初めての召喚
彼らに名乗る貴方の名前は?
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いよいよ、見習いの私も自分の式神を持つことを許された日がとうとうやってきた。
大丈夫。あれほど師匠である晴明さんに手取り足取り教わったし
暇を見つければ実際に練習してみた。
五芒星とか上手くかける時もあればダメな時もあるし詠唱を間違える時も
あったけどすべてはこの時のために練習してきたんだ。
そう思いながら召喚用の霊符とにらめっこをしていると
「そう、緊張しなくてもいい」
目の前で見守る晴明さんにまるでこちらの胸中を読まれたかのように
声をかけられた。
「え、あ、はい」
顔を上げ、晴明さんと目が合う。
晴明さんはふっと口の端に微笑を携えながら
「さ、始めてみせてくれ」
と持っていた扇で口元を隠す。
私は詠唱を始めながらもふと
(五芒星以外でも召喚できるのだろうか?)
という疑念にとらわれ・・・試しに霊符に
『星』
とつい出来心で書いてしまった。
詠唱が終わり、霊符に書いてしまったことを半ば後悔しながらも
鮮やかな光を纏った薄紅色の蝶が召喚陣の形代にとまり、吸収されるのを
見守る。
風もないのにふわっと天から舞い降りたのは蛍草を持った愛らしい女の子だった。
(え?やった!!!)
晴明さんは広げていた扇をぱたんと閉じると
「成功したな。」
と微笑み、私は霊符を晴明さんに確認の為に渡す。
その間に
「初めまして。よろしくね」
と召喚したての妖であろう少女に声をかけた。
「うん。よろしく」
愛らしい声でにっこりと笑みを浮かべながらも少女は頷いた。
「私は桃花。晴明さんの下で見習いとして日々励んでおります。
貴方は?」
「私は蛍草」
お互いに自己紹介が終わると晴明さんに
「桃花」
名を呼ばれ私は内心
(あ、つい出来心でやってしまったことでのお叱りかな?)
と思いつつ
「はい」
と返事をする。
「この霊符だが…」
晴明さんは霊符を私の下に向けると
「普通なら五芒星で呼ぶのだとあれほど教えたはずだが、
何故、これを書いた?」
少し面白がってるような口ぶりで問いかける。
「すみません。五芒星を上手く書く自信がなくてつい出来心で」
晴明さんは霊符に目を落とすと
「そうか。召喚自体は見事だった。それと蛍草。
桃花をこれからもよろしく頼む」
と言い、声をかけられた蛍草は頷くと
「何て書いたの?」
と興味津々で霊符に書かれた文字をのぞき込もうとする。
「『星』だ」
晴明さんが答えると蛍草はきょとんと目をしばたかせ
「そうなんだ。お星さま好きなの?」
私の隣にちょこんと座りこむと笑顔で話しかけてきた。
「うん。星好きだよ」
まだ消えぬ緊張感があり、ぎこちなく答えてしまったが
彼女は意に介さずに
「なんだか優しそうな人でよかった。これからよろしくね」
と言ってくれた。
「うん。ありがとう!よろしく!」
私は手を伸ばすと彼女の頭をそっと撫でた。
「初めての召喚蛍草編・完」
大丈夫。あれほど師匠である晴明さんに手取り足取り教わったし
暇を見つければ実際に練習してみた。
五芒星とか上手くかける時もあればダメな時もあるし詠唱を間違える時も
あったけどすべてはこの時のために練習してきたんだ。
そう思いながら召喚用の霊符とにらめっこをしていると
「そう、緊張しなくてもいい」
目の前で見守る晴明さんにまるでこちらの胸中を読まれたかのように
声をかけられた。
「え、あ、はい」
顔を上げ、晴明さんと目が合う。
晴明さんはふっと口の端に微笑を携えながら
「さ、始めてみせてくれ」
と持っていた扇で口元を隠す。
私は詠唱を始めながらもふと
(五芒星以外でも召喚できるのだろうか?)
という疑念にとらわれ・・・試しに霊符に
『星』
とつい出来心で書いてしまった。
詠唱が終わり、霊符に書いてしまったことを半ば後悔しながらも
鮮やかな光を纏った薄紅色の蝶が召喚陣の形代にとまり、吸収されるのを
見守る。
風もないのにふわっと天から舞い降りたのは蛍草を持った愛らしい女の子だった。
(え?やった!!!)
晴明さんは広げていた扇をぱたんと閉じると
「成功したな。」
と微笑み、私は霊符を晴明さんに確認の為に渡す。
その間に
「初めまして。よろしくね」
と召喚したての妖であろう少女に声をかけた。
「うん。よろしく」
愛らしい声でにっこりと笑みを浮かべながらも少女は頷いた。
「私は桃花。晴明さんの下で見習いとして日々励んでおります。
貴方は?」
「私は蛍草」
お互いに自己紹介が終わると晴明さんに
「桃花」
名を呼ばれ私は内心
(あ、つい出来心でやってしまったことでのお叱りかな?)
と思いつつ
「はい」
と返事をする。
「この霊符だが…」
晴明さんは霊符を私の下に向けると
「普通なら五芒星で呼ぶのだとあれほど教えたはずだが、
何故、これを書いた?」
少し面白がってるような口ぶりで問いかける。
「すみません。五芒星を上手く書く自信がなくてつい出来心で」
晴明さんは霊符に目を落とすと
「そうか。召喚自体は見事だった。それと蛍草。
桃花をこれからもよろしく頼む」
と言い、声をかけられた蛍草は頷くと
「何て書いたの?」
と興味津々で霊符に書かれた文字をのぞき込もうとする。
「『星』だ」
晴明さんが答えると蛍草はきょとんと目をしばたかせ
「そうなんだ。お星さま好きなの?」
私の隣にちょこんと座りこむと笑顔で話しかけてきた。
「うん。星好きだよ」
まだ消えぬ緊張感があり、ぎこちなく答えてしまったが
彼女は意に介さずに
「なんだか優しそうな人でよかった。これからよろしくね」
と言ってくれた。
「うん。ありがとう!よろしく!」
私は手を伸ばすと彼女の頭をそっと撫でた。
「初めての召喚蛍草編・完」
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