表情や感情表現は控えめな子なのか、わたしと目が合ってもさほど驚く様子は見受けられなかった。
「どちら様ですか…」
「あ〜、ゴメン!今から説明する!」
♦︎♦︎♦︎
「〜ってな経緯で、今日からミアレにやって来たカナタだ!」
「確かに、ミアレに上京って…ワクワクしちゃう気持ちわかるなぁ。あたしはデウロ!よろしくね、カナタさん」
「ボクはピュールと言います。よろしくお願いします」
「もう1人、セイカっていうやつが居るんだけど、ちょっと出掛けてるみたいだからまた今度紹介するな!」
ガイくんがここまでの経緯をざっくり説明してくれた。
みんななんだか優しそうな雰囲気でほっとした。
『ホテルZの皆さん、はじめまして。
わたしはカナタって言います。
本日からお世話になります、よろしくお願いします!』
「ふふ、堅苦しいよぉカナタさん!」
初対面の自己紹介なのでちょっと畏まってしまったらデウロちゃんに笑われてしまった。
「まったく…ガイはすぐ女性をホテルに連れ込むんですから。自重してください」
「なっ!ピュール!語弊のある言い方するなって!」
「だって事実じゃないですか」
「うっ、にしても悪意があるだろ…!」
あ、事実なんだ…。
わたしも初対面の時ガイくんのびっくり発言には驚かされたし、この子の将来が微妙に心配になるな…。
「カナタさん、結構ヤバめな発言だったと思うから補足なんだけどね、セイカって子もミアレに来て早々ひょんなことからガイに連れられてこのホテルZにやって来たんだ〜」
セイカは女の子でね、それでピュールってばあんな言い方して…と苦笑いするデウロちゃん。
なるほど。
今のわたしと似た境遇の子がいたのか。
セイカちゃん、どんな子なんだろう。
「よし!!それじゃ今日からカナタもホテルZの仲間入りだ!改めてみんな、よろしく頼むぞ!!」
「「おー!」」
♦︎♦︎♦︎
空いている客室を一室使わせてもらうことになった。
宿泊費は払うよとガイくんに言っても、大丈夫だから気にすんなの一点張りでこちらが折れてしまった。
早く新居を見つけて、みんなの負担を軽減させてあげなくちゃ…。
コンコンコン、
部屋の中で荷下ろしをしていると、部屋の扉をノックされたので応じるとデウロちゃんが様子を見にきてくれたようだ。
「カナタさん!少しは荷下ろし落ち着いたかな?」
『うん、だいぶまとまったよ!こんな綺麗なお部屋をしばらく
借りられるなんて、ほんと助かっちゃったぁ』
ガイくんは古い建物だって言ってたから、ちょっと心配してたけど全然気にならなかったと話せば、そうだよね!めっちゃわかる!と微笑むデウロちゃん。
ダンサーを夢見てミアレへ上京したこと、シェアハウスしていた友達が先に夢を成功させ、別居せざるを得なくなり家賃問題で泣く泣く退去、路頭に迷っていたところガイにホテルZへ来ないかと誘われたこと…色んな話を聞かせてくれた。
「カナタさんは、ミアレに何がしたくてやって来たの?」
『えっと〜…色々あるんだけどね、1番の目的はカフェ巡り!
ミアレシティって、テラスタイプのカフェがたくさんあって
すんごいオシャレで素敵だよね!!
あーあと、パン屋巡りも趣味だから、
お気に入りのパン屋さんを見つけるってのも楽しそう!!』
「うんうん!ワクワクがいっぱいだねぇ!」
デウロちゃんが色んな身の上話を話してくれたからか、私自身も自然に聞かれてもないことまでつらつら話していた。
何よりもデウロちゃんが表情豊かにリアクションしてくれるのがつい話してしまいたくなる原因なのかもしれない。
「あ!そうだ、忘れるとこだった!
カナタさんの歓迎の意味も込めて、ガイがお昼ご飯作ってくれてるの〜!」
『え!本当に!?』
「うん!もうすぐできるから呼んできてって頼まれて来たのに、うっかり忘れるところだった!えへへ…」
カナタさんとのお話が楽しくってつい!
と続けるデウロちゃん。なんて可愛い子なんだろうか。
『ご飯の話になったら急にお腹空いてきちゃった〜』
「だよねぇ、それじゃ急ご!」
♦︎♦︎♦︎
「ごめ〜ん!ちょっと遅れちゃった!」
「大方デウロさんがおしゃべりしてたんでしょう」
「う〜ん、まぁその通りなんだけど…」
「その間にセイカも帰ってきてたぞ!」
「ただいま!」
「セイカ!じゃあ上手く時間稼ぎできた、ってことで〜」
「……そういうことにしてあげますよ」
「やったあ」
わたしが部屋で荷下ろししている間に、ホテルZ最後の住人セイカちゃんが帰宅していたようで、真っ先にわたしを見つけて握手をしてくれた。
白地に赤色のアルファベットのMのようなライン入りのデザインをしたハットを被り、緑と黒のカラーリングのジャケットを羽織った女の子。
『カナタです、よろしく!セイカちゃん』
「こちらこそ、よろしく!」
「よし!みんな揃ったし昼メシにするぞ!」
セイカちゃんとの出会いも足早に、ガイくんが人数分のお昼ご飯を並べてくれる。
『わぁ…!なにこれ美味しそう!』
「オレ特製のクロワッサンカレーだ!」
「見た目こそ美意識に反しますが…」
「ピュールはいつもこう言うけど美味しいよぉ」
「うん!百見は一食にしかず、まずは実食してみて!」
『いただきます…!』
まずはカレーライス部分を一口、カレーは間違いないもんね、そりゃあ美味しい。
ゴロッとした野菜がほくほくしていて、ピリっと辛い味を程よく中和してくれている。
ライスも薄く黄色がかっていてターメリックかな、
一手間、手が込まれている。
注目すべきはこのクロワッサン…!
3つのクロワッサンがカレーライスの支柱を囲むように配置され、まるでカレーを堰き止めているダムかの如くずっしりと佇んでいる。
『うん、すっごく美味しい!!
カレーは言うまでもなくて、クロワッサンは外サクサク!
パンにカレーをディップしてもまたなんか味変って言うか…!』
「だろー!!」
「カナタさんのお口に合ってよかった〜」
「ホテルZの名物にしようと考えてるんだよね」
「まあ…味は間違いないですからね」
『これはお金取ってもいいレベル!
普通に集客にもなるんじゃないかなぁ!』
「ガイはこれをお祝い事とかで振る舞ってくれる、とっておきの一品なんだよ」
確かに。ライスにパン、炭水化物同士の組み合わせ…
そして加えてカレーと、まさにカロリーの暴力と言っても過言ではない。
特別な一品だからこそ、貴重で価値あるメニューなのかもしれない…。
「カナタさんもここの住人になるなら、いつだってこれがタダで食べれちゃうよぉ」
『え…!?それは流石に甘えすぎちゃってない?!
いいよ!わたしこれでも社会人だし、ちゃんとお支払いさせてもらうよ!』
「カナタは律儀すぎ。
オレがいいって言ってんだから、いいんだよ!」
と、ガイくんは気にするなと言うけれど…
宿泊費も食費も…至れり尽せり過ぎて、住人最年長のわたしとしては胸が痛むよ……
『じゃあ何か、…せめてその、わたしもみんなの力になれるようなことないかな!?なんでも言って!』
一宿一飯の恩義じゃないけれど、
ここまで良くしてもらってわたしは何もせずにはいられない。
「うーん、そうだなぁ…」
クロワッサンカレーを食べる手を止め、ガイくんはしばし考えこむ。
「あ…!そうだ!」
閃いた!というリアクションをし、パチンっと指を鳴らしたガイくん。
相反して冷めた様子で、ピュールくんがぼそっと一言。
「カナタさん、諦めてください。
あれは何か良からぬことを思いついた時のガイです」
『へ…?!』
「カナタもMZ団になればいい!!!」
「「 え!? 」」
「それで、ホテル代もメシ代もチャラになる!!」
「「 ええ!? 」」
「オレもカナタ助けできて、カナタも助かる!
これぞまさに、ウィンウィン!!」
「「 えぇ〜〜ッ!? 」」
『ちょっと待って!?…MZ団とは!?!?』
「簡単に言ったら、ミアレの街を守る集団!」
「自警団みたいなものですかね」
「大方のゴタゴタは、我等がリーダーとエースの2人が片付けてくれたもんねぇ」
「何言ってんの!デウロもピュールも頑張ってくれてるよ!」
「うぅ、セイカ〜〜!」
わたしがミアレに来る前に、
それこそセイカちゃんが観光でミアレへやって来た頃。
ミアレの街に発生した《メガエネルギー》によりトレーナーを持たない野生ポケモンが自らの意思に反しメガシンカしてしまうという現象が起きていたそうだ。
これを《暴走メガシンカ》と呼び、メガシンカ状態は、身体への負荷が大きくポケモンが苦しむことになってしまうため放っておくと街の平和を脅かしかねないと問題視され、そこで暴走メガシンカポケモンを発見してはMZ団が鎮めていった、というこれまでの活動記録を教えてもらった。
『でも、そんな大変そうなこと…
わたし対応できる自信ないよ…!』
「大丈夫!あたし達も最初はカナタさんと同じだったもん!それに今のミアレは平和だから、そんな身構えなくても大丈夫だよ」
「ガイやセイカが特殊なだけで、普通の人間はそれが当たり前の反応ですよ」
「#da=1#]はポケモンバトルの経験はあるか?」
『うん、一応パルデアにいた頃にジムバッチは制覇してるよ』
「なら話は早いな!郷に行っては郷に従え、ミアレで暮らすならミアレのルールに則り、カナタもZAロワイヤルに参加してもらう!」
「んも〜、ガイはいつも唐突!」
「いい加減慣れましょうデウロさん…」
「はぁ〜…」
MZ団ではこれが日常のようで、リーダーのガイくんが言ったことにメンバーみんな振り回されている様子。
とんとん拍子に話が進んでいき、MZ団に入団したわたしは入団の証に後日MZ団のロゴを衣類に刺繍していただけるとのことで(しかもピュールくんお手製!)それはすっごく楽しみではあるんだけど…
平和ボケしていて久々のポケモンバトル…そっちはなんだか少し不安だなぁ…。
とりあえず、今日はミアレにやって来た初日で色々あって頭もいっぱいだろうしということで、しばらく部屋でのんびりしたあと、街を案内してもらったりしてゆっくり過ごした。
うん、絶対に今日はよく眠れるはず。
また明日から、新生活楽しむぞ〜!!
to be continued...!
よく考えたらデウロちゃんもホテルに連れ込まれている…😂
