ぷれぜんと ふぉー ゆー
誕生日、それは室町時代にはなく、現代だからこそ祝える、新たな行事の一つである。
「文次郎!くらえ!」
土下座と保護者(仙蔵)の説得の末、やっと実った文次郎との同棲。
その愛の巣に久しぶりに(修学旅行から)帰ってきた文次郎に買ってきた箱を投げる。
「おい、なんだかしらねぇがものを投げるな」
そう言いながら文次郎が床に落ちた箱を拾うと、リボンの巻かれたその箱を見てニヤニヤと腹のたつ顔をしていた。
「照れ隠しかよ」
それが自分宛の誕生日プレゼントだと気付いたのだろう。
リボンを解くと、箱の中から一回り小さなリボンの巻かれた箱が出てくる。
同じ作業を4回ほど繰り返し、箱をきっちり机に大きさ順に並べていく。妙なところで几帳面なのだ。そんなところをきっちりするくらいならあのたまに披露される謎の大雑把料理をなんとかして欲しい(なのになんで美味いんだあれ、盛り付けも見た目も最悪だけど)
「おい、いつまで続くんだよ」
文句を言いながらリボンを解くと、最後の箱に行き着いたらしい。
中にはチェーンとリングが入っていた。
仕事中は絶対に指輪はつけないからいらないと言い続けていた文次郎になんとしてでも指輪を渡したくて、チェーンを付けた。
服の中にペンダントとして付けるなら構わないはずだ。
「おい、文次郎。俺のプレゼントの素晴らしさに驚いたならその几帳面に並べた箱全部裏返せ」
きっと並べるだろうことはお見通しなのだ。
裏返した箱には感動のメッセージが書いてある。
(一諸に暮らそう)
「留三郎、お前やっぱり馬鹿だろ」
諸の字は糸編だと赤ペンで添削された。
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