このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

女の首



障子を開ける。
足元を見る。
そこにあるのは黒髪の女の首である。
女はこちらを見てニタリと笑う。
あの女は文次郎が先日戦場で見た女だった。
あぁ、死んだのか。着いてきてしまったのか。
供養もろくにできやしない、坊主でもない。
ただ目が合っただけであるのに。
恨めしそうな目がニタリと笑う。
笑ったなら、もうきっと壊れたのだろう。
恨めしそうな顔をしている間はまだ正常なのだ。
しかし、笑ったら駄目だ。恨みが笑いに変じたら、それはもう人ではないなにかなのだ。

人でなくなった女を置いて、静かに障子を閉めた。
今夜は暑いが仕方がない。

1/1ページ
    スキ