このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

猫にまっしぐら



はるか昔、留三郎が文次郎をからかう為に黄色いぶちネコの猫耳と尻尾と手袋を作ったことがある。
「今度は何を作った留三郎」
「俺じゃねぇ!作ってねぇ!疑うなら今回は伊作だろうが!」
そして、本日文次郎に猫耳と尻尾が生えた。
「うるさい。文次郎に猫耳と尻尾をつける趣味などお前以外に持っているわけがなかろう」
「無実だ!!」
叫ぶ留三郎を横目に仙蔵は文次郎に目をやった。
黒に灰色の縞模様の猫耳と尻尾をつけて、丸まって眠る姿。
耳や尻尾だけでなく、中身まで猫のようになっているようだ。
「そもそも俺の手袋と尻尾燃やしたのはお前だろうが!」
ぶち猫シリーズは仙蔵曰く「私の美意識に反する」と言って燃やされた。
「当たり前だ。文次郎には黒系の耳と尻尾に決まっているだろう。だから、今回の耳と尻尾は私としても気に入っている。及第点だ留三郎」
犯人が留三郎であることは既に仙蔵の中では確定事項であった。
「というかお前も文次郎に猫耳ありだと思ってんじゃねぇか」
「犬より猫派だ」
「んにゃ・・・うるせぇ・・・」
「おお、おはよう文次郎」
仙蔵の声が柔らかくなった。留三郎相手とは天と地ほどの差である。
「徹夜明けで疲れてんだ。静かに寝かせ、ろ・・・ふにゅう」
再び丸まって眠る文次郎を観察した。
心なしか日向に移動をしている姿は、まさしく日向ぼっこ中の猫そのもの。
「留三郎、及第点では失礼だったな。満点だ」
「俺もそう思う。伊作グッジョブ」
小声で和解をした2人は、静かに学園の庭の猫じゃらしの群生地と保健室の棚のまたたびを如何にして拝借するかに思いを馳せた。

1/1ページ
    スキ