好き!の伝え方6題
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登校中、見慣れた後ろ姿を見つけた。
黒色の長い髪を一纏めにし、高い位置でくくっている。
歩く度、左右に揺れる髪の束をずっと眺めていたい気もしたが、早く彼女の視界に入りたくて、会話がしたくて、傍に駆け寄る。
おはようございますと元気に言えば、おはようと笑顔で挨拶は返ってきた。
「あーぁ先輩、ちゃんと鏡見ました?後ろ、髪ぐっちゃぐちゃですよ」
瞬間、さぁっと彼女が青ざめる。
「嘘、本当に!?」
慌てた様子で道の端に移動し、結っていたゴムを取ろうとする彼女の手をそっと握る。
「冗談ですって。ちゃんといつも通り綺麗ですよ」
けらけらと笑って言えば、彼女は呆気にとられた表情をし、俺の頭を軽く叩いた。
「赤也君の意地悪!」
「いって…!だって、先輩からかうの楽しいんすもん」
じと目でこちらを睨んでくる。
そんな表情すら可愛いと思ってしまうんだから、もう重症だ。
「先輩って本当に可愛いっすよね」
「…また冗談ばかり言って」
出来ることなら、先輩の頭の中が俺で満たされればいいのに。
「俺、本気で先輩のこと…」
でも、きっとそれは一生かかっても無理な話だろう。
先輩にはもう、大事な人がいる。
そいつに、俺はきっと一生かかっても勝てない。
「由紀、赤也おはよう」
ほら、必ずといっていいほどいいタイミングで現れる。
「精市!」
そう、奴にとっての、いいタイミング。
俺を舞い上がらせるだけ舞い上がらせて、一気に崖から突き落とされるような。
ちらりと俺を見やり奴が微笑を浮かべる。
「まるで姉弟みたいだね」
「赤也君、私のことすぐからかうんだから…一応先輩なんだけどな」
奴は何とも思ってない素振りで、彼女に気づかれないように俺を牽制する。
俺からしてみれば、嫉妬心むきだしなのがばればれだ。目が笑っていない。
「じゃあ行こうか。赤也も早くしないと遅刻してしまうよ」
自然と手を繋ぎ歩き出す二人。
毎度毎度、あからさまに見せつけられると正直へこむ。
俺がもっと頑張れば、あの人は振り向いてくれるのだろうか。
今はまだ、二人の後ろを複雑な気持ちで歩くことしかできない男だけど
いつか必ず振り向かせてみせる。
黒色の長い髪を一纏めにし、高い位置でくくっている。
歩く度、左右に揺れる髪の束をずっと眺めていたい気もしたが、早く彼女の視界に入りたくて、会話がしたくて、傍に駆け寄る。
おはようございますと元気に言えば、おはようと笑顔で挨拶は返ってきた。
「あーぁ先輩、ちゃんと鏡見ました?後ろ、髪ぐっちゃぐちゃですよ」
瞬間、さぁっと彼女が青ざめる。
「嘘、本当に!?」
慌てた様子で道の端に移動し、結っていたゴムを取ろうとする彼女の手をそっと握る。
「冗談ですって。ちゃんといつも通り綺麗ですよ」
けらけらと笑って言えば、彼女は呆気にとられた表情をし、俺の頭を軽く叩いた。
「赤也君の意地悪!」
「いって…!だって、先輩からかうの楽しいんすもん」
じと目でこちらを睨んでくる。
そんな表情すら可愛いと思ってしまうんだから、もう重症だ。
「先輩って本当に可愛いっすよね」
「…また冗談ばかり言って」
出来ることなら、先輩の頭の中が俺で満たされればいいのに。
「俺、本気で先輩のこと…」
でも、きっとそれは一生かかっても無理な話だろう。
先輩にはもう、大事な人がいる。
そいつに、俺はきっと一生かかっても勝てない。
「由紀、赤也おはよう」
ほら、必ずといっていいほどいいタイミングで現れる。
「精市!」
そう、奴にとっての、いいタイミング。
俺を舞い上がらせるだけ舞い上がらせて、一気に崖から突き落とされるような。
ちらりと俺を見やり奴が微笑を浮かべる。
「まるで姉弟みたいだね」
「赤也君、私のことすぐからかうんだから…一応先輩なんだけどな」
奴は何とも思ってない素振りで、彼女に気づかれないように俺を牽制する。
俺からしてみれば、嫉妬心むきだしなのがばればれだ。目が笑っていない。
「じゃあ行こうか。赤也も早くしないと遅刻してしまうよ」
自然と手を繋ぎ歩き出す二人。
毎度毎度、あからさまに見せつけられると正直へこむ。
俺がもっと頑張れば、あの人は振り向いてくれるのだろうか。
今はまだ、二人の後ろを複雑な気持ちで歩くことしかできない男だけど
いつか必ず振り向かせてみせる。