神隠し未遂



異界というのは案外近くにあるものだ。
幽霊も、妖怪も、潮江文次郎にとってはそういうものだった。
「めんどくせぇなぁ」
小さく零す文次郎の目の前には別れ道、来る時にはなかったものだ。道を間違えた訳では無い。
「狸だか狐だか知らねぇが今日は急いでんだよ」
瞬きをすると、道は真っ直ぐ一本に伸びていた。

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