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とろとろ、火が揺れる。
油が勿体無い、消せ、
静かに呟く声は艷やかに掠れた。
月明かりと星明かりだけを頼りに手探りで触れることなどわけもない。
お前の身体は隅々まで知ってる。
そうは思っても、火に照らされた肢体が腰をしならせ、汗に濡れる姿をこのまま逃すのは惜しい。

「なぁ、勝負しようぜ」

先に声を上げたほうが負け。
負けたらお前の言うとおり、灯、消してやるよ。
そう囁くと、きっと睨みつけてから唇を噛み締める。
掠れた声で喘ぐ姿もそそるが、悔しそうに唇を噛み締めて、封じた声の代わりに目尻から溢れる涙が堪らなく艶っぽい。
橙の炎に浮かぶその表情が見たくて、この勝負を持ち掛けた。
負ける気はしないが、勝っても負けても得をするのは俺なのだ。
溢れそうになる笑い声を抑えて、布団に泳ぐ肢体に触れた。

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