壬生狼との対峙(番外)
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「良い目をするじゃないか…。」
「貴方には負けますよ。」
権兵衛も不敵な笑みを浮かべると、二人はどちらからともなく抜刀した。
「見たところ相当な使い手のようだが…、何故気配を消さないんだ?」
「貴方も同じ事を聞くんですね…、何故消す必要が?」
「腕の立つ奴程目を付けられない様常に気配を隠すものだろう。汚れた仕事をするのに見回り役に目を付けられたんじゃやりにくい事この上ないからな。」
「一度殺り合ってみたかったんですよ…、壬生狼と…。」
まるで悪巧みでもしている様な表情を浮かべ権兵衛は飴を噛み砕いた。
「目を付けられようが先回りされようが討てばいいだけのことです。さして変わりはしないですよ。」
「楽観的だな…。その考え…嫌いじゃあない。」
そう言い男は笑みを深くすると権兵衛に刀を突きつける様に構え、片手を刃先に添え腰を落とした。
「珍しい構えですね。我流ですか…?」
「俺から一本取れたら教えてやる。」
「えぇ~、面倒くさい人ですねぇ…。」
口を尖らせた権兵衛は刀を構える。
「なんだ…、来ないのか?」
「仕掛けて来たのはそっちですよ。」
「フッ…そうか。」
男は短く返し権兵衛目掛け踏み込んで来ると、射抜くように権兵衛へと刀を突き立てた。
権兵衛は斬撃をくらう紙一重で体をずらしそれを避けた。
すると男は刀をそのまま横凪ぎ権兵衛を斬りに掛かった。
「…ッ…?!」
権兵衛は刀を避けようと腰を落とし屈むと地を蹴り男の間合いから一気に後方へと飛び退いた。
「流石に速いな。」
瞬時に体を捻り攻撃を交わした権兵衛に男は呟いた。
「なかなかやりますね。」
そう言った権兵衛の右肩は着物が大きく破れ赤く染まっていた。
先刻の突きの攻撃を紙一重で避けたせいで横凪ぎの攻撃を避けきれなかったようだ。
「…紙一重はまずかったなぁ…。」
「よく避けたな。普通の奴ならあのまま首を飛ばされて終いだ。」
男は刀に着いた血を払うともう一度先刻の様に刀を構えた。