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勝負



ぱたぱた
水滴が床に落ちる音がする。
「おい、しっかり拭いてから来いよ」
同棲生活の最初の夜、ということで期待をしてみた。
どうやらあちらもその気だったようで、仕事からの帰宅後は風呂に直行。
いつもならスウェットをきっちり着込むのに今はまるで無防備にタオルを首からかけてスボンだけ履いている。
なぁ、お前そんなに無防備でどうするのか、同棲は今日からでも3年来の恋人だ。やることはしっかりやっている。
ならばその格好がどういう事なのかはもちろん分かっているはずだ。
「留三郎、お前もさっさと風呂入ってこい」
3日前、首筋につけた痕はもちろんまだ色濃く残っている。
綺麗に筋肉のついた腹筋に水の筋が流れる。
こういうのを男の色気、というのだろう。
これを今から組み敷いて、低く唸るような喘ぎ声を堪能するのだ。
なんという贅沢。
これが自分だけに許された特権なのだ。
他の誰にも譲らないし、譲る気もない。
「おう、入ってくるから首洗って待ってろ」
挑発するような言葉に背中越しの文次郎が小さく笑った。

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