猫とじゃれる



ふりふり

ふらふら

文次郎の目の前になんとも魅力的な、薄緑色の猫じゃらしが揺れる。

「長次、やめろ」

不機嫌そうな声は、屈辱に震える。

ふりふり

「やめ、ろ、」

文次郎の心は嫌がるのに、身体は簡単にその誘惑に乗る。

たしっ、たしっ

ぱたん、ぱたん、

猫じゃらしをはたく。楽しそうに尻尾が揺れる。
恥ずかしくても、なぜか止められないのだ。

「長次っ・・・もうやだ・・・留三郎と仙蔵も見てるのに・・・」

羞恥に濡れた瞳を、もっととろとろにしたい。
我慢が出来ずに、長次が懐からもうひとつ、秘密兵器を取り出す。

「文次郎、おいで」

猫じゃらしでほどよく解れた身体は、またたびに酩酊してくたりと長次にもたれかかる。

「いい子だ」

ごろごろ、ふわふわ、ぱたぱた

自由にならない猫の身体が、陥落する。

「うわ、なんだこの見ちゃいけないもの見てるような感じ」
「私はとても楽しいぞ」

他に猫の好きな遊びを竹谷に聞きにでも行こうかと考えながらも、じゃれあう2人から目が離せない留三郎と仙蔵であった。

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