壬生浪との対峙
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あの時、斎藤も牙突を繰り出しそれを紙一重で避けた権兵衛に間髪入れずに刀を横凪いだ。
その時に斬られた右腕。
そこに残る傷痕がまた微かに疼き権兵衛は顔を歪めた。
「…チッ…!」
─ダンッ…!!
権兵衛は一つ舌打ちをすると側の壁を苛立ちに任せ殴りつけた。
─朝、7:35
「お早う御座います。」
いつも通りの時間に起床し食堂で朝食をとっている権兵衛の元に大西がやって来た。
「お早う御座います。」
権兵衛は朝食を口に運びながら挨拶を返す。
こんな光景などもう見慣れたものではあるのだが大西は権兵衛の顔を見るなり口を開いた。
「権兵衛さん。」
「はい?」
「昨夜は夜更かしでもされていたのですか?」
その問いに権兵衛が顔を上げると、大西は自分の目の下を指差していた。
「うっすらと隈ができていますよ。」
権兵衛は目を擦るとまだ眠り足りないのか大きな欠伸をした。
そんな権兵衛を心配そうに眺めながら大西も席へ着くと朝食を食べ始めた。
「貴女が寝不足とは珍しいですね。いつも昼間のわずかな時間でもぐっすり眠ってしまうのに。」
「私だって眠れない時くらいありますよ…。」
「例えばどんな時です?」
「…………。」
眠そうな顔を天井へと向け数秒思考してみる。
「…どんな時でしょうねぇ…。」
そう呟きまた欠伸をした権兵衛に大西は呆れた様子で朝食の卵を口へ運んだ。
「そう言えば昨夜貴女の部屋から大きな物音がしましたが、あれは何だったのですか?」
「あ…。」
権兵衛は昨夜部屋の壁を殴りつけたのを思い出し小さく声を漏らした。
権兵衛の寝台のすぐ側の壁。
その壁の向こうは大西の寝室だ。
当主の睡眠中何か危険があった場合すぐに対応できるよう大西邸では食客の部屋は当主の隣、もしくは目の前の部屋と決まっている。