くりすます
くりすますとは南蛮の風習らしく、赤い服に髭を蓄えたドクタケ忍者のような面妖な老人が真夜中に家屋に忍び込み勝手に子供に贈り物を置いていくという、なんとも奇妙な行事らしい。
忍術学園ではこの風習を初めて知ったとき、上級生は子供に入るのか、その老人を如何にして捕まえるかと当時の六年生は意気込んだらしいが、本当はそんな老人はいないと教えられ拍子抜け。そして、贈り物を貰えると楽しみにしていた下級生は一様に泣きそうな顔をしていた。
悲劇を二度と繰り返さないため、やり方は生徒に任せるがどの委員会も委員長の引き継ぎの時に必ずくりすますとやらの真相を次の委員長に伝え、贈り物を下級生に用意するという大切な仕事を引き継ぐ。
そして、会計委員長は他の委員会と違い、もっと大きな任務を仰せつかるのだ。
「くりすます予算を下級生にバレないように委員長のみで計算し、各委員会の委員長に渡すこと」
この任務をこなすために、毎年会計委員長はくりすますの五日前から下級生に気取られないように部屋で徹夜帳簿つけをするのだ。
「もーんじろ・・・すみません、部屋間違えました」
くりすます二日前、留三郎が仙蔵と文次郎の部屋へ行くと、そこはまるで地獄絵図だった。
積み上がった帳簿に目の下を真っ黒にした文次郎、くりすますの贈り物にと仙蔵が丁寧に化粧をした大量の生首フィギュア、その横で眠る仙蔵。
文次郎に用事があったのだが、今日でなくとも大丈夫な内容のため、部屋を静かに後にした。
今話などかけたら文次郎に殺される気がする。
仙蔵はよくあんな殺気の中で眠れるものだ。
***
くりすます当日。
前日は委員長全員がプレゼント配りに奔走するのだが、今年は委員長代理や学級委員長委員会など、五年生が長を務める委員会が三つもあるため、その三つは各委員長が分担した。五年生だって、六年生にとっては可愛い下級生なのだ。代理だからと言って早めに最上級生扱いをする気はない。
今年は五年い組に立花が、ろ組に中在家が行った。五年生に贈り物を置くのが最も神経を配るので、徹夜で疲れている文次郎には声がかからないのだ。
「終わったーー!保健委員会も!無事に終了だよ!」
例年委員長の不運で何かしらの事故を起こす(下級生が厠に起きて鉢合わせしかけるなど)の保健委員会が無事に終わった。
残るは五徹目で死んでいる文次郎の会計委員会だ。
去年は大変だったと聞く。会計委員会は毎年鍛錬委員会、それゆえに気配を読むことなどを鍛え上げた五年生が在籍していると委員長の実力が問われる。しかも、五徹目。つまり、文次郎にバレまいと委員長は必死だったようだ。
さらなる難関は、予算会議の時期でもないのになぜこんな死にそうな顔をして帳簿計算をしているのかバレないように計算をするのだ。
「ただいま、田村まで終わっ・・・た・・・・・・すまん、寝る・・・」
くりすます、それは会計委員会委員長にとって最も過酷な行事である。
忍術学園ではこの風習を初めて知ったとき、上級生は子供に入るのか、その老人を如何にして捕まえるかと当時の六年生は意気込んだらしいが、本当はそんな老人はいないと教えられ拍子抜け。そして、贈り物を貰えると楽しみにしていた下級生は一様に泣きそうな顔をしていた。
悲劇を二度と繰り返さないため、やり方は生徒に任せるがどの委員会も委員長の引き継ぎの時に必ずくりすますとやらの真相を次の委員長に伝え、贈り物を下級生に用意するという大切な仕事を引き継ぐ。
そして、会計委員長は他の委員会と違い、もっと大きな任務を仰せつかるのだ。
「くりすます予算を下級生にバレないように委員長のみで計算し、各委員会の委員長に渡すこと」
この任務をこなすために、毎年会計委員長はくりすますの五日前から下級生に気取られないように部屋で徹夜帳簿つけをするのだ。
「もーんじろ・・・すみません、部屋間違えました」
くりすます二日前、留三郎が仙蔵と文次郎の部屋へ行くと、そこはまるで地獄絵図だった。
積み上がった帳簿に目の下を真っ黒にした文次郎、くりすますの贈り物にと仙蔵が丁寧に化粧をした大量の生首フィギュア、その横で眠る仙蔵。
文次郎に用事があったのだが、今日でなくとも大丈夫な内容のため、部屋を静かに後にした。
今話などかけたら文次郎に殺される気がする。
仙蔵はよくあんな殺気の中で眠れるものだ。
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くりすます当日。
前日は委員長全員がプレゼント配りに奔走するのだが、今年は委員長代理や学級委員長委員会など、五年生が長を務める委員会が三つもあるため、その三つは各委員長が分担した。五年生だって、六年生にとっては可愛い下級生なのだ。代理だからと言って早めに最上級生扱いをする気はない。
今年は五年い組に立花が、ろ組に中在家が行った。五年生に贈り物を置くのが最も神経を配るので、徹夜で疲れている文次郎には声がかからないのだ。
「終わったーー!保健委員会も!無事に終了だよ!」
例年委員長の不運で何かしらの事故を起こす(下級生が厠に起きて鉢合わせしかけるなど)の保健委員会が無事に終わった。
残るは五徹目で死んでいる文次郎の会計委員会だ。
去年は大変だったと聞く。会計委員会は毎年鍛錬委員会、それゆえに気配を読むことなどを鍛え上げた五年生が在籍していると委員長の実力が問われる。しかも、五徹目。つまり、文次郎にバレまいと委員長は必死だったようだ。
さらなる難関は、予算会議の時期でもないのになぜこんな死にそうな顔をして帳簿計算をしているのかバレないように計算をするのだ。
「ただいま、田村まで終わっ・・・た・・・・・・すまん、寝る・・・」
くりすます、それは会計委員会委員長にとって最も過酷な行事である。
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