壬生浪との対峙
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「寝返りを打ったら壁に頭をぶつけてしまって。」
正直に話せば夢の事まで話さなくてはならなくなると、権兵衛はいつもの如くふざける様にそう言った。
「それにしては随分と大きな音でしたよ?」
「そうでしたか?」
「コブなどできてないのですか?」
「石頭なので平気です。」
朝食を口に運びながら疑る大西を見る事なく返事をする。
本当に何ともないのだろうと思い、大西は追求するのを止め自分も止めていた口と手を動かし朝食を再開した。
「そう言えば今日は町で縁日が催されるようですよ。」
「それは楽しそうですね。旦那様、連れて行って下さい。」
「いいですよ。では日が傾いてきた頃にでも出掛けてみますか。」
申し出にあっさりと了承した大西に権兵衛はやっと目の前に座っている大西と目を合わせた。
「…どうしました?そんな間抜けな顔をして。」
今度は権兵衛の方が大西を疑るような顔で、半分驚いている様子の権兵衛の口は半開きの状態だ。
「はしたないその口を閉じなさい。」と大西が注意をすると権兵衛は我に返った様に口を閉じた。
「…どうかされました?」
今度は権兵衛が大西に問うてきた。
「どう、とは?」
「本当に連れて行って下さるんですか?」
「えぇ。何か不満事でも?」
「だっていつもなら憎まれ口に小言をチクチクゆって、最終的にはアタシが言いくるめて決まるようなお願いじゃないですか。即答で承知されるなんて何か変ですよ…。」
「主に仕えている人間の発言とは思えませんね…。」
何の躊躇いもなく言った権兵衛に大西は薄く青筋を浮かせた。
それも今に始まった事ではなく、寧ろ大西は権兵衛のそこを買って雇った様なものだ。
朝食を終えた大西はナプキンで口を拭くといつもの様に懐中時計を確認した。