マニアックな彼女と普通の彼氏で5題
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俺の彼女は所謂オタクとよばれる人種だ。
アニメ、漫画、ゲーム、フィギュア、コスプレと好きな物は多岐にわたる。
付き合う前からそういった類いの物が好きだということは知っていたし、それを承知の上で全てを受け止めるからと告白したのは俺の方だ。
付き合って数ヶ月、彼女の趣味もだいぶ理解が出来てきたし、俺も一緒になって彼女が好きなアニメを見たりゲームをプレイしたりと楽しく過ごしていた。
だがしかし、時折見せる困惑の表情や、まるでなにかを隠すような素振りが気にかかっていた。
付き合って半年。
ここでようやく謎が解けることになる。
ただそれは、彼女にとっては不本意な方法で。
たまたま偶然、由紀の自宅に遊びに行った際、本棚の本と本の間に、漫画にしては非常に厚みがない一冊の何かを見つけた。
ゲームの説明書だろうかと軽い気持ちで手に取る。
それがすべての始まりであり、彼女にとっての終わり。
俺がぱらりと本のページをめくるのと、1階のリビングからお菓子を持ってきた由紀が自室の部屋のドアを開けるのはほぼ同時だった。
「…これはこれは、凄い物が出てきたのう」
彼女は言葉にならない叫び声を発したかと思えば、布団を頭から被り出てこなくなってしまった。
彼女が本当に一番好きだったもの。そして、俺に絶対に隠し通したかったもの。
それは、漫画は漫画でもBL漫画だった。
「死にたい」
「いや、由紀に死なれるのは俺がこまるぜよ」
もう数十分以上布団から出てきてくれないのでそのまま布団越しに会話を続けるというシュールな絵面。
確かにこれは好きな男…まして付き合ってる彼氏には見られたくないかもしれない。
「幻滅したよね…男同士のあれこれが好きな上に描くのも見るのも好きな彼女なんて…」
「へぇ、お前さんこういうの描いたりもするのか」
「あぁぁぁぁぁぁもう嫌だ墓穴うううう」
どんどん自滅していくのが面白くて、もう少しこのままでもいいかとも思ったが、彼女にさらに追い討ちをかければ切腹するとでも言いかねないほどの状況だったので、俺は真剣に今の自分の気持ちを伝えることにする。
「別に幻滅なんてしとらん。そう落ち込みなさんなって」
「…嘘だ」
「嘘じゃないって。そりゃ少し驚きはしたが、別に由紀がどんな趣味をもってたって自由だし、俺にそれを止めさせる権利もないじゃろ」
大丈夫だからもうそろそろ出てきて欲しいことを伝えると、彼女はようやく布団の中から顔を覗かせた。
「…本当に、幻滅してない?」
「あぁ、本当じゃ」
まだ信じられないと目が訴えている。
「引かない?別れない?」
「元より覚悟の上じゃき」
少し考えた後布団の中からのそのそと這い出てきて、不安そうな顔でじっと俺の顔を見つめる。
「絶対に別れたりせんから、安心しんしゃい」
そうしてようやく、彼女は笑顔を取り戻す。
「…私、雅治を好きになってよかったな」
はにかみながら笑う彼女のことが、やはり心から好きなのだと再認識する。
「あぁ、俺も好いとおよ由紀」
改めてお互いの絆を確認しあい、口づけを交わした。
後日…
「ねぇ雅治」
ぴたりと互いの動きが止まる。
声のトーン、真っ直ぐ前を見据える視線。
「嫌な予感しかせんが…一応聞く、なんじゃ」
彼女は真剣な目付きで、廊下の前方を歩く俺の部活のチームメイト二人を見つめている。
「あの二人できてるの?できてるよね夫婦だよねもう本当に見てるだけで目の保養なんですけど。観賞用に部屋に置いておきたい」
「お前さん、ちと自重しろ」
俺の彼女は、筋金入りの(BL)オタクです。
アニメ、漫画、ゲーム、フィギュア、コスプレと好きな物は多岐にわたる。
付き合う前からそういった類いの物が好きだということは知っていたし、それを承知の上で全てを受け止めるからと告白したのは俺の方だ。
付き合って数ヶ月、彼女の趣味もだいぶ理解が出来てきたし、俺も一緒になって彼女が好きなアニメを見たりゲームをプレイしたりと楽しく過ごしていた。
だがしかし、時折見せる困惑の表情や、まるでなにかを隠すような素振りが気にかかっていた。
付き合って半年。
ここでようやく謎が解けることになる。
ただそれは、彼女にとっては不本意な方法で。
たまたま偶然、由紀の自宅に遊びに行った際、本棚の本と本の間に、漫画にしては非常に厚みがない一冊の何かを見つけた。
ゲームの説明書だろうかと軽い気持ちで手に取る。
それがすべての始まりであり、彼女にとっての終わり。
俺がぱらりと本のページをめくるのと、1階のリビングからお菓子を持ってきた由紀が自室の部屋のドアを開けるのはほぼ同時だった。
「…これはこれは、凄い物が出てきたのう」
彼女は言葉にならない叫び声を発したかと思えば、布団を頭から被り出てこなくなってしまった。
彼女が本当に一番好きだったもの。そして、俺に絶対に隠し通したかったもの。
それは、漫画は漫画でもBL漫画だった。
「死にたい」
「いや、由紀に死なれるのは俺がこまるぜよ」
もう数十分以上布団から出てきてくれないのでそのまま布団越しに会話を続けるというシュールな絵面。
確かにこれは好きな男…まして付き合ってる彼氏には見られたくないかもしれない。
「幻滅したよね…男同士のあれこれが好きな上に描くのも見るのも好きな彼女なんて…」
「へぇ、お前さんこういうの描いたりもするのか」
「あぁぁぁぁぁぁもう嫌だ墓穴うううう」
どんどん自滅していくのが面白くて、もう少しこのままでもいいかとも思ったが、彼女にさらに追い討ちをかければ切腹するとでも言いかねないほどの状況だったので、俺は真剣に今の自分の気持ちを伝えることにする。
「別に幻滅なんてしとらん。そう落ち込みなさんなって」
「…嘘だ」
「嘘じゃないって。そりゃ少し驚きはしたが、別に由紀がどんな趣味をもってたって自由だし、俺にそれを止めさせる権利もないじゃろ」
大丈夫だからもうそろそろ出てきて欲しいことを伝えると、彼女はようやく布団の中から顔を覗かせた。
「…本当に、幻滅してない?」
「あぁ、本当じゃ」
まだ信じられないと目が訴えている。
「引かない?別れない?」
「元より覚悟の上じゃき」
少し考えた後布団の中からのそのそと這い出てきて、不安そうな顔でじっと俺の顔を見つめる。
「絶対に別れたりせんから、安心しんしゃい」
そうしてようやく、彼女は笑顔を取り戻す。
「…私、雅治を好きになってよかったな」
はにかみながら笑う彼女のことが、やはり心から好きなのだと再認識する。
「あぁ、俺も好いとおよ由紀」
改めてお互いの絆を確認しあい、口づけを交わした。
後日…
「ねぇ雅治」
ぴたりと互いの動きが止まる。
声のトーン、真っ直ぐ前を見据える視線。
「嫌な予感しかせんが…一応聞く、なんじゃ」
彼女は真剣な目付きで、廊下の前方を歩く俺の部活のチームメイト二人を見つめている。
「あの二人できてるの?できてるよね夫婦だよねもう本当に見てるだけで目の保養なんですけど。観賞用に部屋に置いておきたい」
「お前さん、ちと自重しろ」
俺の彼女は、筋金入りの(BL)オタクです。
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