忍務



「行け」
「わかっている」
滝夜叉丸の合図で動き始める。
悔しいが、やはり滝夜叉丸はい組なのだ。
今回の作戦参謀は喜八郎、総指揮は滝夜叉丸。
六年生の先輩方を見ていてもわかる。
参謀の立花先輩、総指揮の潮江先輩。
い組とは、そういう組だ。
組み分けはただの偶然、入学金を支払った順とはいえ、一刻も早くと入念に準備をして誰よりも早く学園に辿り着いた。
逆に我がろ組は先陣を切ることが多い。
は組は実戦経験の多さから参謀の補佐をしつつ表に出る。
我が学年は途中編入二人という異色の学年だが、それは変わらない。
それを見越した編入組の組み分け。
学園長や先生方の判断は正しく、タカ丸さんは実戦というよりも社会経験の多さから参謀補佐に向いている。
タカ丸さんの頭の柔らかさは、い組の二人にはないものだ。
守一郎は火器については勉強中とはいえ、たった一人で籠城をし続けてきた生粋の忍びだ。
血の気も多く、先陣切って戦うに相応しい。
そして私は、この学年で誰よりも過激な武器に詳しく、そして実力もある。
学年が上がるにつれて別れる組ごとの役割を感じる。
五年生、六年生の先輩方を思い出す。
私たちもあのようにならねばならぬ。
そのためには、今この瞬間のこの忍務、誰よりも派手に、誰よりも美しく戦って見せるがこの田村三木ヱ門の役目だと心得て、導火線に火をつけた。

1/1ページ
    スキ